【2021/4/12】ゴールでスタート
日本橋はいつまで経っても特別な場所だ。
8年前の3月、ここにいた。
あの時と同じように高いビルの間に強い風が吹いていて、髪がボサボサに目がシパシパになりながら、とにかく前へ進んだ。
仲間が6人。
走るために集められた女子たち。
うわー。若い~。
このメンバーで京都からスタートし、東海道五十三次を走って繋いで、ゴールが日本橋だった。
初めての泊まりロケ、初めての水着ロケ、初めての漁船、初めてのガチダメ出し(森脇さんより)、初めての体験をたくさんたくさんさせてもらった。誰かが自分たちを「応援してくれている」ということを感じさせてもらった。
だから日本橋に来ると、心がジンとなる懐かしさと、背筋がピンと伸びる感じと、鼻がツンってする痛さと、甘酸っぱいシュワな若さと、脳がキンとなる楽しさと、いろんな感情がミックスされて、何とも言えない気持ちになる。
ゴールをして一区切りついたけれど、当時何も成しえていない私たちはそれからも走り続けた。とにかく走り続けて、転んでも立ち上がって、間違いもたくさんして、つかみ取った成功もあって、たどり着いた幸せがあって、今悩んだり失ったりした現実もあって、それぞれが違う道を今もなお進んでいる。
あの頃は自分が東京に住むなんて、この年まで続けているなんて、仲間のうち4人が結婚しているなんて、最年少メンバーがもう二人目を産んでいるなんて、思いもしなかった。いや、思いもしなかったというよりは、考えもしなかったというほうが正しい。
振り返っても、みんなの道が交わっていた時代はもう見えない。進みすぎて、戻り方が分からない。戻りたいわけでもない。一度交わった頃があったからこそ今があって、「あぁ良かった」と素敵な道を歩んできたことが実感できる。
誰かや自分が設定した道をゴールしても、またスタートしなければならない。ゴールしてスタートしての繰り返し。幾重にも分かれる道を選びながら進んで、立ち止まって、また進むしかない。
人生にゴールなんてない。
だけど、常にゴールを設定して生きていくほうがいい。
その連鎖から逃げてはいけない。
日本橋に行って、また新しいスタートを切れたような気がした。