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なぜ心理学がマーケティングに役立つのか

例えば、一目ぼれした素敵な人の好意を得たい、と思ったときどうするか。

告白して、好意を得る。この、告白という刺激に対して好意という反応が紐付くとする考え方をS-R理論という。

S-R理論
人や動物の行動を「刺激(Stimulus)に対する反応(Response)」として理解する理論

しかし、無策で正面突破しようとしても成功率は低いだろう。当然、“人の心”が介在するからだ。その“人の心”を加味した考え方をS-O-R理論という。

S-O-R理論
S-R理論に有機体(Organism)という仮説構成概念を加え、学習効果の個人差や反応の個体差を説明する理論

これを踏まえ、“一目ぼれした素敵な人”の詳細を覗いてみよう。
・年が離れている
・遠距離
・リア充
・失恋したて
・親が厳しい
この情報を見ると、好意を勝ち取るのはややハードルが高そうな印象を受けるかもしれない。しかし、本当にそうなのだろうか?

上記の事項は“事実”ではあるが、“人の心”ではない。マーケティング・リサーチやログのデータは、非常に有用だが目に見える事実(主に過去の軌跡)でしかないのだ。

重要なのは、(ターゲットが)事実をどう認識して、どう感じているか。その認知、知覚、感情、考え、欲求、性格などを捉えるのに便利なのが『心理学』である。

では、具体的にいつ、どうやって活用するのがよいか。それは、マーケティング施策を行う前の“仮説”を立てるとき。

<仮説設計>
①結果を得るために
②人の心と行動を知り
③手法を設定する

“仮説の再現性”を高めれば、成功確率も上がるだろう。

「心理学は実証的科学」である。一度実現・証明されたものであるため、(極論をいえば)心理学で実証された“人の行動”をマーケティングで再現できれば思う成果が得られることになる。※もちろん、心理学だけでは課題解決できないので、実際には“根拠の1つ”として捉えていただきたい

よって、心理学は『再現性の高い仮説を導き出す』のに役立つといえる。

マーケティング会議等において「~と思う」といった主観的・感覚的な意見が飛び交い議論が進まないときは、ぜひ心理学から得られる実証的な理論をベース(根拠)にしてみてはどうだろうか。


※スライド(キャプチャ)は、同じ消費者心理研究グループの某氏との共同セミナーで使用したものを一部転用している。公開を快く了承いただいた某氏にこの場を借りてお礼を言う


(“マーケティング×心理学”note:マーケティングの「ま」。vol.000)

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