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【米国株(S&P500)】12月の季節性アノマリー


前提

データ

リターンは、断りがない限りDaily Returnの平均値です。
データは、S&P500です。

無料部分と有料部分のちがい

無料部分は、1928年から2023年のデータを使用しています。
有料部分は、近年のデータを使用していて、主に1990年から2023年の33年分です。

注意点

分析には細心の注意を払っていますが、間違いがある可能性もあります。
トレーディングや投資に使用する場合は、必ずご自身の判断でお願いします。
またご意見あれば是非とも教えてください。

12月のアノマリー

  1. 年末ラリー(Year-End Rally)

    • 12月は一般的に株式市場が上昇する傾向が強い月です。この現象は「年末ラリー」と呼ばれ、特に感謝祭後から年末にかけて、投資家のポジション調整や税金対策、クリスマス休暇前の調整が影響します。年末のボーナスや個人投資家の資金流入も後押しとなります。

  2. 投資家のポジション調整

    • 投資家は年末に向けてポートフォリオを整理し、利益確定をする傾向があります。これにより、株価が上昇することがあります。また、年末にかけては取引量が少なくなるため、大口の取引が市場に大きな影響を与えることがあります。

  3. 税金対策売買(Tax Loss Harvesting)

    • 12月は、税金対策としての売買活動が活発になる時期です。投資家は、税金を軽減するために損失を確定させるために損失売りを行い、その後、来年の利益を得るために再投資をすることがあります。この活動が市場に影響を与えることがあります。

  4. ホリデーシーズンによる消費の増加

    • クリスマスや年末年始のホリデーシーズンに向けて、消費者の支出が増加します。これがリテールセクターなどに好影響を与え、株価を押し上げる要因となります。小売業やオンライン販売業の株が特に注目されます。

  5. サンタクロースラリー

    • 年末年始にかけて株式市場が上昇しやすいという傾向を指します。この現象は、主に12月末から翌年1月初旬にかけての期間(一般的には12月26日から翌年1月2日までの7営業日)に観察されます。

12月は上昇傾向

11月から引き続き、12月も上昇傾向。 この傾向は4月ごろまで継続する(2月は除く)

他の月と比べながら、各年を見ていきます。

各月の月次リターンの分布

グラフの見方としては、左に行けば行くほどマイナス、右に行くけば行くほどプラスとして見ます。
他の月と比べてボラティリティが低いように見えます。±10%程度の幅です。

12月の騰落ランキング

上昇トップは2008年。この年は9月にリーマンショックがあり暴落したため、12月はそのリバウンドで大幅上昇しています。

一方、最も下落したのは1931年。1929年の世界恐慌の影響で、経済が深刻な不況に陥り、銀行の破綻や金融システムの崩壊が続いたことが原因です。企業の倒産や失業率の急増、金融不安が市場に強い売り圧力をかけました。

大統領選挙年ごとの12月アノマリー

2024年は大統領選挙がありましたが、大統領選挙がある年に限って見るとどうなるかも確認します。大統領選挙は11月なので、この影響がある可能性があります。 下グラフの一番下です。

大統領選挙がある年でも12月は基本的に上げていますね。

12月の月中におけるリターン

超長期(1923-2023)の営業日ごと -Business Day of the Month

第7〜11営業日は下げ、その後22営業日までは上げる傾向がある。 この下げる期間は税金対策としての売買活動が活発になる時期です。投資家は、税金を軽減するために損失を確定させるために損失売りを行い、その後、来年の利益を得るために再投資をすることがあります。この活動が市場に影響を与えることがあります。

超長期(1923-2023)の日付ごと -Day of the Month

12月7日から20日くらいまでは下げる傾向があります。 これは上記で述べた税金対策で損失を確定させるためです。 
その後クリスマスシーズンから年末にかけて上昇します。

サンタクロースラリー

1月バロメーター


参考:11月のアノマリー

近年の傾向

ここまで1928年から2023年の約100年のデータを見てきました。
100年変わらないアノマリーもあれば、変わるアノマリー、また新たに発生したアノマリーなども出てきます。
ここからは、近年34年程度(1990〜2023年)のデータを見ていきます。
また、切り口も様々変えてアノマリーを分析していきます。


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