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【ダウ銘柄入替】インテル/ダウ OUT・エヌビディア/シャーウィン・ウィリアムズ INーーインテル覇権の終焉

2024年11月1日、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、ダウ工業株30種平均(ニューヨークダウ)における銘柄の入れ替えを発表しました。

新たに半導体大手のエヌビディア(NVIDIA)と塗料メーカーのシャーウィン・ウィリアムズ(Sherwin-Williams)が採用され、これまで構成銘柄だったインテル(Intel)ダウ(Dow)が除外されることになりました。この入れ替えは、2024年11月8日から正式に適用されます。

本記事では銘柄入替が持つ意味について記事にまとめましたので、ぜひとも最後までご一読いただけますと幸いです。



なぜ銘柄を入れ替えたのか?

今回の入れ替えは、急成長する生成AI市場に対応するための動きとして注目されています。

生成AIに強みを持つエヌビディアが採用され、長年半導体業界で覇権を握ってきたインテルが除外されたことは、半導体業界における技術の移り変わりを象徴するものです。

また、塗料メーカーとして堅実な成長を続けるシャーウィン・ウィリアムズが採用され、伝統的な化学メーカーであるダウが外れたことも、産業構造の変化を反映しています。

今回の入れ替えは、アメリカ経済を代表するダウ平均が、最新の経済動向と産業のトレンドを取り入れる姿勢を示しています。

生成AIの急速な普及とともに、AIに関する技術とインフラが今後の経済成長を牽引すると見られています。

エヌビディアの採用は、特に生成AI関連企業の重要性が増していることを象徴し、また、インテルの除外は、従来の半導体メーカーが成長機会に乗り遅れた場合、どのようなリスクがあるかを示しています。


銘柄入替内容

採用銘柄

  • エヌビディア(NVIDIA)

参照:バフェットコード
参照:バフェットコード

採用理由:エヌビディアは、生成AI分野で圧倒的なシェアを誇り、AIに必要な高性能GPU(グラフィックプロセッサ)を提供しています。生成AIが今後も成長していくと予想される中、エヌビディアは重要な企業とされています。

強み:エヌビディアの製品は、生成AI、データセンター、クラウドコンピューティングといった分野で欠かせない存在であり、今後も市場の成長が期待されています。

エヌビディアの強みに関しては以下記事にもまとめておりますので、ご参考にしていただけますと幸いです。


  • シャーウィン・ウィリアムズ(Sherwin-Williams)

参照:バフェットコード
参照:バフェットコード

採用理由:安定的な配当実績や堅調な業績が評価され、またアメリカ国内の住宅や建設市場に密接に関わっている点から、経済全体を反映する銘柄として採用されました。

強み:塗料市場で世界的な地位を確立しており、景気変動にも比較的強いビジネスモデルを持っています。


除外銘柄

  • インテル(Intel)

参照:バフェットコード
参照:バフェットコード

除外理由:インテルは生成AI向けの半導体開発に取り組んでいますが、市場での成果が十分に上がっていないことから、生成AI分野での成長が評価されていません。エヌビディアが生成AI向けのGPUで市場を牽引する中、インテルは「Gaudi」シリーズなどAI向けアクセラレータを開発し対応を図っているものの、市場シェアや技術の浸透度で後れを取っていると見なされています。加えて、近年のインテルの業績低迷も続いており、半導体業界のサイクルがピークを越え、生成AI以外の領域では成長機会が限られるとの懸念が強まっています。

影響:インテルの除外は、生成AIに関与しない、または効果的な成長が見込めない従来型半導体企業への市場の懸念を示しています。生成AI分野での競争力が鍵となる半導体業界では、生成AIに対応できない場合、今後の成長において厳しい立場に立たされる可能性があることを示唆しています。


  • ダウ(Dow)

参照:バフェットコード
参照:バフェットコード

除外理由:シャーウィン・ウィリアムズに比べて、安定的な成長が難しいとされ、業界の代表銘柄としての位置付けが見直されました。

影響:従来の化学メーカーから、より広く建設・住宅業界と関わる銘柄へのシフトが見られます。


ダウ指数の持つ意味と投資への活用法

最近ではS&P500を指数として重要視する投資家が多いですが、ダウ平均株価(ニューヨークダウ)も、アメリカ経済を象徴する株価指数として非常に重要な存在です。

特に、アメリカの大企業を対象とした30銘柄で構成されており、そのパフォーマンスはアメリカ経済の状況やトレンドを反映しています。

ダウ平均は、S&P 500やNASDAQとは異なる価格加重平均方式で計算されているため、構成銘柄の中で特に株価の高い企業が指数全体に大きな影響を与えます。これによって、大企業の動向が市場全体の動きを牽引するような構造になっています。

ダウ平均は、アメリカ株式市場の代表的な指標であるだけでなく、投資家や経済関係者がアメリカ経済の健康状態を測る際の目安としても広く利用されています。

株価と経済の関連性が強いとされており、例えばドナルド・トランプ前大統領も株価を語る際には特にダウ平均を重要視していました。トランプ氏が大統領在任中に「ダウが上がっていることがアメリカ経済の好調さを表している」と発言するなど、ダウが経済の象徴的な指標であると広く認識されていることがわかります。

ダウ平均の活用法

  • 市場全体の動向把握:ダウ平均の動きを見ることで、アメリカ経済が好調であればダウも上昇し、不調であれば下落することが多いため、投資家は市場全体の流れを把握しやすくなります。

  • 優良銘柄の購入タイミングの判断:ダウ平均は、特に市場が冷え込んでいる時期に優良銘柄を割安で購入するタイミングを見極める指標としても役立ちます。市場全体が低迷してダウ平均が下落しているときには、市場を牽引する大企業の株価も下がりやすいため、今後も著しい成長が期待できる優良銘柄に投資したい場合には良いタイミングとなる可能性があります。逆に、ダウ平均が過熱気味の上昇を続けている時には割高になりやすいため、慎重な投資判断が求められます。


まとめ

インテルの除外は、半導体銘柄の中でも生成AI分野に関与できるかどうかが成長期待に大きく影響していることを示唆しています。

生成AI関連以外の分野では、インテルの業績悪化も含め、半導体サイクルのピークが過ぎている可能性も指摘されています。

生成AI向けの関与が見込めない企業は、今後の成長期待が厳しい状況にあることが今回のダウ銘柄入れ替えからも明らかになりました。

半導体銘柄だから成長期待できる=株価上昇というような相場ではなくなったと思われますので、投資する際はどの分野の半導体に強みがあるか注意深く分析する必要があるでしょう。


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