朝日に会えなくて、夏。
旅のくだらない噺手帖「ミャンマー・ラオス旅編」
前回『恐怖のオイルライス』も是非お読みください。
バガン2日目の朝。たしか5時半くらい。まだ薄暗い田舎道を私たちは自転車で爆走していた。朝日を見るためだ。道に迷いそうで怖い。だがこの道を真っすぐ行けば、たどり着くはず。間違い様もない道だ。
しばらくすると、同じ方向に向かうEバイクやらタクシーやら馬車やらと並走し、間違いでないことに安堵する。空が徐々に明るくなってくる。急がなければ、間に合わない。
サンライズスポットとされる高台に辿り着き、私たちは丘を駆け上がった。多くの観光客でごった返していた。
しかし、雨季の空は雲で覆いつくされていた。
陽は徐々に昇っているようだが、その姿を現さない。
やはりダメか・・・
一眼レフを構える友人の背中もどこか寂し気。
少しでもお日様がチラ見えしないか待ってみたけれど、
雲の向こうでいつの間にか辺りを明るく照らし始めた。
サンライズを諦めた馬車とバスが帰っていく。
さて、我らもホテルへ戻ろうか。
突然、青空が見えだした。
これまでバガンでは曇り空しか見ていなかった私達。
テンションが上がる。
自転車を漕ぐ足も軽くなる!
写真だって撮りまくっちゃう!
青空で見る遺跡は「映え」が違った。
だけど、映えなくたっていいじゃない。
朝日は雲に隠れていたって、
辺りを明るくしてくれるし、暖かくもしてくれる。
太陽っていうのはさ、太陽って言うのはさ、
私がどこにいたって、誰といたって、何していたって
いつもおんなじ、平等に照らしてくれるんだから。
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