見出し画像

【10月10日】インフレ再燃はドル円160円?

現在の為替市場のトレンド

現在の為替市場では、ドル買いが優勢。ドル円は149円台まで反発しており、ドルの強さが顕著に見られる。背景には、9月のFOMC議事録が公表され、数名のメンバーが0.25%ポイントの利下げを支持していたものの、最終的には大幅な利下げに賛成したことが挙げられることに加え、10月の第1週目に発表されたアメリカの雇用関連指標での、9月の雇用統計を含めて労働市場の堅調さを示唆した内容。そして同月のISM非製造業景気指数は54.9と、8月の51.5から上昇。先行指標の新規受注が2023年1月以来の大幅な伸びとなったことを受け、総合指数は同年2月以来の高水準へ拡大した。強い経済指標は、各市場の参加者が抱くアメリカ経済のソフトランディング期待を高めた。市場は0.25%ポイントの利下げを予想しており、大幅な利下げ期待は消えている状況となっている。

円に関しては、石破茂首相は日銀の植田和男総裁と会談で「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と語ったことに加え、赤沢亮正経済再生担当相は追加の利上げについて「慎重に判断していただきたい」とし、経済を冷やすようなことは「絶対にここしばらくやってはならない」との発言から、利上げ観測が後退し円売り要因となっている。

朝方までの振り返り

昨日の経済指標

昨日の市場で注目されたのは、9月FOMCの議事録。議事録によれば、一部のメンバーが利下げを支持したが、最終的には多くのメンバーが利下げを望まない立場にあったという。

FOMC議事要旨:利下げ幅巡り活発な議論、大幅利下げに異論も - Bloomberg

要人発言

ローガン・ダラス連銀総裁
「二つの責務に対するリスクの間で最善のバランスを取るためには、正常な政策スタンスへの回帰はより緩やかな道筋が適切になるとみられる」と発言しており、緩やかな利下げを支持している。

ダラス連銀総裁、緩やかなペースでの利下げ支持-経済の見通し不確実 - Bloomberg

本日の注目ポイント

21:30
新規失業保険申請件数

消費者物価指数(CPI)
消費者物価指数【コア】

市場の意思

次回FOMCにおいて0.25%ポイントの利下げを織り込みつつあるが、大幅な利下げは期待されていない。一方で、アメリカの債券市場では、利回りが急反発している。
また、地政学リスク(特に中東情勢)の影響が懸念されているため、慎重な姿勢が続いている。米国のインフレ動向が今後の金融政策を左右するため、本日のCPIデータに注目が集まっている。

今後の推移

米国のCPI発表後、インフレの進展が市場の注目ポイントとなる。予想より高い数値が出れば、ドル高がさらに進む可能性があるが、予想を下回る場合は、ドル売りが一時的に強まる可能性もあります。
中東情勢が緊迫している中で、地政学的なリスクが高まると、安全資産としてのドル需要が高まる傾向がある。
更に、アメリカ大統領選挙の年は米ドル高となる傾向がある。
現在はトランプ氏優勢であり、このまま勝利する場合は、年末に向けて米ドル安ではなく米ドル高のシナリオを用意しておく必要がある。

現状で最も買われやすい通貨

ドル
FOMC議事録による利下げの見通しの不透明さがあるものの、地政学リスクによる安全資産としての需要や、米国の金利水準が他国よりも高いため、ドルが強含みになっている。

※本記事は投資助言に関するものではございません。投資判断は自己責任の上お願いいたします。

いいなと思ったら応援しよう!