14. ごはんはスゴイよ --3度目の手術/人工関節置換術 --
自分の障害のことについて、普段はあんまり...ほぼ…まったく…意識してないから、こうして書き始めたらココロの隅っこがなんとなく敏感になり始めたのか、急に首が痛くなったり、「側弯...病院に行ってないけどこの先大丈夫かなー?」なんて心配になっちゃったりして。ヤバヤバ状態。
だから私は障害のコト考えないで生きてるんだった...って改めて再確認。
こういう内容を書いてると、見なくてもいい情報や不安要素を無意識に引き寄せちゃうんだよね。そっち側にも引っ張られないように気を付けなくちゃ。
ついに人工関節に
小5のときに両股関節の骨切り術をした左の股関節がまた痛みだした。
股関節と大腿骨の間の軟骨は削れてしまって、もうほぼナイ状態。
歩くとまたゴリゴリ⚡音がする。
25歳の夏。
ついに人工関節にしなくてはいけない時期がやってきたらしい。
この頃はすでに働いていたので、半年~1年間の休職をさせてもらうことに。
今度の病院は、人工関節の名医と呼ばれる先生のいる病院で、
股関節やリウマチ患者さんの病棟、脊髄損傷や脳卒中の患者さんの病棟、
小児病棟、そしてリハビリも完備されている。
この病院に来て思ったのは、
「いろんな病気や、たくさんの車椅子の人がいるんだなー」ってこと。
そんなのあたりまえなんだけど。
それまでは自分以外の障害者の人を見たことがなかったから、世界で自分が一番不幸なんじゃないかとさえ思ってた節がある。
なので、思いっきりカウンターパンチをくらった気分!
カルチャーショックの極み!
とは言え、私のいる病棟は一番お気楽な病棟で、
命の危険もなく、あちこちの関節がイタイおばちゃんばかり。
でも明るい病棟というのはいいね!
寝るとき以外は普段着のままだし、食事も起きられる人は食堂でみんなで食べるし、ちっとも「病人」て感じがしなかった。
人工関節置換術のメリットと制限
さて。人工関節置換術とはなんぞや?
と思う方もいるかもしれないので少し説明を。
主に変形性股関節症や関節リウマチ、骨頭壊死などの疾患により悪くなった関節の表面を取り除いて人工関節に置き換える手術を「人工関節置換術」と言います。
私の場合は股関節なので人工股関節です。
他にも、膝関節、肘関節、肩、そしてなんと指まであるらしいよ。
・参照サイト:日本人工関節学会
このソケットとボールの空間が股関節の役目を果たしてくれるというわけ。
人工関節とは文字通り人工に作られた関節だから、
それに交換しちゃえばウソのように痛みがなくなるという最大のメリットがある。
でもデメリットというわけではないけど、ある程度の制限があって、
・横座りをしない。 脚を組まない。
・股関節はなるべく深く曲げない。(当時は90度までだったけど今は
120~130度まで) 正座はご法度。
・椅子に坐る時や立ち上がるときなど、反動をつけずにゆっくり行う。
・激しいスポーツはしない。
・転ばないように気をつける。
など、気を付けなくてはならない点がある。
私の場合は元々スポーツもしないし、制限というほどのこともないけど
今まで元気に過ごして来た人にとっては、大きな制限と感じるみたい。
それから、人工関節には寿命があって、関節の状態や日常の活動量などによって異なるけど、一般的には15~20年。
私はとっくに耐用年数を過ぎてるけど、途中から車椅子になってほぼ歩くことがないから、たぶんこのまま死ぬまで大丈夫なはず。
手術前日の難関はこれだ
手術の前日に、乙女には最大のハズカシイ難関がやってくる!!
(若者の男性も、それはそれでいろいろと大変らしいけどw)
人工のものを体内に入れるので、なるべく無菌状態にするべくムダ毛をソリソリされるのです。股関節付近のあの場所も(〃ω〃)
新人の看護婦さんが担当してくれたんだけど、むこうもコッチも初めてのことで、ハズカシイやらキズつけられるやらでもう大変!!
そしてお風呂に入ってから患部を滅菌消毒して翌日の手術日に備えます。
ヒリヒリしたわ~。
でもこの後、何週間もお風呂に入れないんだよ (涙)
そして当日。
この病院では自分の好きな曲を持って行くと、手術室に音楽を流してくれると聞いたので、当時ハマってたBOØWYを持っていった。
BOØWYのノリではさすがに先生たちも手術しずらいと思うので、全身麻酔で眠った後はクラシックに替えられるんだろうなーと思いつつ眠りに落ちた。
すごいぜ、ごはん!!
傷や体の回復に一番いいのはやっぱり「ごはん・米」だなって、このとき知った。術後、水分や点滴だけで栄養を摂っているうちは傷の治りも遅かったのに、おかゆになり、徐々に普通のごはんが食べられるようになると、みるみる傷口が回復してくる。
今は糖質制限とかいってごはんを食べないこともあるけど、その時は本当にもりもり食べて回復していった。
手術の経過は良好で、あんなに痛かったのがウソのよう。
医療の進歩ってスゴイ!!
紙切れのような筋肉くん
リハビリも兼ね備えた病院なので、術後のリハビリもこの病院で行える。
3週間ベッドで安静にしている間も(今は翌日からリハビリらしい)、筋肉が弱りきってしまわないようにベッド上でいろいろな器具を使っての筋トレや、車椅子への移乗訓練。起きてからは徐々に体重をかけて歩く練習などを行う。
ついでに腹筋とか背筋とかも鍛えようとガンバッテいたんだけど、PTの先生曰く「元々の筋肉が紙切れみたいに薄いんだから、どれだけ筋トレしても効果は期待できないよ」と。
ガーン!! PTがそれを言う?
と思ったけど、長く入院していると先生とももう友達みたいなもので、どちらもなんでもかんでも言える仲だから許す。って感じだった。
だけど、あ、そうなんだー…って改めて思い知らされた。
私の筋肉は本当に紙一枚のように薄いんだなー…って。
たしかに、掌とか鳥の水かきかってくらい薄いもんね。
手術のはしご。する?
松葉づえでうまく歩けるようになったら通常は退院。
でも、私にはもう一つ治したい箇所があった。
それは右足首の内転してる部分。コレね↓。
ついでにやっちゃいますか。
ということで、もう半年間の入院延長が決定!!
半年いるだけでも病棟の「主」なのに、1年もいたら病院中の主になりそう。わからないことはなんでも聞いてよ!みたいな感じ。
そんな、主状態の私の4度目の手術は、次回につづく。
では、また~。