今季最低の遠征。以上。
轟音が耳を劈く。ジェットコースターに乗っているかのような浮遊感が、身体中を駆け巡る。その感覚を好んで週末になると足しげくテーマパークに通う、至極もの好きな人種もこの世には存在するらしいがそれはさておき。
僕は今、空を飛んでいる。1903年12月17日に動力を備えた重航空機であるライトフライヤー号が、世界初の本格的な有人飛行を行ったのは有名な話である。
僕はライト兄弟に続いて何番目に空を飛んでいるのだろうなどと、大学の講義中にマッチングアプリを右スワイプしはじめる男どものほうが幾分ましともいえる、下らない考えに頭をもたげながら、眠りに落ちた。
うっちです。
今回のお話では、うっちが愛する横浜Fマリノスを追いかけて北海道の地へと勝ち点3のみを求め遠征します。20年間の人間生活初となる北の地です。
忙しない一日の始まり
3月11日、札幌遠征が始まります。
午前中に無理やり詰め込んだ社会人サッカーの練習試合を終え、同じ愛知県内でも40km程離れたセントレア中部国際空港へと向かいます。
初めての飛行機での遠征。気分上々のまま、今回の旅のもう一つの目標である、動画の撮影に取り掛かります。Youtuberうっちの処女作です。
ただでさえお金の余裕はありませんが、やりたいことはやらなくちゃという生き方から、先月怒涛の22出勤で稼いだアルバイト代から費用を捻出し購入したGoPro(約6万)、幾度となく勉強した無料の編集ソフトとを携えた遠征です。
3時間前に到着した空港内で、新千歳到着後の予定を考えたり、撮影したり、うっち横浜就職計画の1つとなる資格勉強に励んだり、初めての空の旅に止まらない興奮を隠しながら延々と時間を潰していきます。
記憶にある中では初めての飛行機、正直めっちゃ怖かった。Twitterも見れない。快適な空の旅とは。
そんなこんなで何とか無事に札幌、新千歳空港へ着陸。窓際の席を指定すれば良かったと言うのが唯一の後悔。(帰りは別ルートの為見れない)
新千歳空港に降り立った時刻は20:15。早いですが一日目は終了です。
というのも勿体ないので、ここから怒涛の札幌観光を始めます。
新千歳空港の地下1階、JR新千歳空港駅へと向かいます。
(新千歳札幌間ではICカードも利用可能)
快速エアポートで45分ほど、当然遅れることもなく1150円で札幌へ。
札幌駅に着くと、かわいい後輩コンササポーターと前乗りしていたマリサポ仲間のうんち崎君のお出迎えが待っていました。うっきうきなうっちの姿が今は亡きGoPro君に収められているのですが、今はただ持ち去った人のみが見ることのできる動画となってしまいました。
今日から五日間お世話になる一泊1500円ほどのドミトリー、レステルマルさんへと荷物を置いたら、いよいよ札幌観光の幕開けです。
孤独のグルメで言うならば腹が減ったフェーズです。ワンピースなら今頃ルフィが腹を鳴らしてマリンフォードの一つや二つ壊滅させている頃でしょう。
すぐさまレステルマルの近くでタイムスカーシェアをし、腹ごしらえへと向かいます。向かった先は、北海道へ来たら食べずには帰れない札幌名物、魂心家です。
しっかりと捲りきって無事に店を出た後は、せっかく車を借りたこともあり、手稲山へとドライブへ。大学生ですね。はい。
今季最低の出来事
事件が起きたのはこの後ですね。絶景をGoPro11へ収めようとするも見つからず、最後に使用したであろう、つい先ほどまでいた魂心家 東雁来店へと電話を入れます。
確認すること1分ほど、届いていないうえに、先程座っていたテーブルにはちょうどお客さんが入ってきた所であると。
そこでGoProを店員さんに確保してもらえばよかったとの後悔も先に立たず、片付けに入る際にそのようなものは見つからなかったとのことで。
自分が魂心家でGoPro11を使用してから山へ行く間の短い間では車移動以外を挟んでおらず、僕らの後に入ってきた1組の誰かが持ち去ってしまった以外にはありえない状況となってしまいました。
警察へと遺失届を提出し、駐車場の捜索や店員さんへ再度尋ねるなど、できることは全て行いましたが見つからず。
