新しいルイ・ヴィトンを作る!ロサンゼルスのD2CスタートアップMISAKY.TOKYOドタバタ体験記 vol.1
行動力で勝負。LA発「MISAKY.TOKYO」の素顔に迫る。
ロサンゼルスで痛快な挑戦をしているD2Cスタートアップ「MISAKY.TOKYO」。和菓子をTicTokを中心にソーシャルメディアで販売し売り上げをあげている。私の中の固定観念をガンガン超えるワイルドロード💪を突き進む創業者三木アリッサからの学びが多いので彼女の挑戦をリアルタイムに記録すべくYouTube+noteで2020年8月〜残しておく。
タイトルは「ロサンゼルス発D2CスタートアップMISAKY.TOKYOのドタバタ体験記」かっこつけず等身大の挑戦を綴って行く。
「MISAKY.TOKYO」は2019年9月ロサンゼルスで登記し、同11月から商品販売開始している。商品は和菓子、クリスタルのような和菓子なので「Cyristal Treats」。日本だと「琥珀糖」にあたるものを販売しているのだが、彼女はバックグラウンドとして和菓子やスイーツを販売する仕事についていたわけではない。しかも、私が出会ったのは日本の教育スタートアップ「Life is Tech」の米国支部立ち上げ担当という立場であった。その前はイスラエルテック女子代表を務めていたと記憶している。
「あれ?IT / テクノロジー系のスタートアップのアリッサが始めたビジネスは和菓子??」という驚きを鮮明に覚えているのだが、三木アリッサが単身米国に行き、自らレシピ開発し、免許を取り、売り出したのが「Cyristal Treats」だ。宝石のように見える和菓子は抹茶やゴマ、ゆずからはじまりラベンダー、マンゴー、バラなどフレーバーも豊かだ。
和菓子作りのバックグラウンドがなくても、和菓子は売れる。実際、TikTok経由で毎月100パッケージほど既に売れているようだ。コロナ以前にはファーマーズマーケット(日本だと日曜市のようなもの)に店を構えて現地の方に喜ばれている。ファーマーズマーケットは人気の販売先で通常で行くと2,3年かかって店舗が構えられるところ、彼女はある店舗の商品を”買い取って”、交渉し、推薦状をもらい数ヶ月で店舗を構えるに至っている。
・和菓子は職人が作るもの、素人が販売してはいけないという固定観念を打ち崩し&販売数をあげている
・ファーマーズマーケット2,3年待ちのところ、既存店舗商品"買取"により関係知を作り推薦状をもらい短期間で店舗を構える
なぜそのような馬力で進めていけるのか?
彼女自身はその馬力の背景を以下のように述べる。いくつか要因はあるのだが、まずは幼少からの原体験からきているようだ。
新しいルイ・ヴィトンを目指すアリッサ
アリッサの母親はアーティストだ。マイセンなどの陶器の繊細な造形&絵付をしている。日夜問わず窯の具合をみながら精緻な作品を作る母親の背中をみながらも「アーティストはビジネスとして成立しづらい」という現実を目の当たりにする。「アーティスト、職人はすばらしい作品を作るのにビジネスとして成立しづらい、その状況を打破したい」という強い原体験がある。
また、イスラエルのスタートアップに関わっていたときに、ここ数年でAIやロボットが浸透し、人間にはよりクリエイティビティが求められるとともに、職人が活躍大切にする時代が来ると実感したからだ。
ただ、その職人が活躍する数年先までの間に、後継もなく店を畳むような状況や、良い腕を持ってても生活が苦しいから別の仕事に就き職人としての生き方を諦めるような状況が起きている。コロナの影響でさらに加速しているだろう。これから職人が必要になるのに、そこまでに職人が絶えてしまうような状況を打破したく、日本の職人が世界で活躍できる場所を作ろうと思いロサンゼルスに赴き、まずは和菓子からはじめ、今後お茶、食器、など様々な職人技が必要となるビジネスを展開していくという。
そして目指すは「ルイ・ヴィトンの新しいバージョン」を作ること、だ!
確かにルイ・ヴィトンも最初は職人の鞄作りから始まっていまはラグジュアリーなブランド&ホールディングスとなっている。アリッサの和菓子→お茶→茶器→食器→インテリア・・・は職人が介在し、ホールディングスを目指せる構想だ。
大きなことを言う人は多い。ビュー数を稼ぐためのビッグマウスは至る所で散見する。だが、行動を伴っていないビッグマウスには注意が必要だ。その点アリッサは単身米国に乗り込み、和菓子のゼロからスタートし、販売を進めている。ビーガン、グルテンフリーという健康志向を目指すカリフォルニアおよび米国の意識の高い方向けに刺さる和菓子を展開している。
まだまだ私の興味は突きないので次回はTikTokでどのようなビジネスを展開しているのか、D2C(ダイレクトに消費者に届けるマーケティング手法)について掘り下げていく予定だ。
ちなみに、今年ロサンゼルスに子会社(HEART CATCH LA) を作ったのだが、コロナの影響でまったく動けてないのでアリッサとの会話を通して私自身も自分のビジネスの種を探している。ぜひそのような「自分のため」の視点でもこのYouTube & noteを楽しんでもらいたい。