行動経済学的オタクの消費行動あるある
1年かけて様々なテーマで勉強してきた「Tribal Professional Academy(TPA)」も残すところあと2回。
今回のテーマは「行動経済学」です。
行動経済学とは
・経済学の数学モデルに心理学的に観察された事実を取り入れていく研究手法
・経済学の成果に非合理的特徴を織り込むことでより正確な経済学を構築すること
・身近なテーマで人の不思議な経済活動を考える
などなどありますが、「数字で表される合理的な側面だけでなく、人間の心理による非合理な側面も含め色々考える学問」と理解しました。
小難しいようなイメージがありますが、内容はとっても生活に身近で、面白い分野です。
人間、バイアスの塊でコントロールされまくり
「自分は賢い」「自分は間違わない」と多くの人が「優越の錯覚」をしていることがあり、そのせいで判断に偏りが発生することを「バイアス」といいます。
こういった、理屈では説明できないエラーみたいな経済行動を、いろんなケースで説明してくれてるのが「行動経済学」なんですね。
行動経済学の書籍を読むと、いかに自分がそのバイアスの塊で、大宇宙の意思みたいなモノにコントロールされてるような錯覚に陥ります。
なので、経済の勉強というより「無意識の勘違いで損しない」ために学ぶべき分野だと思います。
オタクの行動経済学
本を読んで思ったことは、「オタクの消費行動ってマジわかりやすい」ってことです。大宇宙の意思による見えない手でめっちゃ操作されてます。
しかしそれを「損」と思わず、楽しんでるフシがあるのがオタクのいいところかもしれません。
物販ガチャで推しが引けなかったとしても「これは●●さんに譲渡できるから無駄にはならない」「トレード用に置いとく」とか超ポジティブな人いっぱいいますし。
自分もまんまと罠にハマってお金使いまくってるので、自分や友人たちの行動を振り返りつつ、行動経済学的視点から「オタクの消費行動あるある」をあげてみたいと思います。
オタクの消費行動あるある
●お金の価値は一定ではない
ガチャとかに平気で1万円とか使うのに、服に1万円使うとなると躊躇したり、推しがプリントされたアクリル板と、違うキャラがプリントされたアクリル板では価値が違ったりします
↑高いのは3万円以上します
●自分の損得を考えなくなる
自分にお金くれるより、応援してるコンテンツにお金落としてほしいと言う
●消費に怖さが無い
「PAY」は「PAIN(痛み)」とか言いますが、推しにお金使うことに「痛み」は一切無く、むしろ喜んで使う
●色が変わってみえる
色が「推しキャラ」に見えてしまい、なんでも推すようになる
●好みが変わる
本来好きな色じゃなくても、推しの色なら好きになったり、嫌いな食べ物でも好きなキャラが好物だと食べるようになる
●保有効果で捨てれなくなる
将来的にプレミアつくかもしれないとかすぐ考える
●松竹梅と価格が並ぶと、人は真ん中を選ぶ
しかし推しの場合はむしろ高い方を買う
●デアゴスティーニ的な収集癖
バインダーとか連番のアイテムに「空き」があると、埋めたくなる
↑ダイソーさんはコレクターに優しい
●サンクコストの過大視とコンコルド効果
グッズを集めだしたらやめられなくなってる友人がたくさんいますw
あと、「ガチャ」はコンコルド効果(それまでの投資を惜しむ)の塊ですねw
●意味を探す「アポフェニア」
オタクは文脈価値を大量に保持してますが、聖地巡礼はその極みの行動ですね。ただの街並みが、アニメの舞台になったらテーマパークと化します。また、アニメに登場したキャラのサイドストーリーを買ってに創作したり、カップリング考えたりはその典型かもしれません。
↑これはもう「電車」という認識ではない
●ガチャ結果の「確証バイアス」
大当たりのUR引いた画像ばっかりTwitterにあがるので、俺も引けると勘違いします
●メルカリで買う時の価格に「手間賃」を計算しがち
遠方のイベントでしか入手できないグッズはそこまでの交通費も計算にいれて損得勘定します(転売ダメ)
●代表性に騙される
過去の結果と次に何が出るかは関係ないのに、同じカードばっかり連続で出ると「バグなんじゃないか」とか思って運営に質問したりする
●ピークエンドの法則(最後に喜びがあると苦痛を感じない)
コミケや物販に長時間並んでも、欲しいものがあるからあんまり文句言わない(売切れると死ぬ)
↑猛暑でも平気で並ぶよ
●スポットライト効果と自己標的バイアス
推しグッズで全身固めてイベントとかに行きがちで見られてると思いがち(他人は対して関心持ってないのにw)
●若者はギャンブルをやらない
でもガチャに数万円とか使う
●限界効用逓減の法則
めちゃめちゃほしかったグッズでも、ダブると価値が下がったように感じる
などなど・・・
こういった行動がとってもわかりやすく書籍で説明してくれてます。
●予想通りに不合理
●経済は感情で動く
特にこの2冊はケースごとに「図解」してくれてるので、とっても読みやすくてオススメです。
●図解雑学行動経済学
●マンガでわかる行動経済学
まあオタクに限ったことではありませんが、いろんなバイアスを日々の行動に落とし込むと、いかに自分がバカなのか浮き彫りになるので、とっても楽しいですよ!!(ヤケ)
僕が損しても、推しや推しのいるコンテンツが幸せならそれでいいのだ!
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