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浪花人情紙風船団という場所
先週から今週の頭にかけて、関西に滞在していた。
12月6日(金)に閉館間際のなんば紅鶴で行ったイベントを皮切りに、予定を立て続けに詰め込んでいた。
これは意図したものとそうでないものと、結果的にそうなったのと、追加でつけたものと、諸々の事情がある。
メインと言っていいのは、そのイベント。
11月からその経緯を記しているので、暇且つ興味があれば見てほしい。
今回のタイトル、浪花人情紙風船団。
恩師である紅萬子さん主催の劇団である。
紅さんはわたしに芝居の面白さを教えてくれた人。
どう足掻いたって追いつけないと分かっている。けれど、どうにかそばにいたくて、必死で追いかけた人。
紅さんは松竹芸能俳優部の講師をされていて、そのクラスに運よく潜り込むことができて、たくさんの刺激と学びを頂いた。
こんなに認められたいと思った人に会ったことはないかもしれない。
そして、紅さんからの指導を受けて5年。
ようやくその憧れの劇団に出演することができた。
それから4作、作品に関わることができた。
正直、役者としては、紅さんの望むところまでは到達してないと思う。
それでも、わたし個人の、その全てを、受け入れてくれた。
辛い時は話を聞いてくれた。
間違った時は正してくれた。
がんばった時は褒めてくれた。
苦しい時は支えてくれた。
わたしは自ら、紅さんのそばを離れたけれど、実の母と同じくらい、大切な存在で、自分を育ててくれた人だと思っている。
そう思える人と出会えたことが、わたしの財産であり、その姿を思い浮かべるだけで、胸がキュッとなって、いつでも泣けちゃうくらい。
その大好きな紅さんが主宰する劇団が幕を閉じた。
この世のほとんどのモノに、終わりがあると頭では分かっている。
だけど、その事実は、頭をガーンと殴られたくらい衝撃であった。
本番前、楽屋に挨拶に行くと、出演者の皆さんほとんどが顔見知り。
「まりお〜元気かぁ?」
「来てくれたんかぁ〜、ありがとう」
「帰ってきとんか〜おかえり〜」
「また大きなったんと違うか?」
私からすると大先輩も大先輩の皆さんが笑顔で迎えてくれた。
あぁ、帰ってきたんだな。
わたしはここに、いたんだな。
紅さんは鏡前で準備されていて、話すことは出来なかったけど、鏡越しに手を挙げてくれた。
紅さんの舞台でのお芝居を観たのは、2019年ぶりだった。
映像では観ていたけれど、ライブの紅さんこそ真骨頂。
小さな身体だけど、そのパワーと存在感は、やはり健在。
だけど、2時間20分のどんな芝居よりも、紅さんの後ろ姿が素敵だった。
力強いのに、どこか頼りなくて、哀愁が滲んでて、泣けた。
セリフなどいらぬ、佇まいで、表情が見える。
やっぱりわたしは、紅さんの背中が好きなんだ。
追い続けたいんだ。
これからも。
追いつけなくても。
支えることはできるかもしれないから。
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