優良なアドバイザー
以前の投稿「大人の事情」で、私が新卒で入社した会社の上司Mさんが頻繫に出てきたが、2年くらい前に再会して以来、定期的に会っている。というか会ってもらっている。
Mさんの話が出てくる記事
大人の事情②
大人の事情⑤
先日、約半年振りに会った。会ってまず色々と報告が始まるのだが、いつも思うのは、半年で状況は激変すると言うこと。
前回会った時は、私は東京に行くか行かないかを悩んでいた。(いつも読んで下さる方は分かると思うが、5月から活動拠点を大阪から東京へ移した)その時もMさんに相談して、アドバイスをもらい、自分で出した結論は、「東京へ行く」だった。今回は東京に来て、少し時間が経った現状を伝えた。そして、思った。
この人はなんて優良なアドバイザーなんだ、と。
Mさんは私より10歳以上年上で、キャリアもあって、お金も稼いでいる(余談)。パートナーもいるし、没頭できる趣味もある。そんな人に対して「優良」なんて表現をして、失礼なのは重々承知している。だが、話を聞きながら、なぜ私はそう思うのか、私の中の第三の目が分析を始めてしまったのだった。そして、それを自分もすることが出来れば、優良なアドバイザーに近付けると考えた。自分が誰かに相談するときの相談相手を見つけるのも、同じだ。
では、ポイントを挙げていこう。
①否定しない
当たり前のようで、意外と難しいと私は思っている。Mさんは、私がどんな話をしても、否定をせずに最後まで聞いてくれる。モチベーションが上がらず、ぐうたらしてしまうという、普通だったら喝を入れられそうな話でも、笑いながら聞いてくれる。「それはダメだよ」「何やってるの」というような返しをもらったことは思い出せる限り一回もない。
②同意する
これは(1)に通じるところがあるのだが、例えば「ぐうたらしてしまう」と言うことに対して、「私もその気持ち分かる」「私もよくそうなる」という同調や共感を示してくれる。この人もそうなんだ、とか、自分だけじゃないと思えることは何よりも安心感を与えるのだと感じた。
③好きだから、のスタンス
Mさんは頻繁に「マリオのことが好きやけん…(注:Mさんは博多弁)」という言葉を言ってくれた。それは本心であると思うが、その言葉があるのとないのでは話の受け入れ方が断然違う。関係性が薄い人に対しては言いにくいが、それに近い言葉を付け足す、もしくはスタンスを見せることは重要である。
④5回に1回の頻度で厳しい
今まで挙げたポイントは、すべて優しい部分である。が、喝も入れられる。おおよその感覚であるが、5回に1回くらいの出現率だ。「それ前も同じこと言っとーけんね!」「まずやれって感じやし」というような(愛のある)叱咤激励は必ずある。しかしそういう檄がある前や後には、②や③で述べたようなエンジェルワードを忘れず入れることがポイントである。
⑤前に言ったことを覚えている
Mさんは「マリオ、たしか前に〇〇って言っとったと思うけど」と、前に会った時に話した内容を覚えてくれている。今回、Mさんから「マリオは新しいことを見つけたい、環境を変えたいと思って、東京に行くって言っとったと思うけど…」と言われた。私だって東京に行く動機や目標は忘れたわけではない。ただ、他者から改めて言われることで、気付かされることや再確認できることがあると感じた。なにより、自分の発言を覚えてくれていたことに、また信頼も増すのである。
⑥分析してくれる
課題解決には、Plan(計画)Do(実行)See(評価)のプロセスが必要であるとよく言われる。Mさんは私の話を聞いて、DoとSeeの部分を客観的に分析してくれる。Plan(計画)は私自身が決めたものであって、それに対して、東京で何をDoしたのか(しようとしているのか)、どうSeeできるのか(まだ時間がかかるのか)、を一緒に考えてくれた。具体的にこういうことをしてみたら、という提案もくれた。また付き合いが長いので、私の性格上の問題も指摘してくれた。自分のことは自分が一番分かっているとか言うけれど、他人の評価に勝るものはないのである。
3時間ほど食事をしながら話していた。
帰り際に私が思ったのは
「よっしゃやるぞ!」
であった。それもやみくもにではなく、具体的なアイデアや方法を持って、問題に向き合うやる気が出ている。あれをしてみよう、これもしてみようと、さらなる計画を進めている自分がいた。それと同時に、Mさんに良い報告したいから、という気持ちが芽生えている。
マリオの目標が達成されれば嬉しいけど、
もし出来なかったとしても、私はマリオのことがずっと好きやけん。
そんなことも言ってくれた。
ハッパをかけることなく、突き放すでもない。
家族に近い愛情を持って、接してくれる。
こんな人に出会えたことが、私の財産である。
Mさんが私にとって優良なアドバイザーであってくれるのは有り難いことだが、例えそうでなくても、私もMさんが人として大好きなのだ。
自分が誰かのアドバイスをする機会があるとしたら、気付けたポイントを意識して対応していこうと思う。それがまた会いたい、話をしたいと思ってもらえるような魅力のある人間に近付けることだと思う。
全てが繋がっていくこの世の中で、誰かが誰かの優良なアドバイザーでいることが出来れば、もっともっと世の中は素晴らしくなっていくのにな、なんて、大規模なことを呟いてみる真夏の夜であった…
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