
【サイバー空間の守護者】CrowdStrikeが期待される理由
新しくFANG+に採用されたCrowdStrike。
2024年7月に大規模システム障害を引き起こし、イーロン・マスクより酷評された企業がなぜFANG+に採用されたのか気になったのでまとめてみました。
ぜひとも最後までご一読いただけますと幸いです。
CrowdStrikeとは
企業情報・事業内容

CrowdStrike(クラウドストライク)は、サイバーセキュリティ業界で急速に成長しているアメリカの企業です。
主に、インターネットに接続されたパソコン、スマホ、サーバーなど、私たちが日常で使用するデバイスをサイバー攻撃から守るための高度なセキュリティソリューションを提供しています。
CrowdStrikeのサービスは、デジタル社会におけるデータ保護とプライバシーの確保に不可欠な存在です。
特に注目すべき製品は「Falcon(ファルコン)」というプラットフォームです。このFalconは、クラウドベースで運用されており、企業のIT環境を常に監視し、サイバー攻撃をリアルタイムで検出・対応します。
AI(人工知能)や機械学習技術を駆使し、新しい攻撃パターンや脅威を自動的に学習し進化するため、従来のウイルス対策ソフトとは一線を画す強力な防御能力を持っています。
歴史
CrowdStrikeは2011年に創業されました。まだ若い企業ですが、その革新的な技術と市場ニーズをうまく捉え、急速に成長しました。創業者であるジョージ・カーツ(George Kurtz)はサイバーセキュリティの分野で長年のキャリアを積んでおり、その経験から「攻撃を未然に防ぐ」というビジョンを掲げています。このビジョンがCrowdStrikeのサービスの根幹を支えています。
特に、2016年の米国大統領選挙時に発生したロシアによるとされるハッキング事件の調査を通じて、CrowdStrikeは一躍世界的に注目を集めました。この事件の調査では、CrowdStrikeが高度なサイバー攻撃の痕跡を追跡し、証拠を明らかにしたことで、業界内での評価がさらに高まりました。
収益構造
CrowdStrikeの収益の柱は、主にサブスクリプションモデルです。企業は定期的に料金を支払うことで、CrowdStrikeのセキュリティサービスを利用し続けることができます。
この定期契約方式は、クラウドベースのシステムと相性が良く、初期費用が抑えられるため、多くの企業が導入しやすいメリットがあります。
また、単にソフトウェアを提供するだけでなく、企業のサイバーセキュリティ体制を強化するためのコンサルティングサービスも収益源の一部です。
CrowdStrikeは、企業が安全なデジタル環境を維持できるよう、幅広い支援を行っています。
CrowdStrikeのこの柔軟なビジネスモデルとクラウドを活用した先進的なセキュリティ技術により、同社はサイバーセキュリティ市場で強固な地位を築いています。
CrowdStrikeはなぜ競争の激しいセキュリティ分野でこれだけ期待されているのか?
CrowdStrikeの特徴
CrowdStrikeが他の企業と一線を画すのは、革新的な技術とそのスピードです。従来のセキュリティソフトは、各パソコンにウイルスの定義ファイルをダウンロードして、その定義をもとにして脅威を検出する仕組みでした。
しかし、CrowdStrikeの「Falcon」プラットフォームはクラウドベースで動作します。これは、常にインターネット上から最新のサイバー攻撃情報を収集し、リアルタイムで防御策を適用する仕組みを持っています。このため、新しいタイプの攻撃にもすぐに対応できるのが強みです。
さらに、CrowdStrikeはAI(人工知能)や機械学習技術を用いて脅威を検出します。AIは過去に発生したサイバー攻撃のデータを学習しており、通常とは異なる動作や不正なプログラムの動きを予測し、即座に防御を行います。
この「予測型セキュリティ」によって、従来のウイルス対策ソフトが見逃してしまうような新しい脅威も素早く検出し、攻撃を未然に防ぐことができます。
代表的な活用事例
CrowdStrikeのセキュリティソリューションは、世界中の大企業や政府機関に幅広く採用されています。
たとえば、銀行などの金融機関は非常に多くの資金を扱うため、サイバー攻撃の標的になりやすいです。
しかし、CrowdStrikeのFalconを導入することで、リモートワークを行っている状況でも安全に銀行のシステムを保護できるようになりました。
特に2020年以降、リモートワークが急増したことで、クラウドベースのセキュリティの重要性が高まりました。
従業員が自宅から会社のネットワークにアクセスする際、その通信がハッカーに狙われるリスクが増加しましたが、CrowdStrikeはこのリスクをカバーし、企業のデータを守るためのソリューションを提供しています。
こうした具体的な実績が、同社への期待をさらに高めています。
競合他社との比較・違い
クラウドベースのセキュリティソリューションを提供している企業は他にもあります。
実際、サイバーセキュリティ分野では多くの企業がクラウドベースのアプローチを採用しています。
例えば、Palo Alto Networks や Zscaler といった企業も、クラウドベースのセキュリティサービスを提供しています。
Palo Alto Networks では、「Prisma Cloud」というクラウドベースのセキュリティプラットフォームを提供しており、クラウドアプリケーションやインフラのセキュリティを強化するサービスがあります。
Zscaler は、特にゼロトラストセキュリティモデル(Zero Trust)を推進し、クラウドでネットワークを保護する技術で知られており、個々のデバイスに依存せず、クラウド上で通信やアクセス管理を行います。
CrowdStrikeの強みは、クラウドベースでエンドポイント(PCやスマホなどのデバイス)を保護するだけでなく、AIを活用したリアルタイムな脅威の検出や予測が一体となったソリューションを提供している点です。
他の企業もクラウドセキュリティを展開していますが、CrowdStrikeは特にエンドポイント防御の分野で高い評価を得ており、AIを駆使してリアルタイムで脅威に対応するという面で差別化しています。
このような状況で、クラウド上にある最新の攻撃データをリアルタイムで反映できるCrowdStrikeのようなサービスは、特に有効です。
競合他社が依然として従来の手法に依存しているのに対し、CrowdStrikeはクラウドとAIを駆使して次世代のセキュリティソリューションを提供しており、その点が注目される理由です。
CrowdStrikeが社会にもたらす恩恵
CrowdStrikeがもたらす最も大きな恩恵は、サイバー攻撃から私たちの日常生活を守り、安全を確保するためのセキュリティです。
現代社会では、私たちが利用する多くのサービスがインターネットを通じて行われています。
たとえば、銀行での取引、オンラインショッピング、さらには病院での医療データまで、重要な情報はすべてデジタル化され、オンラインで管理されています。
しかし、これらのデータがサイバー攻撃によって盗まれたり、破壊されたりすれば、私たちのプライバシーが侵害されるだけでなく、経済的な損失や社会の混乱も引き起こしかねません。
たとえば、銀行のシステムがサイバー攻撃を受けて止まってしまえば、多くの人が資産を失ったり、企業が機能不全に陥ったりする可能性があります。
CrowdStrikeの技術は、こうしたリスクから私たちを守るために非常に重要な役割を果たしています。
同社のクラウドベースのセキュリティシステムは、どこからでも利用できるため、特にリモートワークが普及した現代において、新たに生じたセキュリティリスクに対応することができます。
自宅から会社のシステムにアクセスする機会が増えたことで、ハッカーがその通信を狙う可能性も高まっていますが、CrowdStrikeのソリューションはそうした攻撃を未然に防ぎます。
さらに、CrowdStrikeの技術を導入することで、企業や政府機関は安心してデジタル技術を活用できるようになります。
これにより、経済が発展し、新しい革新的なサービスや技術が生まれる土台が整います。
例えば、安全なデジタル環境を前提に、企業は効率的なオンラインサービスを提供でき、私たちの生活をより便利で豊かにしてくれます。
このように、CrowdStrikeのセキュリティ技術は、私たちの社会を支える重要なインフラと言えるでしょう。
CrowdStrike、CEOは何を目指すのか

