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くにくに(自立支援について)
自立支援ってなんなんだろうね。
初めて就職した老健で、認知症無し全介助要介護5、気管切開寝たきりのこだわりが強い爺ちゃん利用者さんがいた。
その利用者さんは食事の時はスプーンを唇に対してまっすぐに入れないといけない、歯を磨く時は水に付けずに歯磨き粉を歯ブラシの半分ほど付ける(歯の磨く順番決まってる)、顔を拭く時は順序が決まっていて先ずは目頭から拭いて鼻両側最後に顎に沿って円状に拭き取る、寝たきりの腕に付いた鈴が鳴ったらすぐに訪室しなきゃいけないじゃないと怒り出す。
等々とどめに気管切開だから慣れないと掠れ声で何言ってるかわからないし、その「〇〇さん語」を理解出来ないと怒りだす始末だった。
そんなお爺ちゃんでも、その人の介護に慣れてくれば結構お爺ちゃんの方から話しかけてきてくれて、特別浴で私の汗が入浴介助中にお爺ちゃんの顔にかかった時「やめろ!やめろ!きたない!」と嫌そうな顔しながらも笑いながら冗談飛ばす仲になった。
そんなお爺ちゃんが自分の夜勤中に急変で亡くなった。
よく食事介助で来てくれてたお爺ちゃんの娘さんが「あなたが居た時でよかった」とエンゼルケアの後に言ってくれた。
そのお爺ちゃんは、寝たきりになりながらも自分の意思で生活をコントロールしていた。自らの欲求があり、それを表明して生きていた。
そんなお爺ちゃんだからいつまでも心に残ってるし、寝たきりになってもプライド保って意欲をもって生きていたのは素直に凄いと思う。性格的に憎めない人だったのもある。介助者や家族の努力もある。
支援と環境が許す限り、個別性を尊重して自分の意思で生きていくのを応援する、それが自立支援なんじゃないか。