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15. 足の裏で歩きたい -- 4度目の手術/右足首内反足の手術(術式不明) --

1年前の「私の障害とそれにまつわる車椅子関連のことマガジン」のつづきです。

はじめは人工股関節の手術だけをするつもりで入院したんだけど、11歳から筋力が落ちて徐々に内反してしまった足首のことも、どうにかならないだろうかと、ずーっと悩んでた。

ペタンコ靴でもいいから


いつも足の甲の外側?で歩いているようなものだったので、
タコができて痛かったし、なによりかわいい靴が履けないのが悲しかった。
年頃の女の子だもン。せめて普通の靴くらいは履きたかった。

弟のカノジョが家に来たとき、
玄関に置かれた小さくて真っ赤なかわいいヒールを見ては悲しくなった。
こういう靴を私は一生履けない。
たとえばカレの家に行ったとき。玄関に男友達が来たときみたいなハイカットのスニーカーがあるなんて悲しすぎる。
ペタンコ靴でいいから、少しはかわいらしい靴を履いてみたいよ。
と、いつも思ってた。


手術してくれるDrいませんか?


そこで人工関節の手術が終わったら、
足首もなんとかしてほしいと担当のDr.にお願いしてみた。

でも、足首は小さな骨がたくさんあつまってできているので、
分解したり組み立てたり手術はとても困難
なものになるらしく、
引き受けてくれるDr.がなかなかみつからないとのこと。

神奈川県川崎市 高津整体院さんから画像をお借りしました


一旦はあきらめかけたけど、他の科のDr.にも相談してもらって、
ようやく小児科の名医が手をあげてくださった。

ただし、うまくいくかどうかはやってみないとわからない。
そしてアキレス腱を切断することになることと、
足首の骨を固めてしまうので足が反らない...
つまりロボット歩行のようになるとのこと。

どうせうまく歩けないんだし、足首がまっすぐになってくれたら私はそれで大満足!と思いお願いすることにした。


痛い。イタイ。いたーい。


手術自体は成功した。
でも手術後は足首から下が3倍くらいにふくれあがるほど腫れてた。

そして、かなり痛い。
内側に内反していたものを無理にまっすぐに伸ばしたので、
今まで内側に引っ張ろう引っ張ろうとしていた筋肉が
元に戻ろうとしているかのような感覚。

いつのまにかまた内側にもどってしまうんじゃないかと
何度も足首を確認してしまったほど。


カナシイ補装具


何週間かして包帯が取れて、腫れが引いたら歩行練習のはじまり。
今まで使ってなかった足の裏は赤ちゃんの皮膚のように柔らかい。

足首がまっすぐだなんて、なんだか不思議な気分。
だけど、そのまますぐに歩けるかというと、どんでもない。

手術した右足首は、確かに固まった状態のまま反らないので
歩き方はロボットのようにぎこちない。
手術していない左足首は筋力がさらに落ちて、
自力では足首を起こせないほどになってしまった。
さすが紙切れ同然の私の筋肉くん。

歩くためには補装具が必要ということになり、
右は足をスムーズに前に出せるように5cmの補高をした装具。
左は足首を起こすために、膝下から足首を固定するための装具をつくってもらった。

ものすごく不格好だし、補装具を付けることで靴も普通のサイズが入らなくなってしまうから2サイズ大き目の靴を履かなくちゃならない。
せっかくかわいい靴が履けると思ったのに。。。
でも少し大きめでも靴がまっすぐに履けるというだけでちょっとシアワセになれた。


退院後に、「やっぱりフツーサイズの靴が履きたーーーい!!」
と、左側の装具を勝手に自分で削ったり
右側はもっとコンパクトなサイズで作ってくれる装具屋さんを探したりして
1サイズくらいは靴のサイズを下げることに成功したのでした。

もう。執念!!
途中、真剣に「私が装具屋になればいいんじゃないか」とさえ思った。
装具屋さんのほとんどはユーザー目線に立ってない。
機能重視オンリー。これを履いてどんなふうに生活したいかとか
これを履いて外に出て行きたいって思えるかどうかなんて全然眼中にない。
これからは女性目線での補装具が必要だ!なんて真剣に思っちゃったんだけど、結局今からじゃなにもできないよなー...って思っただけで終わっちゃった。

でも、近頃はカッコイイ義足もできて来たしね。
ファッションセンスのある若者が、補装具業界を変えてくれることを望む!!
(すみません。結局は他人任せで💦)