見出し画像

募集マーケティング解説!第4章②戦国時代から学ぶ分析とポジショニングについて

前回は桶狭間の戦いからマーケティング目線で解説いたしました。
▼まだお読みでない方はこちら


さて、今回は三大奇襲の1つとされる『厳島の戦い』からマーケティング目線で解説したいと思います!


1.厳島の戦いとは?

歴史の教科書ではさほど扱わないので、知らない人も多いかと思いますが、主人公となる武将は毛利元就です。名前は聞いた事があるかと思います。
実は毛利元就は戦国時代の武将の中ではかなりの戦略家として有名です。
詳しい戦の経緯等はマーケティングのお話が遠くなってしまうのでかなり省略してご説明します。

【厳島の戦いの戦況】
毛利元就VS陶晴賢
兵力は毛利軍約4000人、陶軍2万人でした。
戦でこの戦力差は負け確実とされていました。
毛利元就はこの現状をふまえて考えた結果、広島県厳島を戦地に選びました。それは島であれば、大軍の動きも鈍ると考えたからです。
さらに毛利元就は陶晴賢へ厳島で「戦われたら困るなぁ」という様な情報をわざと流し、陶晴賢を厳島へ誘き寄せます。
結果、まんまと厳島へ来た陶晴賢を毛利元就が援軍と共に奇襲で挟み撃ちで攻め込み、パニックになった大軍は指揮もとれず、総崩れとなり毛利元就が勝利を納めました。(※諸説あります。)


2.マーケティング目線から解説

詳細は省きましたが、ポイントは2点です。
①有利となる戦地を選んだ
大軍に対して少数でも勝負できる、もしくは有利となる戦地を選びました。これはマーケティングでいう『ポジショニング』です。
自社が競合と比較して有利となるポジションをとることです。後ほど詳しく例でお伝えします。

②自分が有利な戦地で戦う為に情報を流した
ポジショニングだけでなく、そこへ誘導し戦う為に情報を拡散させました。戦場を自分の有利な地へ持っていきました。

3.身近に同じ戦況が起きている!

①②がまさにこの数年私達の身近に起きているのです。学校業界とは離れてしまいますが、
『自動車業界』がこの①②の熱い戦いが繰り広げられているのは皆さんお気づきでしょうか。

自動車業界ではここ数年電気自動車が沢山販売されました。これは主に中国やアメリカテスラ、ヨーロッパの自動車企業による戦地変更戦略でした。誇らしい事に日本の自動車の性能は抜群に良く、特にエンジン性能は日本企業には勝てないと言われていました。そんな戦況の中、他国はエンジンが勝てないならモーターに変えれば良い!
と、戦地を【エンジン】→【モーター】に変更する戦略に出たのです。
その為にはエンジンよりモーターが良いと思わせる必要性がありました。その為に環境問題を謳い、『廃棄ガスが出るエンジンは環境に悪い、もうエンジンなんて昔のモノ』『電気自動車は環境に良く、最先端でスタイリッシュ』そんな情報を流して消費者をエンジンのクルマから電気自動車へ誘導していきました。
結果、エンジンの自動車VSエンジンの自動車ではなく、電気自動車VS電気自動車という戦況に持っていかれたのでした。

もうお気づきですよね、厳島の戦いと近年の自動車業界の戦いはポジションを有利な方へ引っ張る、引っ張る為に情報を流すという全く同じような戦況が起きていたのです。
(因みに自動車業界ではトヨタはそのポジションへ引っ張られず、今一人勝ちのような状況になりつつありますが!)

4.募集マーケティングで解説

大学や高校でも増えつつある通信制。今までは大学・専門学校進学では
・偏差値
・就職率や実績
・資格取得
などの『将来が安心』というような価値提供が一般的であったと思います。
しかし、そういった点では勝てない特に通信制の学校が新たな価値の提案をしていると感じています。『自分らしさ、新たなスクールライフ』です。将来より"今"に比重を傾けている気がします。
つまり、新たなポジションを創造し、CMなどのプロモーションによりこの新たな価値の認知拡大に努めているように思います。
CM等を見てみると通信制大学では
・自由に学べる
・好きな時間、場所で多様な学びができる

といった告知がされているのです。


5.まとめ

戦国時代から今の学生募集について時空を超えながら解説いたしました!
ポイントは
・現状マーケット(相手との戦力差、そこから自
  らの立ち位置や戦場となる地形)を知る事が戦略
 立案において重要であること
・ポジショニングを変えたり、創造したりする
 ことで、自分より大きな相手にも勝てること

についてお話しました。

ポジショニングの創造や操作は正直かなり高度なマーケティング技術です。自分にはとても無理と思うかもしれませんが、今マーケットがどの様に動いているのか知るだけでも、相手の操作に知らぬ間に乗っかるのか、はたまた気づいて動くかどうか判断するかは全く違います。
是非マーケットの動きを知ることをお忘れなく!


ではまた次回!

いいなと思ったら応援しよう!

募集改善専門ドクター!【専門学校・大学職員向け】
お気持ち頂けましたら励みになります⭐︎より良い記事更新を目指します♪