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思案橋とペルー人

長崎で路面電車を待っている間に、70代くらいの一人の男性と話す機会がありました。彼は退職後、旅行を楽しんでいると話してくれました。お酒を飲まないというけれど、「思案橋に行きたい」と言うので、思わず「どうしてその場所に行きたいんですか?」と尋ねました。すると彼は、懐かしそうな笑顔を浮かべながら「思案橋ブルースという歌があるじゃない!」と答えました。まるでその曲が私も知っているかのように話す彼に、興味をそそられました。外見は日本人にも見られるので、外国人だとは言わず、その音楽を知っているふりをして、そのおじいさんの心温まる話を聞きました。私の日本語は絶対おかしいので気づいていないのかな?彼も私が外国人であることに気づいていないふりしていたのかもしれません(笑)。

その夜、彼の言葉に背中を押されるようにして、思案橋に足を運びました。お酒も好きだしとても楽しみにしていました。そこで、立ち飲み屋に入りました。小さな空間の中、地元のお客さんたちとお酒を交わしながら話が弾みました。そして夜の終わりには、彼らが「長崎流の〆」を案内してくれることに。連れて行ってもらったのは、おにぎりと赤だしを楽しめる「かにや銅座本店」という店。シンプルですが心温まる食事で、その味以上に長崎の人々の優しさに心を打たれました。長崎の人々の温かさと素敵な文化のおかげで長崎の思案橋は特別な場所になりました。この思い出は、いつまでも忘れられません。そして、おにぎりの力は凄い、単なる食べ物以上に特別な存在であることをあらためて思いました。

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