アイデンティティについての対話記録
1月17日の先生との対話記録。
インド占星術における「わたし」の取り扱いの基礎であり、日本におけるアイデンティティ産業の流れについて。
M:はわたしのあいづち
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自分が苦しいってのはさ。アイデンティティっていう幻影にしがみつこうとするから苦しい。
M:自分は本当はどっちの人間なんだろう?とかですね。
本当の自分、っていうのが意地悪な罠みたいなもんでさ。
「それ以外は本当の自分じゃない」っていうかたちで排除する苦しさを、組み込まれることになっちゃうから。けど排除しても、自分だから。いつかは逆襲されるというのは決まっていて。。排除される対象が弱ければ、逆襲はこないけど・・・抑えこんでるエネルギー・ロスと苦しさっていうのはずっと続く、みたいになるから・・・どう転んでもオトクではないんだよね。
でもけっこう深く根付いた世代が、けっこう長く続いたから、本当の自分探し、世代が。
M:ああ。。そのための、いろんな社会活動とか啓蒙と称する啓発セミナーとかコーチングとか・・。
あれって、リクルートの発展とリニアなんだよね。リクルートの発展が必要としたトレンド、があって。リクルートがそれを必要以上に強く加速した。(ここで言ってる)リクルートって会社じゃなくって、元リクルートの卒業生みたいなさ、スピンアウトした人たちの総合力って、いまも日本を覆い尽くしてるもの。
M:リクルートって会社自体は、人材?バイトの求人雑誌、なんだっけ・・フロムAか。
結局、大学の、四年生になるとみんなリクルートのセミナー受けるわけでしょ。自分に適したところに就職しましょう、それで見つかんなかったらさっさと辞めるべきですって。(自分らしさとか)洗脳キーワードみたいな。
だってリクルートって、同じ会社にいられたら一回しかないビジネスチャンスだけど転職したらその回数分だけ、自分のビジネスチャンスが増えるってなるから。現実がどうであろうと嫌な会社は辞めるべきですって煽ることによって利益がでるものだから。結婚産業が「いやな相手とはさっさと離婚したほうがいいです」って言って総需要が増える倍倍ゲームと一緒でしょ。転職の仲介や結婚の仲介とかって繰り返しその商品を消費してまた買ってくれるように・・そういうのをリクルートが築いて。総じて、永続的に維持するべきだったものを→消費して買い換える商品に 作り変えてきたんだよね、日本の社会が。そのときのマジックキーワードが、ほんとうの自分とか、自分らしさ、とかなんだよね。メリットもあるけどデメリットも大きくて。日本の社会的流動性が高まったのはそんなに悪いとは思わないけどさ。その流動性が「単調な流動性」っていうのがよくないんだよね。自分探しの、単調な・・・これでもないあれでもない、って。豊かにならないよねえ。
M:間接的に占い業界も儲かって。スピリチュアルも占いも、みんなその恩恵を受けてる。「ほんとうの自分を見つける」っていうのはスピリチュアルでも、占いでもなんでもいいわけですね。・・・かくいう私も、そのような流れのなかで生きてきちゃったんで。・・・けど。いまそれがどんどん薄れていってる。現実。
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いま・・・・私が現実を生きているという感覚が薄れていて、この現実を映している何か・・・天体なのか法則なのか認識できない、知識を超えた何かが、果てしない広がりの自律的システムとして存在感を増している。