ガーナ渡航 | 体調管理で学んだこと
お腹は壊さないという幻想
僭越ながら、筆者はプライベートと仕事でこれまで20ヶ国ほどへ渡航したことがある。渡航国を見ていただければ分かるが、渡航国のうち半数以上は衛生面や治安の面で注意が必要とされる発展途上国だ。
同じく、仕事で途上国(それも首都ではなく地方)をよく訪れている友人は毎回といっていいほどお腹を壊しているし、ネット上でも同地域を訪れる邦人向けに、衛生面で多くの注意喚起記事を見つけることができる。
なにを隠そう、私は日本でもいつもカバンに正露丸を忍ばせているほど、デリケートなお腹の持ち主である。
また、本当に腹痛が嫌なので、どんなに美味しそうでも普段から牡蠣、ユッケ、鳥刺しなどは食べないと心に決めている←
そんな日本での腹痛事情とは対照的に、実は中国在住時のストレス性逆流性食道炎以外は、幸いにもこれまでの渡航中に派手にお腹を壊したことがなかった。
もちろん最低限の衛生面は気を付けているが、別に日本食を持ち込んでいるわけでもなければ、法外な金額の外国人向けレストランで食べているわけでもない。
評判のいいところであれば、現地のキタナシュランも堪能している。その証拠に(?)、ガーナの路上で1個100円で売られていたミートパイが、私の人生史上最もおいしいミートパイだったりする。
いざ行かん、ガーナ
そして先月、人生3度目のガーナへ行くことになった。
前回までの渡航で、ガーナ入国に推奨されているワクチンはほぼ全て打ち終わっていたし、入国査証も時間に余裕を持って取得していたため、あとは飛行機に乗るだけと安心しきっていた。
そして何よりも、私ガーナではお腹壊さないもんねルンルン、という自負が余裕に拍車をかけた。
はい、、、人生幾度期も油断はいけませんな。
ガーナ到着わずか2日で試合終了のゴング。
お察しのとおり、ガーナ初のお腹ピー a.k.a 洗礼を受けた。
お腹の痛み・苦しさよりも、自分の自信をへし折られたような屈辱感が辛かった泣。なにせ途上国でお腹を壊したことがないというのは、ちょっとした自慢だったのだから。(もう少しマシな自慢を早く見つけねば。。。)
そして、食欲もなく、何度トイレに行ってもスッキリしないお腹を抱え、ぼんやりとタイルの剥げかかった天井の一点を見つめながら頭の中で考えた。
はて。
なぜ私は腹痛と戦っているんだろう、と。
一歩日本を出てしまえば、あれだけ無敵だった私のお腹はどこにいったんだ、と。
私的考察
色々考えられる原因はあろうが、今回に限っていつもと違う点に焦点を当てて考えてみた。最低限気を付けるべき点は割愛しているので、「あぁ、こんな観点もあるのね。」くらいで見ていただけると嬉しい。
【容疑1】不特定多数の人が作った料理だった
前回までのガーナ渡航では、ありがたいことに、毎度、夫家族の誰かが作った料理を食べていた。私の気付かないところで、食材の衛生管理や水道水を煮込み料理に使わないなど、色々と気を遣ってくれていたのだろうと思う。
一方、今回は家族の冠婚葬祭にあたり、親戚、友人、ご近所さん総出で一家に集まり、寝食を共にした。こんな時は、一家に10~20人ほどの人が寝泊まりするので、持ち回りで給食ばりに大量に料理を作ってみんなでシェアをする。
ガーナの生活で驚いたことは、冠婚葬祭など家族の行事となれば、家族や友人だけでなく、なんと元職場の同僚、ほとんど血縁関係がない親族、(教師であれば)昔の教え子など、非常に広い範囲から住み込みで手伝いに来てくれる。すばらしいコミュニティ力。ゆえに朝起きたら、見ず知らずの人が隣の部屋で寝ている、なんてざらだったりする。
というわけで、今回は衛生観念も辛さの好みも千差万別であろう不特定多数で調理をしたために、調理に汚染された水道水を使ったか、大人数用の作り置きで細菌が繁殖したか、あたりを睨んでいる笑
【容疑2】辛すぎる食べ物を食べた
正直、最も可能性が高いのは、これだと思う。
初めて中国に行った時、現地の方から「屋台の赤くて辛いスープは食べないで。新鮮じゃない食材を辛さで誤魔化してるかもしれないから。」と言われたのを今でも心に留めている。
ガーナでもそんなことがあるのかは分からないが、そもそも食べ慣れていない種類・量の香辛料に胃腸がやられる可能性は非常に高い。
ガーナ料理は、唐辛子や生姜を使ったピリ辛料理がとてもおいしいのだが、今回は我が家のシェフの中に激激激辛好きがいたようだ。
次回のおみやげは、ペヤング獄激辛で決まり。
飲み込むたびに舌・喉・胃がピリピリするので、私は激辛スープ対主食(米、芋、キャサバ等)を1対9の割合で食べていたのだが、そんな努力も虚しく、私の中の消化器という消化器が悲鳴をあげていたんだと思う。
冠婚葬祭ということもあり、みんなと同じ料理を食べるのがマナーだよね、という、私の中のいいこちゃんが発動して招いた結果だった。(とはいえ、もう一度同じ状況になっても、激辛スープ対主食を1対99にするくらいしか解決法は思いつかないのだが泣)
【容疑3】事前にビオフェルミンを飲まなかった
これまで「黄色信号」の国へ行く際は、渡航2週間前からビオフェルミンを服用して、腸内環境を整えておくというのを実践していた。
細菌という敵に丸腰で挑むのならば、せめて兵士を最善のコンディションおかないと太刀打ちできない。そんなビオフェルミンも、今回は油断から服用せず。
というわけで、戦略不実行からの分が悪かった。
こう見ると、今回の腹痛は、これまでの予防策を怠った、または自分の免疫を過信したために発生した事態だったことが良ーくわかる。傷口に塩を塗る思いで辛いが、いかんせん今後は気を付けたいなぁと思う次第。
逆に言えば、過信せず適切な予防策をしっかりとっていれば、基本的には健康に現地の生活を堪能できることは忘れないでおきたい。
ガーナ版おばあちゃんの知恵!?
私が、お腹痛い~痛い~と言っていたところ、家族が真顔で「クラッカーとコーラ飲んだらすぐ治る。ほら。」と真顔で渡してきた。
私にとって、とあるトラウマがあるコーラ。
2歳の時ディズニーランドで飲んで以来、まったく飲んでいない。
腹痛時にコーラ・・・?
こんな荒療治ってあるんですか・・・?
とりあえずコーラは断ったが、一周回って異文化を理解するって難しいなと思った瞬間だった。
つづく。