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怖ろし桜、エトセトラ。

 桜の季節が今年もやってきました。
白木蓮が卒業式の日あたりに満開になって、入れ替わるように桜の花が咲き始めます。
この時期が、一年で一番好きです。桜が咲くとすごくわくわくするんです、まるで桜が新生活の始まりを告げてくれるよう。

 さて、タイトルをご覧いただければ分かりますが、今日お話したいのは、そんな桜の美しい面だけではないのです。桜の別の側面にも目をむけていただいて、桜の奥深さを一緒に味わってみようではありませんか。

桜にまつわる日本の文学作品

 桜についての小話はいろいろあると思います。「ソメイヨシノは全部クローンだ」とか、最近私が人から聞いたのでは「桜は川沿いの土手を固めるために植えられている」のだとか。
 日本の文学作品はどうでしょう。日本の桜についてどんなことを言われているでしょうか。ではここで、二つの作品をピックアップしたいと思います。

 まず始めに、梶井基次郎の『桜の樹の下には』。桜の樹の下には……これに続く冒頭のフレーズを知ってる人もいらっしゃるかもしれません。


「桜の樹の下には、死体が埋まっている。」


衝撃的ですよね。桜の花があんなに美しいのにはなにか理由があるんだ、という理屈だそうです。
(読んだことがない方、是非一度読んでみてください。せいぜい3,4分あればネットで全編読めるのです。)


 次に紹介するのが、坂口安吾の『桜の森の満開の下』。これもかなーり気味の悪いお話です。
桜の森の満開の下にいると、気がおかしくなってしまうという言い伝えがあり、皆恐怖で桜の木の下を走って通り抜けたそうです。主人公の山賊は、美しい女と出会い共に過ごす内に、神秘的な美の中に含まれる怖ろしさを見いだすようになるのです。そのまま主人公は多分に漏れず桜の木の下で……

といった様であります。

 「桜の木は怖ろしい」ということが、実際江戸時代より前の日本では共通認識として存在していたようです。
 桜の満開の真っ白さは、雪のように視覚的・物理的な静寂をもたらすような気がします。その静寂は「死」すら連想させたかもしれません。


 桜は、文学の世界では単なる美しいものでは終わらなかった。これには私も衝撃を受けました。


桜のアラ探し

 さて、その衝撃を受けたのが去年の春。以来一年、桜のマイナスイメージをアラ探しするようになりました。

 夏とか秋とか、桜の木に近寄りたくないときってありませんか?
桜ってけっこう毛虫がつくじゃないですか。落ちてきたらいやだな~、なんて、上述とは別の理由で、桜の木の下を通るのを避けてしまいます。
 桜って春以外は、かなりやっかいな木ですよね。桜並木の剪定も大変でしょう、花シーズンのために隣同士の木の枝がひしめくように植えてありますから。
 冬はそれこそ、木の枝振りがはっきり分かるようになりますから、良く桜の木をみると、主軸になっているような大きな幹が途中でぶっつりと切られていたり、枝も風流お構いなしにばさばさと切られていて、この上なく不格好なんですよね。幹もゴツゴツしていて木の形はあまり楽しもうとは思いません。

 桜って、花のあとにも若々しい葉桜を楽しんだり、黄や赤の落ち葉を楽しんだり、日本人にとって季節を感じるための重要な客員なのですが、良くない印象もしかり、あったのでした。。。


改めて桜に向かい合い、見えてきたこと。

 いよいよ今年のお花見シーズン。本日自転車でいざお花見サイクリングへと繰り出しました。今までとは違った桜の姿を捉えることができたように思います。
 さんざんディスってしまった桜の幹ですが、これを対象にしてスマホで写真を撮るとなんとも渋いかっこよさがでたり、幹をそのままゴシックなものとして楽しめたり。桜の色と幹の色も実は調和しているようで、幹に現れるほのかに青白い斑点が、桜の木全体の透明感を引き立たせていたことに気がつきました。桜は本当にいろいろな見方ができるみたい。
インスタで写真もアップしますので、よろしければご覧ください。


 最後に、桜の幹や枝ばかりに注目していたためか、理想的な骨格の桜の木に出会うことができました。



 一本の桜の木が、何にも邪魔されずに生えているのを、見たことがありますか?


桜の木って、窮屈でなければ、一本で本当に存在感のある美しい咲き方をするんです。本日発見しました。

 その桜の木の第一印象を言葉にするなら、
「花咲かじいさん」
ほんとうに、昔話に出てきそうな雰囲気でした。。

 どういう姿形かというと、木全体が、こんもりお茶碗を伏せたような形になっているんです。枝が四方に均等に伸びていくんです。「このーきなんのき」の木みたいな感じで。
 桜の花はどういう風についているかというと、まるで枝がたくさんのお皿を支えているような姿に見えます。小さな平雲を何層もまとっているような感じ、と言えばちょうど良い質感を表せるかもしれません。いずれにしても、桜の花が重くぶら下がっているようではなく、軽やかに見えました。今にも上方に舞っていきそう。

もっとニッポンの桜を探求しよう

 桜っておもしろいです、本当に。昔の日本人が今のお花見を見物しに来たら何と言うのでしょう?おそろしや、花見。
 皆さんと、桜の様々な表情をもっと探してみたいなあと思います。桜の文化や歴史ももちろん同様に。日本の花ですからね。


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こんにちは😄#自然を愛する女の子  きぶです。インスタグラムを中心に、「自然観察指導員」という立場から、「真のサスティナビリティはセンス・オブ・ワンダーから」をスローガンに情報を発信しています。いままでインスタには書けずじまいに終わっていたことも、noteにたくさん書き連ねていきます。note、Instagramともに、#自然を愛する女の子、というハッシュタグをつけています、是非この機会に覗いてみてくださいね!
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