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【鑑賞ログ数珠つなぎ】だからビリーは東京で

ある作品を観たら、次はその脚本家や監督、役者の関わった別の作品を観たみたくなるものである。まるで数珠つなぎのように。
前回:『ブラインドネス』

https://note.com/marioshoten/n/n16bc6b44312a

【数珠つなぎ経緯】

正直前回の『ブラインドネス』とは一切つながっていない。後輩の観劇ツイートを見て「見に行かなきゃ!」と思い、すぐにチケットを手配したという流れ。無理につなげる必要はない。鑑賞したものを記すのがこのnoteの目的だから。

蓬莱さんの作品はずっと見たかった。でも商業的でメジャーな俳優がたくさん出る作品は値段が高い上にチケットも取れない。蓬莱さん作・演出で4月上演の舞台「広島ジャンゴ」もそう。天海祐希さん主演でそうそうたるメンバー。見たいけど、多分無理。
とは言え、見たいと思っていたのはモダンスイマーズとしての舞台なので、願ったり叶ったり。しかもチケットもお買い得の3,000円。東京芸術劇場シアターイーストでこのお値段。。。どういう仕組みなの?補助金か、そうか!だとしてもすごく安い。ありがとう。

【あらすじ(引用)】

1月30日まで公演があるので詳しくは書かない。

とある劇団と、
何かを始めようとした
若者の話です

【感想(ネタバレなし)】

コロナ禍になり、もうどのくらい月日が経ったかも分からない。当たり前になった気もするし、まだまだ受け入れていない気もする。芸能とか、演劇とか、エンタメとか、そういう分野の人たちは、どうやって生きていこうかずっと思案している。仕事として割り切ってやっている人もいるけれど、この仕事じゃなきゃダメなんだよ!と身体中に染みついている人たちもたくさんいて、もちろんどうにかして生きてはいけるんだけど、その生き方はつまり自分が求めているものなのかと、自問自答する毎日で。

このお話もコロナ禍を切り取った、とある劇団の話で、そこに新劇団員が入ってくるところから物語はスタートする。
演劇じゃなきゃダメな人と、演劇じゃなくても行けそうな人と、恋愛や将来も大切に思う人と、将来に夢あふれる若者と、そういうそれぞれの心の動きや葛藤や、お互いの関わり合いの中で、これからどうすべきか決断を迫られるというような話。

演劇をやっている人間からすると、コロナじゃなくても同じような悩みは常に根底に薄ーく敷いてあるものなんだけれど、それでも今までは舞台に立ちたいと思えばどうにかして立てていたし、少し煙たがられたりもするけれどお客さんを大声で呼んでも怒られなかった。だけど今は違う。まるっきり違う。なぜなら命の問題だから。自分も他人にも及ぶ問題だから。

作品を観てもらって、もしくは観に行って、誰かを救ったり、誰かに救われたりすることはあれど、誰かの命を脅かすことがあるなんて考えもしなかった。そういうイレギュラーの中を生きてきて、次第にそれがレギュラーになって、今がオンラインなのかオフラインなのかもよく分からなくなって、それでもまだしがみついてる自分がいて。しがみつくというよりは、それしかないのかもしれないけれど。

舞台の感想というよりは、そんなことを今になってまた思ったりしていて。

それでも生きてかなきゃいけないから。
生きるんだったらやりたいことやりたいし、楽しく生きたいし、でも楽もしたいし。でも楽ばっかりだと自分が嫌になっちゃうし。そんな繰り返しの中で、どんな状況下でも、どうにか自分らしく生きていけばいいかなって、思ったりしたのである。

【次の作品】

連続舞台。
ヨーロッパ企画『九十九龍城』

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