ゴミは丁寧に捨てるべし
引っ越した当初はゴミの日を覚えられなかった同居人が、
『ゴミの日忘れなくなったよね』と言いながら、袋にまとめてくれてる最中に
『あ!!』
と大きい声を出した。
私はすぐに、やべ!!と思った。
最近仕事から帰って、ご飯の準備を始める前に無性に甘いものが食べたくなる。
こないだは食べるものが無く、唯一あったのが同居人と出かけた際に1人1個もらってきた羊羹。
私はもらったその日に食べてしまったので残っているのは私の分では無いのだけれど、多分同居人は羊羹のことは忘れてるだろうとこっそり食べてしまった。
そのゴミ。
見つかってしまった。
もっとゴミ箱の奥の方に捨てればよかった!と思った瞬間に、
いや食べたことを反省しろよと自分で思った。
ちゃんと、ごめんなさいと謝った。
今日は久しぶりに実家に帰ります。
両親には先週会ったばかりだけど、゛実家に帰る゛というのはまた別の話というか、三十路で立派な大人の私が子供として扱ってもらえる特別な場所。
帰る場所があるって有り難いなーと、実家を出てから本当に思います。
そんなこと考えてたら、私の祖父のことを思い出した。
私の母方の祖母は私が1歳の時に亡くなっていて、
婿入りで結婚した祖父は、年老いた義両親の面倒を1人で見ていた。
年老いた義両親こと、私の曾祖父母は長命夫婦で、
曽祖父は100歳まで、曾祖母も96歳くらいまで生きて、途中入退院を繰り返しながら天寿を真っ向した。
祖母が亡くなってから15年以上、祖父は1人でよくやっていたと思う。
そんな曾祖父母が亡くなってから、祖父は第二の青春を謳歌してたようで、ガールフレンドがいたらしい。
私が高校生だったとき、母がじいちゃんは彼女が居るんだと言っているのを聞いても、『じいちゃんには仲の良いご近所さんがいるらしい』程度にしか認識していなかったが、
私が大学生になり祖父が亡くなる直前、その『仲良しのご近所さん』がほぼ毎日お見舞いに来ていたので、もしかして本当にガールフレンドだったのかもしれないと思った。
祖父が亡くなってから聞いた話だが、母は祖父に
『再婚してもいいよ』
と伝えたことがあったらしい。
そしたら祖父は
『俺が再婚したらお前達(母と母の妹)の帰る場所がなくなるだろ』
と言ったそう。
かっこいいね。
帰る場所があることの安心感ってすごいもん。
ところで、そんな私のじいちゃん。
亡くなってから私の両親と叔母夫妻で遺品整理をしていたときのエピソードがある。
晩年長らく男の一人暮らしだったじいちゃんは掃除が苦手で、
母や叔母が良かれと思って部屋の掃除をしようとすると随分怒ったらしい。
そのため家の中には色んなものが溢れかえって大変だったらしいが、
特に祖父の寝室の押し入れには、秘密の写真や恋文が隠れていたそうで。
どんな内容のものだったかは
『孫に教えるものじゃない』と
父にも母にも教えてもらえなかったが、
そう隠すということは、気まずい何かだったのかもしれない。
やはり見られたくないものはちゃんと処分をしておくべきだと思った。
やはり、
ゴミは丁寧に捨てるべし。
じいちゃんのはゴミではないのか(笑)