#1 赤白黒の3色で勝負!昔の乙女のメイク術
皆様、こんにちは。
ごきげんいかがですか。
マリナデシコです。
大和なでしこの皆様、毎日メイクお疲れ様です!
大和男子の皆様には、想像するのは難しいかもしれませんが、世の乙女は殿方に会う前に、あれこれと準備が大変なのです。それはもう面倒なのです。
お顔にあれこれ塗って保湿して、ファンデーションで色艶を良くして、ポイントメイクをして、ヘアセットもして……などなど、やるべきことがたくさんあるのです。
私はシミとソバカスが多いので、これらをコンシーラーで隠す作業に苦労してます。
(毎朝面倒だから、誰か私の顔を塗りたくってほしい……)
「色の白いは七難隠す」ということわざがあるように、白い肌は多少の欠点が気にならなくなるほど素晴らしいとされていますよね。
昔の乙女も今の乙女も、メイクで目指すのはシミ一つない白くてすべすべの肌。
せっせとスキンケアをして、メイクで肌を白くします。
乙女にはつややかな髪も大事です。
丁寧に髪を洗ってブラシでとかして、ヘアオイルで艶を出します。
血色の良い唇も大事です。
口紅で赤い色をのせて魅力的にします。
ここまでは、昔の乙女も今の乙女も同じ。
まったく異なるのは【歯】です。
今の乙女は【白】が理想で、歯磨きやホワイトニングで清潔にしますが、昔の乙女は【黒】が理想です。
そうです。『お歯黒』と呼ばれるアレです。
「日本人女性は色白で、つややかな黒髪で、優しい微笑みで美しいのに、口を開いて歯を見せたら真っ黒だから残念だ」
と、江戸時代に日本に来た西洋人が記録にのこしています。
華奢で可愛い日本美女が、にこーっと歯を見せて笑ったら漆のように真っ黒だったので、ギョッとしてしまったようです。
白い歯が素敵と思っている現代の私たちが、お歯黒が普通だった時代の女性を見たら、この外国人と同じように感じると思います。
白い肌とツヤツヤの髪と赤いリップをするところまでは同じなのに、なんで歯を黒く塗っちゃうんでしょう?
今回は、赤白黒の3色で勝負していた、昔の乙女のメイク話です。
日本の伝統的メイクは赤白黒の3色のみ
現代のメイクは、ファンデーションのベージュから、チークのピンク、眉のブラックやブラウン、アイシャドウやリップに至っては、たくさんの色がありますよね。
自分に似合う色を豊富な選択肢から選べるのは楽しいです。
現代の私たちは様々な色を使ってメイクしますが、昔の乙女のメイクは、たった3色のみ!
赤、白、黒の3色だけでした。
少ないー!!
昔の乙女だって現代の乙女と同じようにオシャレは大好きだったはず。
それなのに、3色しかないのはちょっとかわいそうですね。
でも、逆にいえば、大和なでしこは赤と白と黒だけでも美しくなれたってことです。
あれもこれもとたくさんの色を顔に乗せるより、もしかしたら3色だけの方が素敵に見えちゃったりするのかも?
「赤」のメイク
昔の乙女の3色メイク その1「赤」
口紅
頬紅
爪紅
とっても贅沢「紅花」
日本での口紅の歴史は意外と古いです。
6世紀にはもう中国から輸入していて、7世紀になる前には日本でも原料の栽培がスタートしました。
口紅の原材料は、紅花という植物です。
「この黄色の花が赤くなるのか~」と思いきや、紅花の色素は黄色は99%以上で赤色は1%未満!
コスパわっる!!!
紅花約1000輪からとれる紅はお猪口一つ分なのだとか。少なすぎます!!
「紅1匁金1匁」という言葉もあったように、紅はとっても高価な贅沢なものでした。
赤色がとれるのは1%未満なんだから、そりゃあお高くなりますよ、奥さん!
そんな高級品な紅を昔の乙女は、顔のどの部分のつけていたのかというと……
唇(リップ)
頬(チーク)
爪(ネイル)
目尻と目頭(アイシャドウ)
でした。
今とほとんど変わりませんね!
昔の乙女も今の乙女も、顔のどこに色をたせばキレイに見えるのかは共通です。
唇の「赤」(リップ)
お椀に塗られている紅を筆にとって、唇にのせていますね。
昔はスティックタイプの口紅はなく、お猪口やお椀に塗って販売されていました。
お椀の内側全体が緑色で、一部が赤色になっているのは、浮世絵の色指定が間違っているのではありません。
このツヤツヤした緑色は紅で、水にぬらすと赤くなるのです。
不思議ですねー。
なんで、お椀やフタつきの入れ物に紅を入れているのかというと、紅は光に弱いので、使わないときは光を遮断して、ホコリからも守る必要があります。
お椀であれば、使わないときに伏せておけば完全密封になるので便利なのです! 頭いいですね!
口紅は真っ赤であることが好まれましたが、このお椀の内側の緑色(たまむし色)が、江戸時代の乙女の間で一時期大ブームになりました。
「なんで緑? 赤の方がよくない?」と思ってしまいますが、この輝く緑色(たまむし色)にするためには、唇の上に紅を何度も重ね塗りすることで初めて出る色なんです。
ということは、輝く緑色(たまむし色)は、紅をたっぷり塗っていることの証!
「私、たまむし色に出来るくらい紅を使えるセレブなオシャレ上級者なの。そこらへんの女性と一緒にしないでちょうだい」というメッセージが込められているわけですね。
……いや、それでも、緑色の唇はどうなの?
ちょっとこわいって思う私は、オシャレ初心者なのかも。
庶民にも緑色唇は流行していましたが、とても高価な紅を一回に何度も重ね塗りはもったいなくて出来ない!
そこで考えた裏技が、紅を塗る前に黒い墨を塗ってから、その上に紅を塗って緑色(たまむし色)に似た色を作っていたのだそうです。
オシャレのために唇に墨を塗るなんてすごいですね。
使い終わったお椀やお猪口をお店に持っていってお金を払うと、紅を塗りなおしてもらえました。
紅のお店では美しく着飾ったお姉さんが店先に座っていて塗ってくれました。
もちろん、お姉さんは宣伝のために着飾ってます。
現代のビューティーアドバイザーことBAさんも、キレイな人が多くて、そのブランドのイメージ向上に一役買ってますよね。
江戸時代からBAさんはいたんですねー。
目尻と目頭の「赤」(アイシャドウ)
現代のアイシャドウと似たものが江戸時代にもありました。
今はまぶた全体に色をのせるのが一般的ですが、昔の乙女は目尻と目頭。「目弾き」という化粧方法です。
もともとは歌舞伎役者のメイクだったのを、江戸の乙女が真似しました。
私も着物のときのアイシャドウは、赤を選ぶことが多いです。
まぶた全体ではなく、まぶたのキワから二重幅ぐらいまでの狭さで赤いシャドウを横一線引くと、なんだか色気アップしたような気がします!
気持ちちょっと目尻を浮世絵のお姉さんみたいに引くと妖艶な気がします。
次回、「白」のメイク!
続きます。
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