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大好きな彼に大好きと云われる日々
最初に言っておこう。
これは単なるノロケである。
ダーリンはしょっちゅう私を抱きしめながら「大好き」と言ってくれる。
最近はそうでもなくなったが、付き合い始めた頃はそれこそ毎日のように「大好き」を聞くことができた。
これに対し、私は面と向かって彼に好きなんて言ったことがない。
心の中では「大好き」を言いまくっているし、ダーリンへの「大好き」が溢れ返っているのだが、照れ臭すぎて多分これからも言わないと思う。
世の旦那衆に言いたい。
奥さんに惜しみなく「大好き」言ってごらん?
それだけで毎日ご馳走出てくるよw
そんな幸せな毎日を送らせていただいているにもかかわらず、私は不届き者なのか、実は少々悩んでいたりする。
私の彼への「大好き」は、果たして純粋に彼を愛していることに由来しているのか、はたまた彼からの奉仕が好きなのか。
つまり、私の嫌いな家事を一切合切引き受けてくれるから好きだと思ってるに過ぎないのか。
恐らくはそういうのも全部ひっくるめてダーリンという人間が形成されているのだから、不可分要素だと、悩む必要などないだろうと、言われるであろうことは重々承知しているのだが。
でも、と私の中のドス黒い私が囁きかけてくる。
「恋は盲目」とか「あばたもえくぼ」とか、よく言うじゃんね。
100年の恋もいつか冷める日は来るし、もしも年老いて寝たきりにでもなった時に私は彼の下の世話までちゃんとできるのだろうかと。
さらに誤解を恐れずに言うと、もし彼が心の障害ではなく、仮に体の障害を持っていて思うように動けなかったとしたら、そもそも私は彼を好きになっていただろうか。
…書いてて我ながらブラック過ぎて引くんだけどw
実は私たちは遡ること13,4年前に、共通の友人のサイト内にある掲示板で知り合い、つい1年前まで友達止まりだった。
長い間、友達として彼には誰よりも幸せになって欲しいと心から願っていた。
まさか自分が彼を幸せにする立場になろうとは、これっぽっちも考えたことはなかった。
というのも知り合った時すでに私は人妻だったし、ダーリンにも彼女がいた。
いつからか定かではないが、ダーリンは私のことを憎からず思ってくれていたらしい。が、はっきりしたキッカケとなった出来事は約2年前に遡る。
地方に住む彼は、東京で定期的に開催されるイベントに参加するため、宿代を浮かすべく年に2度ほど我が家に泊まりに来るようになった。
2年前の冬もうちに泊まりに来たのだが、インフルエンザに罹患してしまい、高熱でふらふらになりながらうちにたどり着いた。どうやら上京時の新幹線の車内でうつされたようだった。
しかしその日は日曜日で、しかも深夜だった。夜が明けたら病院に連れて行こうとこの時は手持ちの解熱剤を飲ませて眠りに就いた。
数時間後、別室で寝ていた私にLINEが入った。
頭が酷く痛くてとても寝れたものではない、といったような内容だった。痛すぎてどうかなりそうだ、とも。
私は慌てて飛び起きて、あちこち電話をかけまくり、最終的には救急車を呼んだ。
この時、夫も泊まりに来ていた友達(例のサイトの持ち主で、共通の友人)も居たのだが、オロオロするばかりで何の役にも立たなかった。
仕方なしに私が救急車に同乗した。乗ってる間、何故だか彼の手を握っててあげようか、との考えが頭をよぎったが、ちょっとそれは誤解を招くよね、と思いやめておいた。
病院に着いて診察を受け、その場でタミフルを飲まされた彼は、すぐに楽になったらしく「もう電車動いてるかな」と呑気な発言をした。
確かにいつの間にか夜は明けていたが、私は「何言ってんの、タクシーで帰るよ!」と言って、病院で待機していたタクシーに彼を押し込んだのだった。
翌日は会社に「夫がインフルエンザになったので休みます」と嘘をついた。さすがに友達が、なんて本当のことは言えなかった。
その日の午後、熱も引いて動けるようになった彼を東京駅まで見送った。彼が大層感謝していたことは間違いなく見て取れたが、まさかこの時私に惚れたとは思いも寄らなかった。そして約1年が経過し、彼から「ずっと前から俺はしおんが好きだった」と驚愕の告白を受けることになるのである。
ダーリンからの告白を受けて、私はいろんなことがストンと腑に落ちた。
誰よりも幸せになって欲しいのは、好きだったから?
ずっとずっと助けなきゃと思い込んでいたのも、好きだったから?
夫のことを好きになろうと努力し続けて、ついに好きになれなかったけど、好きになるのに本来努力は要らなくて。
「好き」にはなろうと思ってなるもんじゃない。
恋っていつの間にか落ちるモノ、なんだよなぁって。
長々と書いてきて、結論。
この先どうなるかなんて誰にもわからない。
でも今は、ダーリンが大好き♡
それ以上でも以下でもない。
それでいいじゃない。
…ね、だから単なるノロケだって言ったでしょw