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コミュニケーションも組織も、情報ネットワークの構造と歴史を知ると理解が進みます
台風19号により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます…
13回目にあいなります「Tribal Professional Academy(TPA)」。
今回のお題は「コミュニケーション戦略」です。
現代広告論以外は2007年に発行された著書ですが、古さを感じさせない内容です。
今回読んで「面白い!!」って思ったのが「情報大爆発」。
上半分がビジュアルで、下半分に解説、各ページは非常に読みやすくまとまっている本です。
みんな読んだ方が良い「情報大爆発」
内容は、ざっくりいうと、
・情報過剰時代である
・情報多くてアテンションが取れない
・人類が初めて経験する過剰時代、経済は変化した
・ネットワークの構造が分散化しコントロール不能に
・この情報革命は、産業革命と同等のパラダイムシフト
・そのネットワークがもたらした進化
・情報の流れが大きく変化したよ
・それにより消費行動も変わったよ(AISAS)
・メディアとコミュニケーションの変化
・コミュニケーションは「注目」から「共感」へ
・これからどうなる
という感じです。
この本は「情報大爆発」というタイトルではありますが、その本質は、情報の伝達経路としてのネットワークを紐解き、「高度に発達した情報ネットワーク社会におけるコミュニケーション」についての本でした。
特に面白かった部分が、第4~5章のネットワーク関連の部分。
・昔の情報ネットワークは、起点の存在する「集中型ネットワーク」で、その形状はツリー型、スター型
・今の情報ネットワークは、メッシュのような「分散型ネットワーク」
この分散型ネットワークになったのは「生き残るための進化」ということも興味深く、今のブロックチェーン技術にも繋がっているのがとってもエモいです。
ネットワークという「構造」
このネットワーク構造の変化により、中央集権的な情報が、中心も末端も上も下も存在しない状態になり、情報伝達コストが低下し、伝達速度が加速した反面、情報がコントロールできなくなり、ネットワークのつなぎ目(ハブ)となった個人が情報ネットワーク上で力を持ち、コミュニケーションモデルの主役となった。
これはまさにSNS、YOUTUBERやインフルエンサーが存在する今の情報コミュニケーションのモデルそのものなんですよね。
Twitterが日本に入ってきたのが2008年で、この本が2007年発行と考えると、すでに未来を見据えていたというのが、秋山氏の先見の明が垣間見えてビビリます。すごい。
今もコミュニケーションモデルは色々と新しい考え方が出ていますが、結局根っこは同じだと思うので、新しい古いとかいう話ではないですね。
マーケティングコミュニケーションの「基盤」として、改めて認識してく必要性があると思いました。
組織もコミュニケーションも今は「メッシュ型」
そういえばTPAの「組織構造論」「組織行動論」の話で出てきたこれからの組織も、フォロワー型リーダーがリンキングピンになる「メッシュ型組織」でした。
その時のメモ↑
スマホが普及したことによって推進された部分は大きいと思いますが、情報ネットワークは社会構造ともリンクし、この大きな変化の流れは10年以上経って驚異を実感できる状況になった、と言えそうです。
ユーザーも感じている「情報過多」
この「情報過多社会」の認識は一般消費者にも浸透してきており、業務でユーザーさんたちにインタビューをすると、
「なにかを買おうとすると情報多すぎで選ぶのに疲れる」
「自分で探す・選ぶのは限界がある」
「調べるぐらいなら詳しい人に聞く」
「だからわかりやすいYOUTUBERやインフルエンサーから情報を得る」
などの話が、どのジャンルの商材でも話にあがります。
「良い商品作ってもユーザーに届かない」今の時代、マーケティングコミュニケーションを考える上で、この「情報ネットワーク」の構造を知ることは、とても重要なことだと思いました。
この本、すごくいい本なのに今Amazonでも新刊が無くて、Kindleで2019年改訂版とか出してくれないかなぁ・・・w