せめて持ち去ってしまった人の目に届きはしないかとしたツイートにも音沙汰はなく。自分にも非があるとはいえ、これはあまりにも。
貯めていた6万円が消えてしまったこと。
6万円という大金をはたく価値があると感じられたものがなくなってしまったこと。
編集技術や構成について真面目に学び、ついに始められると思っていた動画媒体での儚い若人の遠征記録。
そしてなによりも、自分の初めての感動や体験、記録の詰まったデータもなくなってしまったこと。正直まともではいられませんでしたし、今でも心が苦しくなります。
3/12 コンサドーレ札幌戦(A)
そんなこんなでドミトリーに戻り、眠りについたのは朝の5時。
少し眠って、我らが横浜を勝たせに行きます。6万の損失は痛いですが、マリノスが勝ってくれさえすればよいのです。
少なくとも自分にとっては。
初めての北海道。初めての札幌ドーム。めっちゃいい箱ですねここ。暖房のせいか、まだぎりぎり冬場なのに今季ここまでで一番暑かった試合がここ。
僕らが勝手にお兄様のように慕っている喜田さん(ニックネーム)にサッポロクラシックをご馳走になり、いざ試合へと望みます。
この頃から一森論争があると思うとシーズンって早いですね。最近は落ち着いてきたものの二、三ヶ月続くとは。
この試合で気になったのはビルドアップ時における上島。とてもクレバーな選手ですが、この日はコンサドーレ札幌のハイプレスに苦しめられます。畠中の右を使わない姿勢もあり、前半の右サイドはほぼお通夜でした。
この試合は両サイドバックをベストメンバーではない中で戦わざるを得ないスカッド状況でしたが、そんな時でも、そんな時こそ各々の価値を示して欲しいところでした。残念。
あとはよく負け試合後に噴出するブーイング問題。僕のスタンスは、試合の内容を見て、試合後に目の前で選手を見て、その上でブーイングしたい気持ちを押し殺して、絶対に絶対に絶対に次勝とうぜって気持ちを絞り出しています。
ただそこのラインはどっちの立場からも強要されるべきではないですね。
試合後の寒さと癒しと肉
札幌在住コンササポの後輩と合流し、まだ雪の残る札幌市を半袖で歩みます。足取りが思いのなんの、情けないながらも後輩に慰められながら地下鉄へ。Jサポなんてこんなもん。
祝勝会と反省会は別で行われるべきでしょう。僕は宿のある円山に戻り、彼は実家へと帰ります。本当にすまない申し訳ないごめんなさい。
chu 器小さくてごめん
ほんまごめん。
円山に戻ったは良いものの、宿に着いているのは小さなシャワールームだけ。流石に寒い。
そんな中向かったのは、地元の方が多く集う銭湯です。こゆの、好きなんですよね。
身体は温まり、ジンギスカンが食いたいと思います。思ったんです。心から。
無計画大学生旅。
ジンギスカン 土曜 夜 予約無し
はい。無理ですね。諦めます。
焼肉 近く 安い
ありました。こじんまりとした小さな焼肉屋。
なんとありました羊肉です!
ジンギスカンクリア!
そんなこんなで宿に戻って思うこと。
つくづく自分の人生がマリノスに支配されていることと、自分はとことん馬鹿であること。
マリノスに感情を左右される週末が当たり前のようになりつつある大学1年生の終わりですが、この期間もきっと長くないんだろうなと。
行ける限りの現地をしっかりとかみ締めて、この日も眠りにつきます。
(次に続きます)
2ヶ月前の遠征のnoteにいつまで時間をかけているんだと思われそうで、例の後輩くんにも急かされているのですが、ひとまずはここまでです。
この札幌遠征のnote、僕がnoteを書こうと思いたって下の記事を書くよりもほんの少しだけ前の出来事に溢れていて、後回しになってしまっていたんです。
ただ、どうしても書きたい残したい思い出や悲しいエピソードが多すぎるので、ゆっくりと、誰に向けてでもなく書いていこうと思います。
ここまでで札幌初日と、試合当日をお届けしましたが、ここからは5泊したうちの後半、うっち春のの北海道大旅行をお届けします。
完全に一人旅のnoteとなり、マリノスは登場しないため本当に時間のある方は目を通してみてください…笑
それでは。
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