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ほんとうにやりたいこと
子どもの頃なりたかったもの。
ケーキ屋さん
バレーボール選手
GLAY・JIROのお嫁さん
昔はもっとクリアでシンプルだった。幼かったし、若かったから。なにより現実を知らなかった。それが実現する可能性なんて考えずに、ただ、なりたい、やりたいと素直に思っていた。
だけど時が経つと、それ自体に興味が無くなり、また新しい対象に興味が移り、そしてまた他に目移りし、を繰り返して、大学を卒業するころには本当にやりたいことが何一つ手元に残っていなかった。
わたしは大学の教育学部を出ているが、先生になりたいとは思えなかった。一度就職したが、やりがいを手に入れるのに苦労したし、結局見つからなかったように思う。
それから「海外ロケがしたい」というだけの願望を胸に、芸能界に入ってみた。その片隅にいて、海外が叶わなかったけどロケにも行ったし、食レポもやらせてもらった。その他、映画やドラマに出たり、脚本まで書いたりするようになった。
その全ては、やりたい、と思ったことだ。
今でもそれはやりたいし、まだ叶わぬ海外ロケだって、いつか行きたい。正直言うと、海外はロケじゃなくてもいい、旅行だっていい。
「やりたいこと」を丁寧に紐解いてみると、実は別のものに置き換えられることも多い。やらせてもらえるならやりたい、どうせならやりたい、普通にやりたい、やりたいことの範囲は広く、その全てが心からの願望であるケースは意外と少ない。
そして今のわたし。
ほんとうにやりたいことがないかもしれない。
映画に出たくて、ドラマも出たくて、脚本も書きたくて、舞台も立ちたくて、何なら演出もしたくて、ロケも行きたくて、ラジオもしたくて、スポーツの仕事もしたくて、何でもやりたいけど、どれか一つ選べって言われたら選べないし、そのために死ぬほど努力してんのかって言われたら、いやーってなる。
じゃあプライベートで、旅行したくて、いろんな山に登りたくて、美味しいもの食べて飲みたくて、恋愛したくて、結婚したくて、子どもほしくて、家買いたくて、っていうのも、どれもやりたいかもしれないけど、絶対にやりたいのかって聞かれたら、いやーってなる。
でも
脚本を書くことだけは、オファーがなくても、お金がなくても、自分ひとりでできる。やりたいってだけじゃなくて、「仕事にする」って考えたときに、一番興味と探求心を持ってやり続けられる気がしている。
当たり前だが、簡単なことではないけれど。
ほんとうにやりたいことか分からないけれど、やり続けられることって必要な要素かもしれない。
今日ひとつ、脚本を書いてみた。新しく書いたというよりずっと構想していて、でも放置していたもの。これに応募するために再度開いてみた。
「思わずイッキ見したくなる」作品かはさておき、もう一度ネタ帳を開いてみよう、書いてみよう、と思えたことが第一歩かもしれない。
ほんとうにやりたいかどうか分からなくてもいいじゃない。子供のころの夢のように漠然と抱いて、いつの間にか幻のように消えていても。それは悪いことじゃない。大人を積み重ねて、今があるから。
今の自分を受け入れる。
そして前に進む。
やりたいことは都度目の前に現れる。
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