読み手がグイグイ引き込まれるランディングページのコツをマーケターがまとめてみた【事例40選】
おはようございます。
最近マーケティング以外の活動が多くなって来たので、気分転換がてら、私が愛して止まないランディングページについて、ゴリっと訴求力を上げるために役立つポイントについてまとめてみました。
このまとめは個人的な備忘録も兼ねておりますが、以下のような方も少しはためになるかもしれません。
当てはまる人はぜひご一読ください。
<この記事は以下のような方にオススメです>
・ランディングページのCVRを上げたい方
・チームメンバーにランディングページの基礎知識の習得をさせたい方
・マーケティング、心理学が好きな方
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さて、早速ですが、様々なランディングページを見ていると、以下のような要素が立っているランディングページが効果が高い傾向にあります。
説得力×感情の揺さぶり(期待感と恐怖感)
ユーザーが「確かに!」と思う納得感と、「やばい、これ買ったほうがいいかも」という感情を揺さぶられる幅が大きいほど、CVRの向上に寄与しているのではないかと考えています。
この記事で紹介するポイントも、説得力と感情の揺さぶりに関わるものです。
ロジカルに納得させる説得力に合わせて、期待や不安の要素を入れ込み、見ている人の感情をシーソーのように揺り動かしている自分を意識しながら眺めていただけけると幸いです。
各項目に例文も紹介していますので、ぜひパクリまくってください。
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まず、記事の前半では、商品やサービスに、より興味を持ってもらうために有効な「納得感を高める」要素をご紹介していきます。
下の図で言うと、シーソーの板の部分ですね。
1,数字が入っているか
・糖質90%オフの缶ビール・日本国民の10人に1人が見たことのある映画
・5秒に1本売れているペン
LPでモノやサービスを紹介する際には、数字を入れると格段に魅力増して見えます。
心理学用語でも、シャルパンティエ効果という「大きさや重さの単位を変換することで錯覚が起こること」言葉があります。
有名なキャッチフレーズだとタウリン1,000mg配合でおなじみのリポビタンDですね。
ただ数字を使うだけでなく、単位や大きさ、視点を変えて、より魅力的に見せる方法を考えましょう。
また、訴求の強い数字は一番初めに出すというのも鉄板で押さえておきたいポイントです。
アンカリング効果と言われるのですが、人は最初に見たデータは数字を重要視する傾向にあるという研究結果も出ているのです。
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2,内容に意外性が出ているか
先日テレビを見ていたら、バラエティ番組で、名門女子大学出身の茶髪巻き髪の美女が紹介されていました。
モデルの人かなーと思ったら、まさかの職業がボートレーサー。
え?と大いに意外性に驚かされ、その番組にすっかり見入ってしまいました。
芦村幸香さんという方で、過去にモデルをされていたそうでめっちゃ美人です。
この番組を見て、思わず競艇を初めて見にいきたいと思ってしまいました。
同様に、LP内でも「意外性」や「ギャップ」を訴求すると読み手の興味を引くことができます。
いくつか例を挙げてみます。
・10秒で充電完了する充電器
・片手で持ち歩ける敷き布団
・オフィスグリコ
意外性を推す場合は、ランディングページ上部のキャッチコピーの部分で使用するのが良いでしょう。
ランディングページに入ってきて、最初に目に飛び込んでくる情報の中に意外性があると、そのまま読み進めてくれる可能性が上昇するからです。
商品に興味を持ってランディングページに入ってきたユーザーを「情報(ノウハウ)」の意外性を訴求して、心をガシッと鷲掴みにしていきましょう。
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3,自分事化できる内容になっているか
ランディングページからCVしてもらうには、読み手に
「これは自分のために作られた商品だ!」と自分事として捉えてもらうことが重要です。
そのために有効なのが、ランディングページに共感するワードや表現を入れ込む方法です。
