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意識の遊覧飛行 〜「体外離脱」は第二の生を証明するのか?① 軍事利用された体外離脱
2022年2月23日執筆
隔離生活がもたらした「睡眠」への希求
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新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、外出の自粛やリモートワークなどが推奨され、自宅にいる時間が大幅に増えました。
このような事情により、睡眠に充てる時間も比較的多く取ることができるようになったことから、明晰夢を見る人が増えているということに「【明晰夢で人生を豊かにする!⑬】」で触れました。
ヨーロッパをはじめとする多くの国では厳格なロックダウン(都市封鎖)が行われ、感染者や濃厚接触者、海外渡航者には長い隔離期間が要請されます。
孤独で窮屈な屋内生活からの逃避の策として、「睡眠」は一つの可能性として見出されたのかもしれません。
睡眠のもたらす副産物の一つとして、明晰夢とともに挙げられるのが「体外離脱体験」です。
2020年のパンデミック以降、海外ではSNSを中心に体外離脱と、その可能性について語られることが増えて来ているのです。
それは、2017年に機密解除された、ある文書の存在に端を発します。
「体外離脱」とは何か?
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皆さんは「体外離脱」という現象を信じていらっしゃいますか?
体外離脱とは自分の肉体から意識が抜け出す体験のことをいいます。
英訳すると「Out of Body Experience (OBE)」となりますが、現在では「アストラル・プロジェクション / アストラル投射(Astral Projection)」と呼ばることも多くなって来ました。
体外離脱(OBE)とアストラル・プロジェクションは厳密な意味では異なります。
体外離脱といった場合、睡眠中や臨死体験などによって、"意図せず意識が肉体から抜け出す"体験を含むのに対し、アストラル・プロジェクションは"意図して「アストラル体」を肉体から分離させる"という前提条件があります(一般的によく耳にする「幽体離脱」はアストラル・プロジェクションに近い表現といえるでしょう)。
「アストラル」とは直訳すれば「星の...」となりますが、神智学の創始者であるヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー、哲学者のルドルフ・シュタイナーといった神秘主義思想の巨人たちが、この「アストラル」という用語を(学派や思想体系により解釈の差はあるものの)人間の「意識体」という意味で用いています。
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神秘主義思想において、人間の体はいくつかの層に分けられるとされます。
その層の種類や数、性質などもまた学派により異なりますが、共通するのは「肉体」「エーテル体」「アストラル体」の3つです。
エーテル体とは分かりやすくいえば(一般的に知られた言葉を用いれば)オーラにあたり、肉体とアストラル体を結びつける役割を担っています。
アストラル体は人間の情緒や感覚を司り、「精神的身体」とも言い換えることが可能です(肉体は「物質的身体」、エーテル体は「霊的身体」となります)。
一般的には「荒唐無稽な話」として一笑に付されがちですが、世界各国の政府機関や各大学などが長年この分野の研究を行なっており、膨大な検証、実験データが蓄積されています。もはや「信じる」「信じない」の範疇を超えたものなのです。
機密解除された「体外離脱実験」文書
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体外離脱は超心理学といわれる学術分野に属しています。
ESP(超感覚的知覚)、テレパシー、透視、催眠、RV(リモートビューイング)などがその一部であり、相互に関連しあっています。これらは人間の意識と量子物理学の研究に関係しています。
アメリカと旧ソ連(ロシア)は体外離脱に関する研究を国家ぐるみで推進して来たことで有名です。この両大国が何故に体外離脱を研究する必要があったのでしょうか。
それは、紛れもなく軍事利用のためです。
数十年前にアメリカ公衆衛生局(United States Public Health Service、略:PHS)の医療情報局が作成した実際の文書には、驚くべき記述があります。
ソ連で既に体外離脱によって肉体から意識を離脱させ、敵国政府の重要施設に侵入し、極秘文書を読んで情報を母国に送り返すという実験が行われている。
(アメリカ国防情報局(DIA)はソ連が実際に、米軍の最高機密文書の内容や、米軍部隊や船舶の動きを読み取ったり、米軍基地の正確な位置の発見のために、それらの技術が使用されたと結論付けています)
