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【米国株(S&P500)】1月バロメーター

前提

データ

リターンは、断りがない限りDaily Returnの平均値です。
データは、S&P500です。

注意点

分析には細心の注意を払っていますが、間違いがある可能性もあります。
トレーディングや投資に使用する場合は、必ずご自身の判断でお願いします。
またご意見あれば是非とも教えてください。


1月バロメーターとは

1月バロメーター(January Barometer) は、アメリカS&P500指数における有名なアノマリーの一つで、「1月の株価がその年全体の市場動向を占う」とされる経験則です。このアノマリーは、1940年代に証券アナリストのヤール・ハーシュによって提唱されました。
また、ファーストファイブデイズ(First Five Days)のアノマリーもあって、「年初の最初の5営業日のパフォーマンスが、その年全体の市場動向を占う」というものです。

1月バロメーターの特徴

  1. 基本的な仮説

    • 1月のS&P500指数のパフォーマンス(プラスまたはマイナス)は、その年全体の市場動向を示す。

    • 「1月が上昇すれば、その年は上昇する」「1月が下落すれば、その年は下落する」という傾向。

  2. 歴史的な統計

    • 過去のデータでは、1月が上昇した年の約70%以上の確率で、S&P500指数もその年全体で上昇しています。

    • 一方、1月が下落した場合は、年間パフォーマンスがマイナスになる可能性が高いとされていますが、例外も少なくありません。

  3. 理由と背景

    • 1月は多くの投資家が新たな資金を投入するタイミングであり、年初の市場動向がその後の市場心理に影響を与えると考えられています。

    • 年初には重要な経済指標(雇用統計、企業業績など)が発表されるため、市場の先行き期待を形作る要因となる。



実際のデータを見て、騰落率を確認していきます。

1月バロメーター:長期データ(1950〜2023)

以下の棒グラフは、

  • 左:1月のリターン(Return_Jan、月初5営業日ではない)

  • 中:年間リターン合計

  • 右:2月から12月までのリターン合計

1月バロメーター(上昇ケース)
1月バロメーター(下落ケース)

上昇ケース
1月に上昇したケースは44回。1月を含めた年間で上昇したのは41回、下落したのは3回と、上昇確率は93%
また、2月以降に年間で上昇したのは39回、下落したのは5回と、上昇確率は89%。 1月の値動きを見てから2月以降に取引も可能です。

下落ケース 
一方、1月に下落したケースは30回。1月を含めた年間で下落したのは19回、上昇したのは11回と、下落確率は63%
また、2月以降に年間で下落したのは13回、上昇したのは17回と、下落確率は43%。 


過去74年を見ると、1月に上昇すると、その年は高い確率で上昇します。 2月以降も上昇するので、ここで買いを入れてもよいでしょう。
一方、1月に下落するとその年はどちらかというと下落する傾向があるが、1月の上昇時と比べると確率はグッと低くなる。 しかも2月以降も下落するかといえばそうではなく、逆に上昇するパターンの方が多くなります。


参考:1月上昇時の各月の騰落率

平均的にはどの月も上昇。


以降では、近年データ(1990-2023)や大統領選挙年(前年、当年、翌年、翌々年)ごと、月初5営業日の騰落率での分析などを記述していきます。

有料部分のポイント

  • 近年データは、長期データを見ればわかります

  • 大統領選挙(前年、当年、翌年、翌々年)ごとに大きな特徴があります

  • 月初5営業日の騰落率で見た1月バロメーターでより早めに判断できます

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