nikki 2019/5/20 全ての重力に逆らって
Against All GRAVITY
「全ての重力に逆らって」、そう名前のついたライブ。
Mr.Childrenの2019年ドームツアーである。
今日はその東京ドームで行われたライブに行ってきた。ミスチルを本当の意味で好きになったのは大学生の頃。これは同世代のファンからすると少し遅いかもしれない。innocent worldやtomorrow never knowsからではなく、2001年に発売されたベストアルバムを聞いてからだった。「星になれたら」「Replay」あたりにググッっと心を持っていかれた。当時好きだったバイト先の社員さんがよく聞いていたというのも理由の一つ。それから2005年に初めてライブに行った。会場はYahoo!ドーム。そしてクリスマスイブだった。この曲の歌い出しで鳥肌が立ったのを今も覚えている。
たった0.05ミリ 合成ゴムの隔たりを
その日君は嫌がった 僕はそれに応じる
怖いのは病気じゃない 君が胸に秘めた想い
だけど嫌な気分じゃない 僕はそれに応じる
ーMr.Children「隔たり」より
大人の人なら分かると思うけど、これはコンドームの歌だ。この隔たりはシングルカットされていなくて、アルバムを聴き込んでいないと耳に入らない曲だ。当時私はこの曲を聴き込んでいなかった。だけど生で聴いて、歌詞の色気やアカペラから始まる桜井さんの声に、落ちた。
基本的にミスチルの作品の中で、映画やドラマの主題歌になるような代表曲も好きだけど、ちょっと毒気があったりエロかったりするものを私は好む傾向にある。もしかしたらそうなったのは「隔たり」のせいかもしれない。
それからほぼ毎年ミスチルのライブに行っていて、2015年の「未完」スタジアムツアーが最後で、今回は4年ぶり。5万人のミスチルファンが東京ドームに吸い込まれていく。未完ならぬ「未婚」の女友達と3人でいざ。
途中、桜井さんがこのツアータイトル「Against All GRAVITY」の意味について説明した。これからライブに行く人もいるので詳細は控えるが、GRAVITY(重力)の捉え方は人それぞれ、ある人にとっての重力は、別の人の浮力でもある、みたいなことだった。だから「ALL」を付けたのかもしれない。
私はこうも考えた。誰しもに物理的な重力以外の「重力」が掛かっている。それは、仕事や人間関係のストレス、プレッシャー、世の中で起こっている事件、戦争、「負」のすべて。逆に、愛情や友情、何かを達成する喜び、趣味を楽しむ心、「生」のすべて。これらの重力もまた、私たちをこの世界に留めている重力だとも考えられる。なんだか哲学的な話になってきたけれど、桜井さんの話を聞いて、そんな考え方もあるのかもと思った。
一番肝心なライブ。
もちろん最高だった。全く衰えていない桜井さんの力強くて甘くて優しい歌声。田原さん、中川さん、ジェーンが奏でるメロディがしっかりと寄り添っている。往年のヒットソングで合掌したり、ニューアルバム『重力と呼吸』の中からの曲は予習不足で乗れない曲があって反省したり、「おぉ!」っとなるようなサプライズ曲もあってそれが私のミスチルベスト10に入る曲で、思わず飛び跳ねたりもした。そして、それぞれの曲ごとにその時代の青春が走馬灯のように蘇ってくる。恋した人たち......楽しかった思い出......悔しかった記憶......思わず目に涙がたまっていた時もあった。
あぁ、ミスチルよ。ミスチルさん。いったいいつまで第一線を走り続けて、私の思い出に寄り添ってくれるの。素晴らしい作品を生み出してくれてありがとう。そんな気持ちが芽生えてきたとき、私の創作熱がムクムクと湧き上がってきた。
家に帰って、ペンを走らせていたら、いつのまにか朝の4時だった。
不思議と眠くなかった。
すごいパワーを与えてくれる。
一番重力を持っているのは、Mr.Childrenかもしれない。
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