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日の長い日曜日には|2021年9月20日の日記

ねむい。買いものから帰ってきてSFを読んでいたら寝てしまった。起きてからも頭の芯にもやがかかった感じがする。きょうは目がさめたのが15時すぎで、ようやく動きだしたのは17時ごろになってからだったが、ずっとぼんやりしていた。やっぱり夜ふかしはよくない。

とてもいい天気だった。窓を開け放ってすごす。日が暮れるころに外に出た。よく行くスーパーは坂をくだった先にあるので空がひろく見える。いつも写真をとってみるけどうまく映らない。夕暮れの配色を再現するには足らない。

月がきれいだったらしい。部屋の窓からは月が見えず、外に出たときには気づかなかった。そのかわりに木星を見た。明るい星。となりのとなりの星。




歌集を何冊か積んでいるので、そのなかから谷川由里子『SOUR MASH』を手にとって読んだ。

大きな書店の詩歌のコーナーでもひときわ目立つ、あざやかなミント色。現代短歌の歌集は数あれど、こうぱきっとした装幀のものはめずらしいので目にとまった。カバーをとるときれいなラベンダー色だ。

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4分の1くらい読んだ。気にいったものをいくつかあげる。

住人がみんな布団を干しているアパートの角を右に曲がって
月がひかってる月がひかっているチャンスを棒に振るように生きて
台風を過ぎたばかりの満員の電車に落ちてるけろけろけろっぴ
バルセロナバルセロナに行くその日までバルセロナに行くまでのこの日々
この世が春じゃなくても秋じゃなくてもお花見をしてお月見をする


いいなあ。最後にあげたのがとくに好き。ピクニックがしたい。

最初のも好きだな。天気のいい日に住宅街を歩いたり電車で窓の外を眺めたりしていて、ぎゅっとあつまった部屋たちのどのベランダにも洗濯物が干されているのをみると、そのひとつひとつに暮らしがあるのだと思って漠然とした心地よさを感じる。


現代短歌にはくわしくなく、俵万智、穂村弘、木下龍也、岡野大嗣の歌集をそれぞれ数冊ずつ読んだことがあるくらいだが、きょう谷川由里子というまたあたらしい歌人のものを手にとってみて、前述のだれにも似ていなくて感嘆した。短歌はこんなにかぎられた、たった31文字のなかでやりくりするものなのに、どこまでも広がりがあるようでいつも新鮮なおどろきを覚える。いい音楽をするひとは耳がいいといわれるのと同じように、詩歌に秀でたひとは目がいい。いや、耳もいいのかも。感覚が外にひらかれていて、世界があたえるものをとりこぼさない。

「皮膚感覚」というか、自分の輪郭を知っているからこそそのについて語りえるのだと感じる。内省的な作品よりも書き手の目にうつる光景が想像できるものが好きなのでそう思うのかもしれない。風が気持ちいい、みたいな素朴な感情を押しひろげたところに、自分のからだがすっとおさまるところがある。思うに、だから旅人は詩人なのだ。旅することは自分の輪郭を際立たせる。日常をくりかえす生活では、自分はまわりの景色に溶け、その境はあいまいになる。



今週の “変える” ラジオ、とくによかった!

タイトルいかつい。有料コンテンツなのであまり詳細は書けないのだけど、多様性についての話がおもしろかった。「そうやって多様性を押しつけることって多様性の阻害にならないですか?」←それな


「私はあなたの意見には反対だ、~」はだれのことばだったかと調べたら、ヴォルテールが言っていないこと、らしい。

ヴォルテールのWikipediaには以下のようにある(抜粋)。

有名な「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」という言葉は、民主主義・自由主義のとりわけ表現の自由、言論の自由の原則を端的に示した名文句として人々に記憶されているが、実はヴォルテールの著作や書簡にはみえず、S・G・タレンタイアの著作『ヴォルテールの友人』中の「'I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it,' was his attitude now.」部分翻訳である。これは当時物議を醸した書物『精神論』とその著者クロード=アドリアン・エルヴェシウスに対するヴォルテールの態度のタレンタイアによる要約であり、ヴォルテール自身の言葉とはされていない。 

へ~。知らなかった。「名言bot」みたいなものに収録されがちなこういうことばは、すでに人口に膾炙しているのでもはや修正されえないのかもしれないし、そもそもヴォルテールが言ったという認識(誤解)すらなく、ことばそのものの強さだけでひろがっているので、訂正の余地がないのかもしれない。

「多様性」について、岸政彦『断片的なものの社会学』で読んだことをぼんやりと思い出し、ぼんやりと考えながら聞いていた。あまりまとまっていないし、ちょっと時間もないのでまた今度書くことにする。この本の話ぜんぜんできないな。


後半でまた勉強の話になった。オモコロでいちばん「勉強」の話をしているラジオだ。リックェさんは歴史が好きなイメージがあったから、人物史に興味がないというのは意外に感じた。でもたしかに技術史や工業史・科学史(言いかた合ってるのか知らん)のほうがおもしろいというのはわかる! わたしも勉強したいなあ。ひさしぶりにJMOOCでなにか受講しようかな。

いま見てみたらめちゃくちゃおもしろそうなのあるじゃん。やるか……

進化発生学入門ー恐竜が鳥に進化した仕組みー



みくのしんの新着記事~~~! 黒いカレーだ!

今回もよかった~。くすりと笑えるところも多かったけど、かなり読みやすかったな。冒頭の☆人生Tips☆で本質を突かれた。

好きなところ。↓↓↓

ちなみに、にんにくと生姜のみじん切りがめちゃくちゃめんどくさい日(確実にこれは存在します(曜日で言うと金土日くらい存在します))だったので、今回はこちらの「S&B ねぎ・しょうが・にんにくミックス」を使いました。これ、めちゃくちゃ便利です。

ここ、いいな~と思ったのは、「お料理記事を書くという仕事」だとしても、手を抜けるところは抜いていいんだよな~と。手間のかかる料理と思うと肩ひじはってしまうけど、自分のできる範囲でやってみればいいんだよな。

作る・不安」のフェーズもかなりよかった。みくのしんくらい日常的に料理をしているひとでも、不安……と思いながらやっているんだと思うと勇気が出る気がする。

辛いカレー(みくのしん(のお母さまの)カレー)は生のイカとエビが必要で、そこがかなり大きなハードルになってしまっていたので、材料はいろいろ必要だけどこの黒いカレーのほうが着手しやすいかも。レシピのカレー粉のところはせっかくだからスパイス(ターメリック、カイエンペッパーとか)に替えてもいいし。つくってみようかな!



はやく寝るつもりだったのに長く書きすぎた。あしたはまじめに仕事をする。今週は稼働日すくないから気が楽だ!


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タイトル:谷川由里子『SOUR MASH』より

日の長い日曜日にはスカートをひるがえしてマーチングバンド


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