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わたしの人生に、猫を迎え入れるということ

社会人2年目、おおきな決断だった。
わたしの人生に、はじめて猫を迎え入れた。
名前はジェムという。女の子だ。

ジェムは全身灰色の毛に包まれていて、さわるとちょっとしっとりとしている。ツヤツヤで、ふわふわで、まだ何にも知らないという感じの、無垢という感じの、子猫の毛だ。

きっと多くの子猫がそうだと思うけど、ごはんを食べることと、遊ぶことが大好きで、もりもり食べては暴れまわって、暴れまわってはもりもり食べて、そして急にスイッチが切れたように寝る。

猫を飼ったらこんな名前にしようとか、あんな名前にしようとか、前からいろいろと妄想してた。
けど実際は、いままで候補にもあがらなかった「ジェム」になった。ジェム、という感じだったのだ。

最初は口になじまなくて、呼ぶたびにすこし恥ずかしかった。
一緒に暮らすうちに、1日に何度も、何十回も呼ぶうちに今では何よりもスッと自然に出てくる3文字になった。

ときどき、家に帰る数十メートル手前、なんだかたまらなくなって小走りになる。

ジェム、ジェム、ジェム!!!

心の中で名前を叫びながら、飼い主が部屋の扉をあけてることをジェムは知っているだろうか。

人生に猫を迎え入れることは、愛しい。

布団の上で足をバタバタさせながら言葉にできない幸せを噛みしめる日常がこれからも続いていくことだ。

信じられないところに粗相をされたり、
大好きなおもちゃを大好きすぎて食べかけたり、
6畳の部屋をピンボールのように駆け回ったり、

ハラハラさせられることも多いけど、それもぜんぶぜんぶひっくるめて、愛しい。

この、かわいいこがわたしのそばで猫生を謳歌できますように。

長生きしてね。

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