しおん

ささやかな言葉、ささやかな暮らし。ささやかなものの中にこそ、幸せの種はきっとある。ハズ…

しおん

ささやかな言葉、ささやかな暮らし。ささやかなものの中にこそ、幸せの種はきっとある。ハズ。※PTSDうつ病患者のカレと躁鬱気味の統合失調症患者のカノジョ(私)の二人暮らしの様子をささやかに綴っています。

最近の記事

2022年を振り返る。後編

(中編より続く) 実は、私とダーリンが同居を始めた頃、彼にはクレジットカードのリボ払い請求で100万を超える借金があった。その大半がスマホゲームの課金によるものだったと記憶している。 私は、まずその借金の全てを肩代わりして返済した。ない知恵を絞ってダーリンの全てのクレジットカードを解約させた。使っていない銀行口座も整理させた。お小遣い制にして、もしゲームの課金がしたいなら、Google Playカードをお小遣いから買いなさいと、何か買い物したいなら私が代わりに買うからお小

    • 2022年を振り返る。中編

      (前編より続く) また、6月の第一土日で、親族顔合わせ会という名の私たち夫婦の披露宴的な集まりをこなさなければならなかった。ちょうどコロナも下火になっていた頃だ。 この集まりをやりたいと言い出したのは姑である。「しおんさんのご両親にも●●(ダーリン)の育った環境を見てもらいたい」とたっての希望で、正月早々から近くの高級温泉旅館を予約してしまっていた。 ダーリンは長男だし初婚だ。姑の気持ちもわからないではない。だがダーリンの両親以外皆都内近郊に住んでいて、ダーリン一族と私の両

      • 2022年を振り返る。前編

        1月。 私は一般就労を諦めて、A型作業所に通所することにした。 場所は電車で30分くらい下った、まだでき立てホヤホヤの作業所だった。 そこで、広告やポスターなどのデザインや制作をするPC作業があると聞いていた。ただ、それは3月とか春以降になるらしい、開始が遅れているのだとも聞いていた。 私はそれがやりたくて入ったのだ。しかし毎日やらされる作業は菓子の箱折りやDVDの分解、シール貼り、輪ゴム通しなどの軽作業ばかり。単調な作業に1日経たずして飽きた。 時を同じくして私は腰を痛めて

        • 「やっぱり何か保険に入った方がいいよ」

          「やっぱり何か保険に入った方がいいよ」。 何かにつけてダーリンが言うようになった。最初はそうねその内ね、と聞き流していた。保険なんてどれに入ってよいやらわからないし、保険のオバちゃんに話を聞いてもさっぱり意味不明だし。しかも掛け捨てでしょ、病気にならなきゃ損じゃない。お金がもったいないわ、なんて軽く考えていたが、そうも言っていられない事件が私の身に降り掛かった。 それは昨年の真夏のことだ。 ある日私は下血した。それも便器が真っ赤になるほどだ。月経と間違えそうになったが、どこ

        2022年を振り返る。後編

          家庭内別居、始めました。

          「寝室を別にしたいんだけど」 つい先日、すごく思い切ってダーリンに提案した。それこそ清水の舞台から飛び降りるほどの勇気が必要だった。 「どうして?」 当然訊くよな。 「イビキがうるさいのと夜中にトイレに何度も起きるでしょ、そのたんびに私も目が覚めてしまって。近頃睡眠不足でつらいの」 嘘ではない。ただもう一つ付け加えるなら、ダーリンは必ず私の手を握って眠りに就く。私は体の一部が触れられているだけで眠りに就くことができない。いつもダーリンが高いびきをかき出したのを確認し

          家庭内別居、始めました。

          まさかのドクターストップ

          ダーリンが就労支援のA型作業所に正式採用されたのは4月1日のことだった。 前記事から程なく体験入所が叶い、また作業所の責任者と、市役所の2回の面接を経て、無事雇用されることが決まった。 2ヶ月間は試用期間で、そこできちんと真面目に通えないと雇用を取り消されたり、あるいはB型落ちになるという。しかも作業所はどこもそうなのか、土曜が出勤の週もある。月に8日と休日が決まっているので、祝日のある月は土曜日を出勤にして調整しているのだそうだ。 ダーリンはこの週6勤務があるのがキツいと

          まさかのドクターストップ

          ついにダーリンの仕事見つかる?

          なかなか重い腰が上がらなかったダーリンをハローワークに連れて行ったのは、1月のことだった。 引越して、入籍したのは昨年11月。 落ち着いたら職探しすると言いながら、1人にしておくと引きこもり生活で近所のスーパーに買い物行くのがせいぜい。やはり馴染みのない土地での単独行動は難しいようだった。 だから半ば引きずるようにハロワに連れ出した。 そこで親切な職員の方が熱心に勧めてくださった就労支援の作業所に並々ならぬ興味を示し、体慣らしのつもりでと申し込みをするに至ったのだ。 まずは

          ついにダーリンの仕事見つかる?

