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新卒2年目のマーケターが能力の変わらないメンバーを教育するにあたって大切にしていたこと
僕は20代の駆け出しマーケターです。
現在は新卒4年目になり、事業のマーケティング統括を仕事として、50人近くのメンバーと一緒に仕事をしています。
しかし、新卒2年目の途中から3年目の半ばまでは、土台としての組織作りに奔走してマーケティングどころではありませんでした。
そんな経験から、今回は優秀なメンバーの教育経験から学んだ教訓をnoteにしようと思っています。
能力の変わらない部下
僕の会社は裁量権の大きさが売りで、まだ入社間もない年次からリーダー業務を任されることが多くあります。
僕も新卒2年目の途中から、新卒1年目と次年度入社予定のインターン生をメンバーに持つことになりました。
初めての部下は2人とも非常に優秀なメンバーでした。
年次がほとんど変わらない上、能力にもそれほど差がなかったので、上長として彼らとどう接するかを常に考えてました。試行錯誤の結果、自分の中で上手くいくスタンスを見つけることができました。
大事なスタンスは「舐めないこと」
当たり前のように聞こえると思いますが、部下が優秀である場合、これを実践するのは難しいです。
なぜなら、上長からすれば、部下が自分より劣っている状態の方が管理が楽だからです。なので上長は部下を舐めたくなるのです。劣っていて欲しいと思いますし、劣っている状態を作ろうとしています。あれができていない、これができていない、と粗を探しては裁量と権限の移譲を躊躇します。
しかし、それでは双方足の引っ張り合いになってしまい、組織としての成果が最大化されません。ゆえに、どちらも無能認定されてしまうことになるのです。
だから「舐めないこと」が大事なのです。
「舐めないこと」は以下の要素から構成されています。
1. 部下を労働力として捉えないこと
2. 部下の自信の芽を摘まないこと
3. 部下に対して一流を求めること
部下を労働力として捉えないこと
大事なことは、部下を理解しようと努力することです。
部下のパフォーマンスは仕事のデザインの仕方によって大きく変動します。
その設計の鍵となるのは、部下のパーソナリティのうち、何をどのように知るのか、だと思っています。
まずはGABのような適職診断でどのような職種が向いていて、どんな仕事に対して価値を発揮しやすいのかを知ります。入社時に課している会社が多いのでデータをもらえるとは思いますが、ない場合は本人へのヒアリングでも問題ありません。
このGABで部下を知ることで、これから求めたい職務との差分から、普段から気をつけるべき平時のフォローの方針が立ちます。
次に、どのような時にストレスを感じるのか、をエゴグラムなどの性格診断で判断します。これも入社時に課している会社が多いと思いますが、ない場合は簡易版がwebに転がっているので、受験してもらうのがいいと思います。
このエゴグラムで部下を知ることで、部下の顔色が悪かったりパフォーマンスが下がった際の有事のフォローの方針が立ちます。
最後に、本人から5~10年の中長期で何がしたいのか、直近数年は何をしたいのか、今は何をしたいのか、つまりWillをヒアリングします。Willは時期によって大きく変動したり、何か言わないとと思って思ってもいないWillを口にしてしまったり、ただの憧れを答えてしまったりします。なので、できるだけ継続的に聞いていくのがいいと思います。
このヒアリングで部下のWillを知ることで、現状のスキルとの差分から能力支援の方針が立ちます。
これらの3つの方針をもとに、求める職務のうち、何にどれくらい裁量を持たせるか、どれくらいのスパン感でどのくらいの水準の成果を求めるか、どういうレポートパスを設計するか、ナナメのフォローアップは誰にお願いするか、などを設計していきます。
こうして、上長として求めたい仕事の型に無理やり部下を押し込むことなく、本人に合わせた仕事をデザインしていくことができます。具体的には、あなたは何に向いているのか、あなたは何を辛いと思うのか、あなたは何をしたいのか、を把握することが大事になります。
部下が優秀であるということは、どんな仕事でもこなせるということを意味しません。彼らにも得意不得意があり、やりたいことやりたくないことがあります。お手並み拝見のスタンスは捨てて、彼らの成長を最大化するような支援を時間をかけて見つけてあげてください。
