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「何度でも」の思い出(データは地図である)

唐突ですが、
私は前職の社長時代に社員に
半分冗談、半分本気でよく話していた事がありました。
それは

「ドリカムの『何度でも』は我が社の社歌だ!」

数多くのヒット曲を放ったDREAMS COME TRUEさんですが、
その中でも名曲の誉れの高いこの曲「何度でも」。
非常に心を打たれる歌詞で、この歌を励みに頑張ろうと思う人も多くいらっしゃると思います。

なぜ私がこの曲を「社歌」と言っていたのか?
それは歌詞の中のこの一節が心に響いたからです。

どうしてわからないんだ?伝わらないんだ?
喘ぎ嘆きながら 自分と戦ってみるよ
10,000回だめで 望みなくっても
10,001回目は 来る

君を呼ぶ声 力にしていくよ 何度も
明日がその10,001回目かもしれない

DREAMS COME TRUE 「何度でも」より引用

聴く人によって様々な解釈があると思いますし、
そもそもこの歌詞を書いた吉田美和さんにも、何かの思いがあって書かれたのだと思います。

しかし私がこの歌詞で感じたのは
「今度こそ伝わるはずだ(売れるはずだ)」
と思って作った商品とその広告が
実際には
「伝わらなかった(売れなかった)」
ことで落ち込んだ自分への励ましだ!
と感じたことでした。

売れなかった時には心の中で
「どうしてわからないんだ?伝わらないんだ?」と
自問自答し、
時に仲間たちと頭を抱えながら
どうやったら分かってもらえるか、伝わるかを喘ぎ嘆き、
10,000回テスト販売が上手く行かなくても
明日作る10,001回目のテストが上手く行くかもしれないと信じて
頑張ろうと思えたのです。

実際には10,000回も続けてダメだったことはないですが、
数回続けて上手く行かないと、
もう2度と売れる商品を作れないのでは?と不安に襲われたのは本当です。

そこで問題です。
その「10,001回目」のテスト販売を実施する際に
どうしたら良い結果が来る「10,001回目」を作ることができるのか?

ただ頭を捻り、知恵を絞ってアイデアを出すだけでは上手く行きません。
あてずっぽうや天から啓示に頼っていてはビジネスとしてはダメなのです。

そこで私が頼ったのが
まさにデータだったのでした。

売れない状態が続くというのは
たとえるなら道に迷ってあてもなく彷徨い続ける状態に似ています。
「売れて欲しい」というゴールはあるのですが、
どうやったらゴールにたどり着けるのか分からない。
そんなときにあてもなくただ彷徨っていたら
いつまでたってもゴールにはたどりつけません。

もし本当に道に迷ったとしたら、人はまず地図を見るのだと思います。
地図をみることで、進み方が分かるからです。
地図の見方によっては
近道だけど険しい、
回り道だけど平坦、
といった様々な選択肢が見つかる場合もあります。
その選択肢の中から、
どの道を選ぶか、
それは自分たちで決めるしかありません。
しかし、選択肢がある。
しかもその選択肢に、それぞれの良し悪しを含めた可能性が見える。
これほど頼もしいものはありませんよね。

通販人として取り組んできた中で、
「売れない」という迷路に入り込んだことは何度もありましたが、
その時に頼ったのがデータと言う名の地図でした。

過去に何が良かったのか、何が良くなかったのか。
どの言葉が誰に響いて、誰に響かなかったのか。
どの方法が誰に売れて、誰に売れなかったのか。

販売データ、顧客データ、商品データなど
様々な切り口からデータを読み込むことで、
今自分が何を考えるのがよいか?
どこからアプローチしていくのがよいか?

逆にこうしたお客様が本当に求めているのは、あれじゃないのか?

そんなことがデータを通して見えてくるのです。
まるで地図を通して、目の前に光が見えてくるかのように。

しかしここで問題があります。
データと言うのは得てして数字です。
そして数字だけを見ていても何も思いつかないと言う人は実は多かったりします。
かく言う私も文学部仏文科出身。
数学がだめで国公立から逃げて私立文系に進んだ人間なわけです。

数字が得意な人は苦にならないことでも
数字が苦手だと思う人には、それだけで目を背ける人もいます。
しかし、ビジネスである以上そこから逃げるわけにもいきません。
データの見方、読み方を、少しでも分かりやすく考える方法はないか?
そしてそれを社員たちに楽しく伝えられる方法はないか?
そんなことを意識しながら取り組んできました。

あてもなく
「10,001回頑張れ!」
「気合で何とかしろ!」
と声を張り上げても
それでどうにかなるほど、お客さまもビジネスも甘くはありません。
せめてそこで地図になるものを示す。
そしてその地図の見方、読み方を分かりやすく伝える。
或いはその方法をメソッドとして落とし込む。
そんなことに目を向けてマネジメントをしてきました。

そうした努力のおかげか、
いや、私の努力ではなく、
その努力ができる人たちが集まってきてくれたおかげか、
前職の通販会社では正社員30数名の中小企業で、
かつその半数以上が新卒入社組からの未経験であったにも関わらず、
社長就任後の10数年で売上を27億円から50億円まで成長させることができました。

10,000回ダメでヘトヘトになることなく、
できれば10回だめでも11回目には上手く行く
そんな組織に作れたのは
データと言う地図があったからだと私は考えています。

そこで最後に告知です。

ブランドマネージャー認定協会出版局のプレゼン大会を通して書籍化が決まった企画が
ついに出版されることとなりました。


表紙デザインは仮のものです。変更になる場合があります

データ分析とLTV(ライフタイムヴァリュー)の観点から、
データを共通言語として、また地図として活用する
実践入門書となっています。

(恥ずかしながら)データ博士坂田と、数字が苦手なカフェ経営者のデータレッスンという設定を通して、データ分析を分かりやすく解説する内容となっております。
(ちなみにそのカフェの名前はCafeアレグリア、経営者は安田桜花さんといいますw)

2025年1月ごろにザメディアジョン社より刊行される予定となっております。
そして全国の書店、アマゾンでお求めいただけるかと思います。

皆さま、ぜひともご注目ください。

どうぞよろしくお願いいたします。


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