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やっぱり人ってめんどくさい。でも、やっぱり好き

新年を迎え、あらためてこの数年で大きく変化したことを考えていると、一番に出てくるのが「人」との関わりの幅だった。

友人と遊んだり、新しい人と出会ったりするのが大好きだった。もともとは。

でも、家族関係がねじれはじめ、大切な友人との突然のお別れがやってきて、人の醜さに嫌気がさし、辛い記憶が蘇るたびに疲弊して。いつからか人との関わりを最小限にとどめるようになっていた。

出会わなかったらこんなに辛い気持ちにはならなかったのに。

期待しなければ、信頼なんてしなければ、こんなに人を恨んだりすることはなかったのに。

人との関わりを広げなければ、自分が傷つくこともない。

本気でそう思っていた私が変わったのは、ちょうど2年前くらい。

元気してる?久しぶりに会いたくなって!めっちゃ急やけど、明日とか家に遊びに行ってもいい?

家のことで心身ともに疲弊していたときに受け取った、中高時代の友人からのLINE。彼女と会うのは大学を卒業してぶりだった。

「明日家行っていい?」と言われると、なんだか断るのもな……と人と関わるのを避けてきた自分は「明日あいてるで」と返信した。

久しぶりに仕事関係ではない人に会って、くだらないことでワイワイ言い合って、笑って……彼女が家をあとにしたときには、なんだか心の奥にあった鉛のようなものが少し軽くなっていた。

友人が会いに来てくれる前と後の「心の重さ」の違いを実感した瞬間、自分が本当に崖のギリギリの場所に立っていたことを初めて実感した。

このまま内に篭っていると私はきっと折れる。どこかでポキっと。たぶんそのときには自力ではもう起きあげれないかもしれない

なんとなくそんな直感がはたらいた。

そこからだ。私がまた積極的に人と交流するようになったのは。

小学校、中学校、高校、大学の友人からの誘いにはほとんど行くようになったし、同窓会にも参加した。交流会にも行くし、めっちゃ親しくもないけれど仲良かった友人たちにもたくさん会った。

そして今、過去の自分を振り返って感じるのは、明らかに自分の感情が豊かになったということ。喜怒哀楽をより実感するようになったし、感情が豊かになるとなんだか仕事時間もさらに豊かになって、日々の生活も豊かになって、学びも増えて。

大切な人の幸せな話に心があったかくなって、悩みごとは一緒にウンウン悩んで。

「知っている」人の感情の数も増えたから、より多くの人とコミュニケーションが取れるようになって、新しいことを知る機会が増えて、それがまた自分を大きくしてくれて……と、このサイクルがぐるぐる回るようになった。

2年前の自分と比べたら、ベースは変わらずとも考え方や価値観もかなり大きく変化したと思う。なんというか……もっと柔軟に、グレーや曖昧さを受け止められるようになったというか。

需要できることが増えたことで、結果的に自分も生きやすくなった。

人と関わると傷つくし疲弊もするけれど、嬉しいことも感動することも幸せを感じることも同じくらいある。そして前より今の世界のほうがずっと、明日を迎えるのが楽しみだ。

あのときの辛さや悲しみは消えないけれど、それでも、この幸せと周りへの感謝があふれる今を思うと、傷つかずにいるよりも、やっぱり私は人と共創しながら、ぶつかり合いながら生きていきたいと。

周りにいてくれるみんな、いつもありがとう。そしてこれからもよろしくね。


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