部下の自信の芽を摘まないこと
大事なことは、自分で考え、行動する癖を付けてもらうことです。
実は人間全員に「自分で考え、行動する」ポテンシャルがあり、引き出せるかどうかは上長にかかっていると思うのです。
その分岐点となるのは最初に自信を持てるかどうか、だと思っています。
その分岐点の鍵を握るのがマズローの五段階欲求です。
このマズローの五段階欲求の中で大事なのが、「所属と愛の欲求」と「承認欲求」です。つまり、「チームの一員として認められているか」と「自分は価値ある存在と認められているか」が大事ということです。
これらが充足しないと、自己実現の欲求は発言しないままです。
部下の教育に置き換えてみると、「所属と愛の欲求」と「承認欲求」が満たされない場合、部下は上長に認められるために仕事をします。それでは、「自分で考え、行動する」とは程遠くなってしまいます。そして最初に焼き付いたこの性質は部下のパーソナリティの一部になってしまい、変えることが難しくなります。
なので、最初に「所属と愛の欲求」と「承認欲求」をガンガン満たすこと、が大事になります。具体的には、最初はあなたに期待していると伝え続け、めちゃめちゃ褒めることが大事になります。
どれだけ部下が優秀でも最初は右も左も分かりません。
なので、よっぽど倫理と社内規範から外れていない場合は、どんなアクションでもその行動自体を褒めてあげてください。フィードバックや厳しい指導はその後からでも全く問題ないと思っています。イケイケドンドンなメンタルを早めに作ることが重要だと思っています。
部下に対して一流を求めること
大事なことは、フェアであろうとすることです。
これが1番重要だと思っています。
部下にも担当領域での一流を求めるのであれば、その領域ではメンバーもリーダーもマネージャーもありません。
なので、部下が担当している領域においてはお互いが一流としてフェアに接するという意識を上長部下双方に持ってもらうことが重要です。
部下が担当している領域に関して、上長はかつての経験に裏打ちされた肌感やポジションの違いに起因する視座からモノを言えます。
しかし、それに対して部下が「なにクソ」と思って自分で調べたり実験したりして、意見を通しにいったりすることが、学習の過程として正しいのではないかなと思っています。
そして上長はその報告や説得を聞いていろいろな最先端を知ったりということも多いと思います。それが仕事における成長プロセスだと思っています。
そのためには、上長を絶対崇拝するような関係性を作らないことが重要だと思っています。崇拝してもらった方が上長としては管理しやすいのは事実ですが、一方で上長になるとどうしても現場の細部やその領域のアップデートには疎くなってしまいます。
組織として強くなっていくことを志向するのであれば、お互いが成長のスパイラルに入るような関係性を宣言し、それを実現できるコミュニケーションを意識することが大事なのではないかと思います。
「舐めないこと」が活きる時
上記で「舐めないこと」の重要性と舐めないために何をするべきかを書きましたが、全ての組織においてこの方法が通用するとは思っていないです。
まず事業において創業期は、上位下達のコミュニケーションの方がグロースに寄与する場合が多いと思います。なぜなら創業者の頭の中に成長の戦略と現場の細部設計まで絵があることが多いためです。
そういうフェーズでは、自走することよりも創業者から求められる高い目標に一心不乱にコミットする方が事業のためになることが多いです。
僕が担当している事業は僕が新卒2年目の時に、すでに創業10年を超えるサービスだったので上記の方法が通用しました。
また、部下に成長欲求がない場合、もしくは事業を成長させる意欲がない場合は、細かく管理する方がグロースに寄与する場合が多いと思います。理由は言わずもがなです。
僕が担当した部下は成長欲求も事業を成長させる意欲も十二分にあったので上記の方法が通用しました。
このように組織における施策や考え方は組織のフェーズや組織に土着する文化によって最適化されるべきだと思っています。
なのでまずは自組織の状態をじっくり考えて、その上で「舐めないこと」が必要だ!と思ったら、ぜひ参考にしてみてください。