【鑑賞ログ数珠つなぎ】39歳
【数珠つなぎ経緯】
2月3日で39歳になった。そしてNetflixで放送が始まった『39歳』。見るしかないだろう。なんとメインキャストの女性3人も実年齢が39歳なんだと。見るに決まっているだろう。
ただ韓国ドラマは長い。少々時間が必要。ちょうど舞台も終わって時間が取れるので、ようやく見始めた。
【あらすじ、とか】
韓国ドラマで今まで見てきたものは、『イカゲーム』『地獄が呼んでいる』などのドぎついサスペンススリラーか、『愛の不時着』『梨泰院クラス』『ピノキオ』などのラブが満載のヒューマンストーリーがメインで、やや現実離れ要素のある作品が多かった印象。
しかし今回は、女の友情を描いたストーリーらしく、正直面白いと思えるかどうか不安だった。いつものごとく、そんくらいの情報だけで見始めたら、すぐに面食らった。たしか2話目くらいで仲良し3人組の一人が余命半年を宣告される。そしてその回か次かで葬式のシーンが入る。もう絶対死ぬやつ。奇跡が起きて助かるとか、そういうムードはなさそう。つまり、死にゆく友人とどう過ごしていくかを描いた作品なのである。
39歳の主人公、ソン・イェジェン演じるミジョは皮膚科医。パニック障害を持っており、休暇のためにアメリカ留学が決まっていた。
チャニョンは俳優の演技指導者として実績がある。プラトニックな不倫を続けている。
ジュヒはデパートの美容部員でマネージャー。おとぼけ担当なポジション。
18歳からずっと仲良しだったが、ある日チャニョンがすい臓がんと分かり、余命宣告を受けるが抗がん剤治療は受けないと決めたことで、3人はそれぞれお互いの人生を見つめ直すこととなる。
【感想、とか】
毎回、回想からスタートし、それに付随した(反映した)シーンが描かれる構造。過去に言った何気ない一言が現在に効いてくる。当たり前に生きて、当たり前に思い出をつくって、当たり前に一緒に歳を取っていくと思っていた3人。チャニョンの余命によって、その当たり前が叶わないこと、そしてその現実を受け入れねばならぬこと、それでも毎日を生きていかねばならぬこと、1日にして、目の前の景色が激変してしまう。
わたしはかつてバイト先の仲間を失ったことがある。彼女もガンだった。年齢は少し上だったけど、傍から見たらガンだとは一切分からなかったし、ギリギリになるまで知らなかった。知った時の衝撃は今でも忘れられない。どのシーンもそのことが思い出されて、とにかく泣いた。泣きながら見た。
その出来事について書いた記事☟
今の時代、ほとんどのカテゴリーにおいて、当たり前が崩壊している。顔を合わせて話すこともそう、好きな時に好きな人に会いに行くこともそう、舞台や様々なイベントを開催することもそう、当たり前じゃなくなった。出来たとしても、色々と面倒くさかったり、気を遣ったりしなければならない。なぜか後ろめたい気持ちさえ持つことだってある。
『39歳』は「親友の死」を通して、当たり前は突然崩壊するという、これまたある意味人生における”当たり前”を丁寧に、そして真正面から届けてくれる作品である。
ブロマンスと呼ばれる男同士の友情を描いたものが韓国ドラマには多い印象だけど、ロマンシスと呼ばれる女同士の友情だって、こんなに強くて美しんだぞ!と言わんばかりの熱い絆。ここまでの絆がある友人がいたら幸せだなぁと思うし(いないわけじゃないけど‼)、友人をもっと大切にしようとも思える。
もちろんその間に、待ってましたの恋愛があって(ミジュの相手ソヌ最高♡)、緩和剤の笑いがあって(ミジュの姉大好き!)、癒しの家族の存在があって(ミジュのパパ素敵)、他にもそれぞれのエピソードが複雑に絡んでいるので、飽きない。飽きは来ないけれど、刺激は少なめと言ったところ。
そして何より、チャニョンを演じたチョン・ミドさんのファンになったぁ~。こちらも人気作『賢い医師生活』にも出演しているとのことでチェックしなくては!ビジュアルは超絶美人タイプではないけれど、剛力彩芽と門脇麦を足して二で割って、さらに色白にした感じ。表情と透明感で、セリフを言わなくても、ぜんぜん画が持つ。とにかく好きー!!男だったらこういう人好きになるー!
【次の作品】
舞台『セールスマンの死』