【2021/5/13】浮かんだ言葉の8割は捨てられる
人は常に頭の中で何かを考えていて。
むしろ考えていないほうが難しく高度な技で。
ひとりでいるときも誰かといるときも、
いつもいつ何時もお下品な下ネタや下らないゲームのことから
哲学や政治、将来のことに至るまで、ずっと脳は活動している。
自分の中で熟考するためもあるけれど
結局は誰かに話したいことの方が面積を占めていて。
今日こそはこれを言うんだ!
言ってやる!絶対言う!
何が何でも言ってやる!
今日はあれを発信しよう!
Twitterに投稿するぞ!
インスタにはあの写真を載せてあれを書く!
今日はLINEで例のやつを伝えないと!
例の人にLINEで例の件をお願いしよう!
LINE送らなきゃ!例のこと言わなきゃ!
言いたいこと、伝えたいことはたくさんある。
だけど、
多分そのうちのたった2割くらいしか発していない。
3割発することができたら今より楽になるかな。
発しないほうが得策だから発していないだけかな。
言いたいことが浮かんでは消えて。
でもまた現れて。
その繰り返し。
好きな人に伝えたい言葉も
上の人に言うべき直談判も
仲間に話したいどうしようもない愚痴も
親友に聞いてほしい他愛のない出来事も
雲のように浮かんでるけど流れていなくなって
気付いたら頭の上にはもういない
その繰り返し。
伝えたいのに伝えられない言葉たち
それはもう、廃棄物。
捨てられた不用品。
明日か明後日、収集車が取りに来るゴミ。
もしくは
胃の中に入った食物のように
知らない間に消化されて、体の外に出ていくもの。
明日か明後日、トイレに流れていく老廃物。
人間の摂理なんだろう。
捨てられる言葉たちは。
モッタイナイと思うのか
仕方ないと思うのか
伝えないのは卑怯なのか
もうそれは負けなのか
何割伝えたら満足するのか
きっといつまでも満足しない
それが人間
捨てながら生きていくのが人間
たくさん捨ててきた色んなものを
だからこれからも捨て続ける
もったいないけど