例えば、自分事化してもらいやすいテクニックとして、読み手のターゲット像を絞っていく方法が挙げられます。
・◯◯エリアにお住まいのあなたへ
・30歳を過ぎて肌荒れが気になりだした男性へ
化粧品のチラシやCMなどで見たことのある方も多いのではないでしょうか。
ターゲット像は細ければ細かいほど訴求は強まっていきます。
また、自分事化というテクニックはランディングページで使用するモデル選びにも応用が利きます。
具体的な事例として、私の失敗事例をご紹介しましょう。
数年前、とある健康食品のランディングページでABテストをしていた時の話です。
当時、私は無駄に海外熱が高く、ランディングのページのモデルに外国人を使いまくっていました。
ところがこれは全然効果が上がらない。
思い切って、試しに近所のスーパーにいるような一般の方をモデルにして撮影し、ランディングページに使用したところ、CVRが二倍以上跳ね上がったのです。
つまり、
・自分とはかけ離れすぎている顔だと、自分ごととして捉えにくい
・人によって好みがあるため、平均的な顔立ちのモデルを使用した方が親近感を持ってくれる確率が上がる
というように、他人事として捉えられてしまったのが、失敗の原因だったのです。
改めて自分事として捉えてもらうことの重要さを学んだのでした。
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4,「理由」が明記されているか
人はトラブルや処理できない事象に遭遇した時に、なぜ起きたのか、それによって自分がどうなるのか、を無意識に考えてしまいます。
ある本に書いてあったのですが、電車が遅延した時にイライラする理由のNO1は、
「行動が阻害された理由が分からないこと」
だそうです。
様々な業種のランディングページを見ていると、「初回無料お試し」や「サービス登録は無料」など、無料のサービスがあふれている一方で、
「なぜ無料なのか」「どうせあとから追加費用を請求されるに決まっている」
と考える人もいるのではないでしょうか。
このような疑念を払拭させるために有効なのが、あえて無料の理由を記載するという方法です。
このテクニックを上手くプロモーションに組み込んでいるのは、再春館製薬です。
この会社は『ドモホルンリンクル』という商品を販売しているのですが、この商品の初回トライアルは無料となっています。(2019年8月時点)
その理由については、これでもかというほど明確に無料の理由をCMやWebサイトで説明しています。
一度自分の肌に合うかどうか試してみてから、正式に申し込んで欲しい
というメッセージです。
再春館製薬の例は個人向けの商品ですが、これがBtoB向けの商売になると、より受け手側がビジネス目線で見ることも多く、無料サービスに対しての警戒レベルがグッと上がります。
読み手を納得させるような無料や値下げの理由はしっかり明記するようにしましょう。
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5,一貫性の法則を意識しているか
人はひとたび決定を下したり、ある立場をとる(コミットする)と、自分自身の中でそのコミットメントと一貫した行動をとらなければならない、という心境になることがあります。
この、自分の言動に無意識に一貫性を持たせようとする動きは、一貫性の法則と呼ばれており、数多くの心理学の実験でその影響力の大きさが実証されています。
これをランディングページに落とし込んだ例として、ダイエットに関するランディングページでよくある事例を見てみましょう。
>ランディングページ「体重が気になっている?」
>読み手「はい」
>ランディングページ「ウエストサイズが気になっている?」
>読み手「はい」
>ランディングページ「おなかの脂肪が気になっている?」
>読み手「はい」
このように、この読み手の欲求を、キャッチコピーを通じて刺激し、少しずつコミットメントを取って行った上で、
>ランディングページ
「そんな方のおすすめしたいのが○○というサプリです!」
と訴求してきます。
すると、読み手側としては、痩せたいという立場にコミットしているので、心情的には断りにくくなる心理が働き出します。
このテクニックは大正製薬の商品で使用されていました。
