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【米国株(S&P500)】2月季節性アノマリー
前提
データ
リターンは、断りがない限りDaily Returnの平均値です。
データは、S&P500です。
無料部分と有料部分のちがい
無料部分は、1928年から2024年のデータを使用しています。
有料部分は、近年のデータを使用していて、主に1990年から2024年の35年分です。 また、無料部分では紹介していないアノマリーも分析しています。
注意点
分析には細心の注意を払っていますが、間違いがある可能性もあります。
トレーディングや投資に使用する場合は、必ずご自身の判断でお願いします。
またご意見あれば是非とも教えてください。
2月のアノマリー
1. 一般的なパフォーマンス傾向
2月のパフォーマンスはやや弱い傾向
S&P 500は歴史的に2月に弱いパフォーマンスを見せる年が多いとされています。
特に、1月の「効果」が弱かった場合(「1月効果」が見られなかった場合)、2月もパフォーマンスが振るわないことが多いです。
月間リターンの平均値では、2月はしばしば他の月と比較して低い位置にあります。
2. バレンタイン・アノマリー
2月14日付近に上昇する傾向
「バレンタイン・アノマリー」と呼ばれる現象があります。これは、2月14日を含む前後の日に株価が上昇する傾向を指します。
理由としては、企業の決算発表シーズンが終盤に差し掛かり、投資家心理が改善することが挙げられます。
3. セクターローテーション
セクターの動きが目立つ
2月は決算シーズンの影響で、業績に基づいたセクターローテーションが活発になることがあります。
特に、ディフェンシブセクター(公益事業やヘルスケアなど)が相対的に堅調になる傾向があります。
4. プレジデンツデーの影響
祝日前後の取引
2月第3月曜日に祝日(プレジデンツデー)があるため、この前後に取引量が減少する傾向があります。
一方で、祝日直前の金曜日には「祝日効果」により、株価が上昇する可能性があります。
2月は下降傾向
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10月から続いてきた上昇は、2月で一旦休止。 1月のパフォーマンスを見ながら相場の見通しを再評価して調整するため、もみ合いや下落が起きやすい。
翌月3月からは再度上昇を始める。
他の月と比べながら、各年を見ていきます。
各月の月次リターンの分布
![](https://assets.st-note.com/img/1737408268-PWT93rtIlSdOvjGqVxgiKksF.png?width=1200)
グラフの見方としては、左に行けば行くほどマイナス、右に行くけば行くほどプラスとして見ます。
他の月と比べてボラティリティが低いように見えます。±10%程度の幅です。
2月の騰落ランキング
![](https://assets.st-note.com/img/1737408349-ixGKW8e6n3gq2ycVHNz7jQL1.png?width=1200)
上昇ランキング
上昇トップは1931年。1929年の世界恐慌の過剰な売りに対する反発と、政府の景気刺激策への期待感が主な要因でした。また、一部の企業が配当を維持していたことで投資家心理が改善し、防御的なセクターへの資金流入が指数全体を押し上げました。さらに、2月は銀行破綻の報告が比較的少なく、一時的に金融市場が安定した影響もあります。ただし、これは一時的な反発であり、根本的な経済の悪化が続いていたため、その後の月には再び下落が見られました。
トップ2の1986年。米国経済の成長加速や企業収益の改善、インフレ抑制による安定した金融環境がありました。また、FRBの適度な金利政策が投資環境の安定を支え、冷戦の緊張緩和などの地政学的リスク低下が投資家心理を改善させました。これらの要因が相まって、株価が大きく上昇しました。
3番目は1998年。ITバブルが形成され、インターネット関連企業への投資が急増したことが主な要因です。加えて、FRBの低金利政策が企業の資金調達を後押しし、アジア通貨危機の影響が薄れたことで世界経済回復への期待感が高まりました。これらが重なり、市場全体の強い上昇を支えました。
下落ランキング
一方、最も下落したのは1933年。この下落の主な要因は、世界恐慌の影響が依然として深刻であり、銀行の破綻や高い失業率など、経済の不安定さが続いていたためです。また、フランクリン・D・ルーズベルト大統領の就任を控え、政策の不透明さが投資家の不安を増大させ、市場の下落につながりました。
ワースト2は、2009年。2008年の金融危機の影響が続き、経済指標の悪化や企業業績の低迷が投資家の不安を増大させたためです。特に、銀行セクターの問題が深刻化し、金融システムへの信頼が揺らぎました。政府の景気刺激策が議論されていたものの、市場の悲観的な見方を覆すには至りませんでした。
ワースト3は、2001年。この下落は、前年にピークを迎えたITバブルの崩壊が主な原因です。ハイテク企業の業績悪化や過剰評価の修正が進み、投資家のリスク回避姿勢が強まりました。また、経済成長の減速や企業収益の低下も市場の下押し要因となりました。
ただし、ほとんどが1990年以前になっていますので、近年のデータも見てトレンドを確認する必要はあります。
大統領選挙年ごとの2月アノマリー
2024年は大統領選挙がありました。2025年はその翌年にあたるので下グラフの一番上です。
![](https://assets.st-note.com/img/1737408594-ep15jVzygnTHM2tr0Q6YKFZ7.png?width=1200)
大統領選挙年の翌年における2月は基本的に下げています。
2月の月中におけるリターン
超長期(1928-2024)の営業日ごと -Business Day of the Month
![](https://assets.st-note.com/img/1737409309-Kl56EmZgDztMr3RYAiNvojUe.png?width=1200)
月初と中旬に上昇する傾向があります。
超長期(1928-2024)の日付ごと -Day of the Month
![](https://assets.st-note.com/img/1737409439-wM0epWmTXfzB65hSCVGAEtIg.png?width=1200)
2月1日から3日くらいまでは上昇する傾向があります。 また、バレンタインデー前後は上昇傾向です。
そのあとは基本的に下落です。
1月パフォーマンスとの関係
ウォール街は、1月のパフォーマンスを見て、その年の見通しを再評価し調整します。
ここでは、1月のパフォーマンスで場合分けして、2月のパフォーマンスを確認していきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1737410580-mGNYPb5WAq7M3InKg2TuopHX.png?width=1200)
横軸が1月の騰落率、縦軸が2月の騰落率です。
ほぼ無相関ですね。 世間で言われているほど、アノマリーはなさそうです。
近年の傾向
ここまで1928年から2024年の約100年のデータを見てきました。
100年変わらないアノマリーもあれば、変わるアノマリー、また新たに発生したアノマリーなども出てきます。
ここからは、近年35年程度(1990〜2024年)のデータを見ていきます。
また、切り口も様々変えてアノマリーを分析していきます。
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