【経済指標】米ISM製造業景況指数（2024年10月）
10月：46.5 （予想：47.6、 前月：47.2、 前月比：-0.7p）
概要
10月のISM製造業景況指数は46.5を記録し、9月の47.2から0.7ポイント低下しました。
これは2024年で最も低い水準となっています。
米国製造業セクターが依然として課題に直面していることを示しており、特に需要の弱さと生産の減少が懸念されます。
また、価格指数の上昇は今後のインフレ動向に注意を要する点です。
短期チャート（2019〜）
グレーは景況後退局面
製造業の収縮継続
製造業セクターは10月で7ヶ月連続の収縮となり、過去24ヶ月中23回目の収縮を記録しました。
これは製造業の長期的な弱さを示しています。
主要指標の動向
新規受注指数は47.1と、依然として収縮領域にありますが、9月から1ポイント上昇しました。
生産指数
46.2と、9月の49.%から3.6ポイント低下しました。
雇用指数
44.4と、わずかに上昇しましたが、依然として収縮領域にあります。
価格の上昇
価格指数は54.8と、9月の48.3から6.5ポイント上昇し、拡大(上昇)領域に戻りました。
これはインフレ圧力の再燃を示唆する可能性があります。
長期チャート（1970〜）
グレーは景況後退局面
2024年10月の指数は7ヶ月連続で50を下回っており、過去24ヶ月中23回目の収縮を記録しています。これは短期的な変動ではなく、より持続的な弱さを示唆しています。
ISM製造業景況指数が42.5を上回っている限り、一般的に経済全体は拡大していると考えられます。現在の46.5という水準は、製造業は収縮しているものの、経済全体はまだ緩やかに成長している可能性を示唆しています。
長期的に見ると、アメリカ経済におけるサービス業の比重が増加し、製造業の相対的な重要性が低下している可能性があります。このため、製造業の弱さが必ずしも経済全体の景気後退を意味するとは限りません。
ISM製造業景況指数の長期的なトレンドと現在の水準を考慮すると、製造業セクターは確かに景気後退局面にあると言えます。しかし、これが経済全体の景気後退を意味するかどうかは、他の経済指標（GDP成長率、雇用統計、消費者信頼感指数など）も併せて検討する必要があります。
製造業の弱さは懸念材料ですが、アメリカ経済全体としては依然として成長を続けている可能性があります。ただし、製造業の長期的な弱さが続けば、最終的に経済全体にも影響を及ぼす可能性があるため、今後の動向を注視する必要があります。
参考：ISM製造業景況指数について
ISM製造業景況指数（ISM Manufacturing PMI: Purchasing Managers' Index）は、米国の製造業の景況感を示す経済指標の一つ。この指数は、Institute for Supply Management（ISM、供給管理協会）が毎月発表しており、米国経済の健康状態を把握するための重要な指標として広く利用。
50を上回る数値：製造業の活動が拡大していることを示す。一般的に、数値が高いほど経済が成長していると解釈される。
50を下回る数値：製造業の活動が縮小していることを示す。50を下回ると景気の減速や後退の可能性があると見なされる。
ISM製造業景況指数は毎月1日に発表され、前月のデータを反映。このタイミングは他の経済指標よりも早いため、投資家や経済アナリストにとって重要な先行指標とされている。
経済全体の約12%を占める製造業の動向を示すため、株式市場や為替市場、債券市場にも大きな影響を与える場合あり。指数の結果が予想を上回ったり下回ったりすると、市場が敏感に反応することが多い。
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