たとえ人ではなく、ランディングページが相手だとしても、自分自身の中で、自分は言動が一貫しているという整合性を取りたくなるのです。
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6, 誘導元の広告クリエイティブとファーストビューの整合性は取れているか
例えば、どこかのバナーをクリックしてランディングページへの流入があった場合、読み手の意識にはバナーの残像がわずかに残っています。
この残像と、ランディングページのクリエイティブがズレ過ぎていると、離脱率が上がってしまうというのがこの項目です。
よく見られる整合性が取れてない例としては以下です。
・広告で使われていた文言がファーストビューで使用されていない
・広告バナーは女性だったのに、ファーストビューでは男性になっている
・広告バナーのトンマナとランディングページのトンマナがかけ離れている
例えば、Yahooのバナーから推移した大正製薬のランディングページを見てみましょう。
↓↓↓↓↓
商品は同じですが、バナーの中での多くの割合を占めていた女性の画像がないのと、そもそもバナーに登場していない芸能人が突然ランディングページに登場していますね。
個人的には、パッと見、別の商品のページに飛んだのかと感じました。
芸能人など、特に目を引く要素を使用する場合は、特に違和感が生じやすいので、注意が必要です。
バナーからランディングページに遷移させるときは、読み手に違和感を持たれないよう、バナーで使用した文言やトンマナを十分に意識しながらランディングページを作成していきましょう。
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7,before/afterはあるか
LPで紹介している商品やノウハウを試して、どんな結果が生まれたのかは書かれていますか?
人は好奇心の強い生き物です。
ランディングページの情報で、日々の生活に何かしらの変化があったことを知ると、なぜその結果が出たのかの理由を知りたくなり、興味を持ちます。
・◯◯を購入したことで、洗濯にかかる時間が半分になった
・イスラエルに行って、価値観が根底から変わった
また、実際にサービスを利用したお客様の声をプロモーションに利用する手法もよく見られます。
・『保険なんてまだ早いと思っていましたが、入ってみたら不思議と肩の荷が少しだけ下りた気がしました』
・『本を読むだけでは、全く自分のものにならないと、このレッスンで痛感しました』
ランディングページ内でbefore/afterを紹介することで、まずは商品やサービスに興味を持ってくれ、比較検討フェーズにスムーズに入り込めるようになるのです。
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続く後半は、「揺さぶり要素」についてご紹介します。
興味を持ってくれた人に対して、感情を揺さぶり、購入したくなる気持ちを促進するのが、こちらの要素です。
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8,網羅性はあるか
・社会人一年目はこの新聞だけ読んでいれば大丈夫
・ランディングページについてはこれだけ押さえておけばOK
のように、紹介する商品やサービスに網羅性を持たせることもCVR向上のためには有効です。
インターネット上に様々な情報が溢れている今、ユーザーも購入の意思決定をするまで、どこまでの情報を集めれば良いかの分かりにくくなっています。
化粧品のバナーやランディングページでは比較的多く見られる手法ですね。
また、ウェブ上のまとめ記事でもよく見られます。
このテクニックが使えるかどうかは商材のパワーにかかっていますが、網羅性をアピールできる場合は、
「安心して下さい、あなたの求めているものは全てこれに詰まっていますよ」
というように、背中を押してあげましょう。
ただし、盛りすぎると景表法に抵触する場合があるので、ほどほどに。
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9,即効性があるものと認識されているか
昔から人間は、「すぐに」「カンタンに」効果が出る、という言葉に弱いものです。
お客さんが何かモノやサービスを購入しようと思う背景には何かしらの叶えたい欲望があります。
そのため、その欲を最短で満たせます!
