nikki 2019/6/1 ずくだんぶんずんぐん
覚えているだろうか。一世風靡したお笑いコンビはんにゃのネタ「ズグダンズンブングンゲーム」を。
何年前だったのだろう。大学は卒業していて、関西に住み始めて間もない頃だったような気がする。大学同期の女友達3人でちょっとリッチなホテルに泊まり、4月生まれの私以外の2人のお祝い会をしたことがある。友人のひとりはまもなく青年海外協力隊で南アメリカに行くことが決まっていた。彼女はテレビをほとんど見ないとかで、当時爆発的な人気だった「ズグダンズンブングンゲーム」を知らず、まさにネタで言うところの川島さん状態だった。私がキラキラアフロの番組観覧でもらってきた鶴瓶さんのひょっとこお面を被り、彼女とズグダンズンブングンゲームをした。やはり彼女は川島さんと同じように奇妙な動きをして、私たち3人はホテルの部屋で大爆笑して盛り上がったという思い出がある。あまりにも楽しかったので、その動画をYouTubeに上げた。
今日はそのズグダンズンブングンゲームを知らなかった友人の家でお泊まり。あれは何年前だったのかな、とふたりで懐かしんでいた。YouTube動画を見たくなり、「ズグダンズンブングンゲーム」を検索してみても、本家や有名人がパロっているものが上がってくるが、私たちのバージョンが見つからない。何となく、名前を間違えて登録したような気もして、「ズグダンズンブングン」ではなく「ずぐだんぶんずんぐん」で検索するとヒットした。
ほんの30秒くらいの、変な動画。
私たちは見ていて面白い。だが客観的に見ると、なんてことない動画。でもその30秒に思い出が詰まっている。
大学を卒業して3人で集まったのは初めてだった。ホテル最上階のレストランでフレンチのコースを食べた。部屋のふかふかのベッドで、夜通し語り合い、笑い合った。まだ何も成し得ておらず、失ってもいない。理由も根拠もないけれど、無敵だった。
それは10年前。
結婚したり、住む場所が変わったり、転職したり。それぞれの状況は刻一刻と変わっている。その間友人に全く会っていないわけではなく、むしろ会っているほうかもしれない。ただ3人で集まるのは、なかなか難しい。彼女の家で、関西に住むもう一人の友人に電話をかけ、3人で1時間ほど喋っていた。10年前にホテルで過ごした夜のように、他愛もない話を真剣に、一方で適当に、聞きながら笑っていた。もうあの時のように無敵ではないけれど、強くなったな、と感じた。
そう、強く逞しく生きてきた。ひとりではどうしようもない悩みや問題を抱えたこともあった。それでも、前を向いて生きていた。自分のやりたいことや任された仕事に真摯に向き合ってきた。失敗しても、何度も立ち上がってきた。私たちは、そういう仲間だ。だから今も繋がっている。
くだらない動画を見ながら、そんなことを思って、少し誇らしかった。
※動画は検索しないでね(笑)