時は冷戦の最中、ソ連のこのような体外離脱の研究と、その成果に焦りをつのらせたアメリカ政府は、世界で最も大きく優れた科学研究機関であるスタンフォード研究所と組んで「スターゲイト・プロジェクト(Stargate Project)」をスタートさせます。
「スターゲイト・プロジェクト」は体外離脱による遠隔透視(RV)の軍事利用を目的とした各種の実験・研究や、超能力者の養成を行いました。
行方不明者の公開捜査を行う日本のテレビ番組に「FBI超能力捜査官」として出演し、一躍日本でもその名が知られることとなったジョー・マクモニーグルは、このプロジェジェクトの被験者として知られます。
1978年から1984年の間に、450回の諜報や追跡などの任務に関与しています
このプロジェクトで1972年、インゴ・スワンという能力者が木星の環を透視しています(私たちが知る木星の環の公式な発見は1979年、ボイジャー1号によるものです)。
軍事利用される「体外離脱」
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1970年代にはスタンフォード研究所、後にメリーランド州フォート・ミード陸軍基地において「リモート・ビューイング(遠隔透視・略してRV)」の研究が行われ、ESP(超感覚的知覚、いわゆる超能力のこと)能力をもつ男女が全米中から集められました。
当初、CIA(米中央情報局)が資金提供を行い、研究を主導していましたが、その後はDIA(米国防情報局)が研究を引き継ぎました。
1980年代半ばになると、DIAも研究から手を引き、その後を引き継いだのは米国防総省をはじめとする米政府機関に情報技術の提供を行う民間企業のSAIC(Science Applications International Corporation)です。
SAICによるスターゲイト・プロジェクトは、複数の政府機関の支援を受けつつ、1995年11月まで存続しました。
その間、イスラム系テロリスト集団に誘拐されたアメリカ人の人質の捜索や、アメリカ国内での逃亡犯の追跡捜査などに、リモートビューワー(遠隔透視能力者)達が駆り出されました。
1974年、『11PM』『木曜スペシャル』といったテレビ番組に出演して一躍日本でその名を知られることになった超能力者ユリ・ゲラーも、このスターゲイト・プロジェクトに関わった人物の1人でした。
1972年12月にカリフォルニア州メンローパークにあるスタンフォード研究所に招かれたゲラーは、様々な実験の被験者となります。
ゲラーはスプーン曲げで知られており、手を使わずに金属を曲げることに長けていましたが、当時のCIAが求めていたのは、遠隔で他人の心を読み取り、思い通りにその人物の心を操ることでした。
米国は国家安全保障の目的で、ゲラーのアストラル・プロジェクション能力を利用できると考えていたのです。
他にもサイコキネシス(念の力で物を動かす力)の実験にも参加していますが、この実験室で行われていた研究は、先進的な核弾道、レーザーシステムの開発だといわれています。念力で起動可能な兵器の開発が目的だったと思われます。
プロジェクトが1995年に終了すると、基礎学術研究所内の認知科学研究所(ognitive Sciences Laboratory))に資料等が移管されます。
CIAは2017年、この隠されたプロジェクトの詳細を詳らかにする約1200万ページの記録を機密解除しました。このスターゲイト・プロジェクトの存在が公になったことで、RV、アストラル・プロジェクション、サイコキネシスといった能力が、実際に存在し、軍事利用されていた事実が明らかになったのです。
2014年からは、米海軍調査研究所が4年間で385万ドルの予算を計上し、「Sixth sense(第六感)」「Spidey sense(危機に直面した際の直感)」の研究を行っているといわれています。
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自分の意識が肉体を離れる現象は、このように国家安全保障上の一プロジェクトとして軍事利用された背景がありました。
体外離脱は、実在したのです。
次回は、自ら体外離脱を体験し、超心理学的観点で研究したロバート・A・モンローについて、ご紹介したいと思います。
CIAの機密指定解除を受けたアストラル・プロジェクションに関する公式文書
「ASTRAL PROJECTION CAPER」(PDFダウンロード)
「Analysis and assessment of gateway process」(PDFダウンロード)
「SOVIET AND CZECHOSLOVAKIAN PARAPSYCHOLOGY RESEARCH」(PDFダウンロード)
「Defense Intelligence Agency Comments On The Reality of “Astral Projection」