薬草・タンポポ
今の時期、畑パトロールをしていると、どの畑にもかわいらしいタンポポの花がたくさん見られる。ついつい、水路の状態や圃場の植物の成長具合をチェックしなければいけないのに、タンポポ摘みに気がとられる。去年、緊急事態宣言が出て小学校が休校になったとき、娘を連れて畑パトロールに行ったときは、娘もタンポポを摘んでいたっけ。
タンポポは、誰もが幼いときに綿毛に息を吹きかけて飛ばして遊んだことがあるでしょう。そんなタンポポが実はとても有効な薬草だということを、知らない人も意外と多いかもしれない
タンポポは薬草として、根と全草(葉と花)を使う。特に根は「タンポポコーヒー」の名で、ノンカフェインの飲み物として商品化されているのをよく見かける。利尿作用や穏やかな緩下作用、強肝作用などを期待して摂取される。香ばしくてとても飲みやすい。私も大好きな飲み物。
またタンポポの生の葉はサラダとして食される。ほろ苦さがおいしい。このほろ苦さが昔から春季療法で利用されている。昔は経験的にこの苦さが春の体のリセットに有効だと思われていたが、様々な薬用植物の研究が進むと、タンポポはただ1種類の有効成分がその有用性を示すのではなく、実にいろいろな含有成分の相当数の和が特有の効力を示していることがわかった。
たとえば、以前からよく知られている苦味質、ビタミン類のほか、酵素様の作用を持つ物質が発見されており、これが特に肝臓や腎臓の機能を活発化させている。タンポポは腎臓を刺激して利尿作用を発揮し、肝臓を刺激して胆汁分泌も促進するのである。また肝臓や腎臓にとどまらず、体全体の物質代謝を活発にするとも考えられている。関節症にも有効であるとされ、利用される所以だ。肝臓や腎臓が全身の解毒器官であることを考慮すれば、全身性不調のケアの選択肢にあげられる。漢方薬として利用されるときは強壮作用や冷え性の改善に利用されているのも納得。
タンポポの効能は長い期間を経過して発揮されるため、何かの不調の改善を目的にタンポポを利用する場合は、長期的(少なくとも4~8週間)に摂取することが勧められる。
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