【6月25日】ドル円160円目指すも上値重く推移
現在の為替市場のトレンド
ドル円はロンドン時間の下げを取り戻し、NY時間では買い戻しが活発化し下落前の水準に戻した。日米の金利差に注目した円安トレンドが続いており、介入(一時的)やリスクオフ以外の円高が期待できない。
ユーロドルは1.07ドル台に戻し、ドル買いが根強いものの、1.06ドル台ではショートカバーが強まる。 ECBの利下げ開始とインフレの鈍化傾向、フランス政治の先行き不透明感が高まっている事が背景となっている。
朝方までの振り返り
経済指標
主な米経済指標の発表はなかった。
要人発言
*デーリー・サンフランシスコ連銀総裁(タカ派的発言)
・労働市場は変曲点にある。
・現時点で労働市場は良好だが、活況ではない。
・今後の労働市場の減速は失業率上昇を意味する可能性。
・インフレはかなり改善されたが、安定には至っていない。
・インフレを2%に戻すには需要抑制が必要。
・経済がどのように変化しても対応できるように準備しておく必要。
・リスクはインフレだけではない、雇用を注視する必要。
・本当に物価安定の軌道に乗っているのか、見極めるのは難しい。
*グールズビー米シカゴ連銀総裁(ハト派的発言)
・インフレデータ以外は冷え込みの兆候を示している。
・インフレデータの鈍化は緩和への扉を開くだろう。
・連銀がさらなる信頼感を得てインフレが2%に戻ることを期待。
本日の注目ポイント
経済指標
アメリカ住宅価格指数 04月
発表時間: 22:00
前回値: 0.1%
予想値: 0.2%
アメリカS&Pケースシラー住宅価格(20都市) 04月
発表時間: 22:00
前回値: 7.38%
予想値: 7.10%
アメリカコンファレンスボード消費者信頼感指数 06月
発表時間: 23:00
前回値: 102.0
予想値: 100.1
アメリカリッチモンド連銀製造業指数 06月
発表時間: 23:00
前回値: 0
予想値: -2
市場の意思
市場はFRBの年内2回の利下げを高確率で織り込んでいるが、FOMC委員は慎重な見方をしており、今後の経済指標次第では市場と政策当局の見解の違いからどちらの方向にもボラティリティを引き起こす可能性がある。
日米金利差は縮小しているが、米利下げ時期はまだ明確に決まっておらず、現在の日本の経済データから市場は日銀が7月に利上げに踏み切ることはできないとのコンセンサスから、ドル円の上昇トレンドが解消し始めるには至っていない。
今後の推移
今週金曜日にはFRBがインフレ指標として参照するPCEデフレータの発表が今週予定されており、インフレの鈍化が期待される。 インフレデータの鈍化が確認されれば、政策金利の調整が行われる可能性もある。
現状で最も買われやすい通貨
オーストラリアドル
資源価格の上昇、強いインフレ率から利上げの可能性と中国経済の回復期待がオージーを支える。
※本記事は投資助言に関するものではございません。投資判断は自己責任の上お願いいたします。