CrowdStrike CEO
CrowdStrikeのCEOであるジョージ・カーツは、サイバーセキュリティの未来を見据え、企業や個人が直面する新しい脅威に対して「攻撃を受ける前に防ぐ」ことを目標としています。
彼は、サイバー攻撃がますます巧妙化し、複雑になっている現在、従来の受動的なセキュリティ対策だけでは十分に対応できないと考えています。
従来のセキュリティは、攻撃を受けてから対応する形が多かったですが、カーツはこのアプローチを変えたいとしています。
そのため、彼はAI(人工知能)を活用し、攻撃が発生する前にそれを予測し、リアルタイムで防御する技術の強化に取り組んでいます。
AIは、過去の攻撃データを学習し、通常と異なる動作をいち早く検出することで、攻撃の兆候を素早くつかみ、被害を未然に防ぐことができます。
これにより、企業は日々進化する脅威に対して常に先手を打つことが可能になります。
まとめ
CrowdStrikeは、サイバーセキュリティ業界で大きな期待を背負っている企業です。
その中心には、クラウドベースの「Falcon」プラットフォームがあり、AIや機械学習を活用した高度なセキュリティ対策を提供しています。
この技術により、企業や個人のデータを常に進化するサイバー攻撃から守り、デジタル社会の安全を保っています。
事業の将来性からFANG+銘柄に選ばれたのも納得です。
そういえばFANG+にセキュリティに特化した企業はありませんでしたね。
ですが、やはりServiceNowと同じように期待値が高いことから、私の感覚では現在のところ割高に感じます。
CrowdStrikeへの個別投資をお考えの方は、市場全体が下がるタイミングを待つと良いでしょう。

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。
本記事が良いなと思っていただけましたら、以下のアソシエイトリンクより、Amazonにてお買い物をしていただけますと幸いです。
ご購入されるのは紹介させていただいているウェルチでなくても良いのですが、ポリフェノールがたっぷりと摂れるウェルチ(グレープ)はお勧めです。
※Amazonアソシエイト申請中