というアピールは、読み手の購買意欲をかきたてることになります。
この見せ方の参考になるのは、金融系や情報商材のジャンルです。
とはいえ、怪しいような見せ方を参考にするのではなく、テクニックを他のジャンルに横展開する前提で参考にしましょう。
例えば、以下のバナーから、他のサービスに使えそうな表現を抽出してみましょう。
当然のことながら、「すぐに痩せる!」「簡単に稼げる!」などの過度の表現は避けましょう。
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10,社会権威性はあるか
社会的権威を持つ人・機関などを強調することで訴求力を強める方法です。
誰でもそのワードを聞いたら社会的権威性があると認識される言葉を選ぶのがポイントです。
・東京大学の教授が監修したディープラーニングサービス
・消費者庁許可 特定保健用食品
・NHK「◯◯」で紹介されたオンライン英文添削サービス
よく分からないけど、(雰囲気で)すごい!と思わせるネタを探すのが大事です。
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11,同調性を喚起出来ているか
・30代男性の8割が使用しているネットショップ
・宮崎県の主婦は皆使っている洗剤・黒字化した経営者の半数以上が利用しているサービス
みんなが買っている、使っていると同調させる効果をバンドワゴン効果といいます。
人は他人と違う行動を取ることに恐怖を覚える傾向にあります。
同調性を強調することで、自分も他の人に合わせなくては、という焦りを煽り、CVに結びつける手法です。
もちろん、事実無根の情報は景表法に抵触しますので、事実関係を調べた上で使用してください。
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12,ホラーストーリーを取り入れているか
ランディングページのスパイスとして欠かせないのが、ホラーストーリーを組み込むことです。
・この化粧水を使わなければ歳相応に老けていく
→この育毛剤を使わなければ頭髪は薄くなっていく一方
紹介されているサービス、もしくはノウハウをいま手に入れないと、読み手にどんな恐ろしい未来が待っているのかを表現しましょう。
ホラーストーリーをランディングページに入れる事で、緊急性を持たせることができ、衝動買いを誘発させることができます。
ホラーストーリーを語りすぎると、紹介している商品を必要以上に良く見せることになり、景品表示法の優良誤認に抵触する可能性もあります。
くれぐれも怖がらせ過ぎないように注意してください。
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13,カリギュラ効果を活用しているか
カリギュラ効果とは、「禁止されると、人はかえって禁止された行為をしたくなってしまう」という心理効果のことです。
・「本が大好きな方以外はこの本を買わないでください」
・「本気で痩せたいと考えていない方はこの先のページは見ないでください」
のように、売り場となるランディングページであえて購買行動を制限することで、紹介する商品やサービスに興味を持たせるというのが狙いです。
最近のコロナ騒動でも、外出が規制されたり、人によっては出社が出来ないことでストレスを抱えている人も多いのではないでしょうか。
これも一種のカリギュラ効果ですね。
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14,損失回避の法則を取り入れているか
これは、人間の持つ、得られるものよりも、失うものに価値を大きく感じるという心理をうまく利用した手法です。
・限定販売のため、今買わないと手に入らなくなる→あとで必要になった時に絶対に手に入らない
・お客様のポイントはまもなく失効します
・自分に合っていない枕を利用していると、人生の1/3を自分の身体を疲れさせるために使っているようなものです
コツとしてはランディングページを見ている側に、『あ、私このままだと損するかも』と思わせるようなクリエイティブを意識しましょう。
また、「全額返金保障」「無料サンプル」の導入が有効なのも、お金を出して購入した商品が良くなかった場合のリスクを心理的に減らすのが目的です。
売り手側が想定される損失のリスクヘッジをしてくれるので、ユーザーにとっては商品やサービスを手に取りやすくなります。
CMや電車広告では以下のようなフレーズをよく見ますね。
・当月に受講できなかったレッスンがあっても、翌月以降に繰越可能
・「初めての方にはお売りできません」
サービスを購入しても損しないですよ、という安心感をしっかり伝えていきましょう。
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いかがでしょうか。
以上が読み手がグイグイ引き込まれるランディングページ作成のコツになります。
売るものやサービスが異なっても、購入の意思決定をするのは人間です。
ぜひ、今回紹介した事例を参考に、魅力的なランディングページを作成してみてください。