          17回目の引越しと・・・

          改めて数えてみたら、この半生でなんと16回も引越しを経験していた。 いくら引越し好きとはいえ、多すぎではないだろうか。 親が転勤族とかではない。事実、親との引越しは2回だけである。自分が大人になってから14回である。我ながらびっくりする。 そして我ながら呆れるのは、また引越そうとしていること。 何故か。 この4月に異動になり、たった20分だった通勤時間が3倍の1時間になった。乗り換えが電車・バス含めて3回もある。そのぐらい、という人もいるだろうが、メンヘラである私にとっては大

          17回目の引越しと・・・

          鬱からの脱出〜復職を成功させた"幸せホルモン"〜

          ダーリンの就職活動が思ったより上手くいかない。 電車通勤は駄目だの、元やってたSEの仕事は無理だの、肉体労働系は嫌だのと、彼の提示する条件が難しいこともあるが、本人が納得して続けられないと意味がないので、私は静観することにしている。 が、それにしてもダーリンは打たれ弱すぎるような気もする。 自宅から徒歩5分の病院の事務の募集があり、近くていいねと喜び勇んで履歴書を送るも、3日も経たず「誠に遺憾ながら…」と返送されてきた。 また、バスで10分くらいの工場で機械部品の組立の仕事に

          鬱からの脱出〜復職を成功させた"幸せホルモン"〜

          うつ病患者のトリセツ。的な。

          近頃ダーリンの体調が悪い。 冬季うつのせいだろうか、寝てばかりいるし、晩ご飯を作ることができない日が多い。 そればかりか、1人で外出ができなくなっている。 買い物に行くことはもちろんだが、いつも率先して行ってくれるごみ捨てにも行けない。 先日のことだが、今年最後のプラごみの日で、てっきり彼がいつも通り出してくれるものと思い込んでいたため、ごみをそのままにして出勤した。夜帰宅し台所に置いてあったごみ袋を見て、私が出勤時に出しておくんだったと後悔した。 うつが酷い時は、そん

          うつ病患者のトリセツ。的な。

          独りじゃないって、ホントに素敵なこと。〜寄り添うことの大事さ、難しさ〜

          先週通院した際、メンタルの薬がたったの2種類に減った。 主治医が私にとても嬉しそうな笑顔を向けた。 メンタルを病んで16年半。 いや、それより遡ること10年前にも一度、精神科の門を叩き睡眠薬をもらっていた時期があった。けどまぁそれは考えまい。 主治医の笑顔に、何故だか私は違和感を覚えた。 嬉しさよりも、不安感の方が勝った。 「寛解」の2文字が、急に現実味を帯びて私に迫ってきたからだ。 寛解と言えば、普通なら病気が治るのだから、もう薬を飲まなくて良くなるのだから、手放しで

          独りじゃないって、ホントに素敵なこと。〜寄り添うことの大事さ、難しさ〜

          大好きな彼に大好きと云われる日々

          最初に言っておこう。 これは単なるノロケである。 ダーリンはしょっちゅう私を抱きしめながら「大好き」と言ってくれる。 最近はそうでもなくなったが、付き合い始めた頃はそれこそ毎日のように「大好き」を聞くことができた。 これに対し、私は面と向かって彼に好きなんて言ったことがない。 心の中では「大好き」を言いまくっているし、ダーリンへの「大好き」が溢れ返っているのだが、照れ臭すぎて多分これからも言わないと思う。 世の旦那衆に言いたい。 奥さんに惜しみなく「大好き」言ってごらん?

          大好きな彼に大好きと云われる日々

          恋愛と喧嘩に関する一考察〜私の学習と成長日記〜

          私たち2人は喧嘩にならない。 付き合い出してから、ただの一度も喧嘩をしたことがない。 ダーリンは私が何をしても全く怒らない。 だから一度怒らせてみようと思い、嘘を吐いた。 トイレに行っている間、スマホを咄嗟に隠したのだ。 戻ってきた彼は、「スマホ知らない?」とあちこち探しながら言った。 私は「捨てた。窓から投げた」と告げた。 絶対に何てことをするんだと怒り出し、スマホを探しに外へ飛び出していくものと思った。 が、彼は何のリアクションも見せなかった。 「怒らないの?」と訊くと、

          恋愛と喧嘩に関する一考察〜私の学習と成長日記〜

          これから、それから。〜はじめましてのご挨拶に代えて〜

          私は俗に言うメンヘラとかいうヤツである。 私の愛しのダーリンもまた、メンヘラである。 私の病状は比較的安定しており、週4日だが働けている。 ダーリンは一応求職中だが、まだまだ体調が不安定なので、ゆっくりと職探しをしつつ専業主夫をしてくれている。 同居を始めて半年余り、すでに彼なしでは生活が成り立たないほど私は家事全般をダーリンに任せきりにしている。 要するに、私は家事が嫌いなのだ。 特に料理が大嫌いだ。 何故か。 苦労して1時間2時間かけて作って、食べるのはあっという間。

          これから、それから。〜はじめましてのご挨拶に代えて〜