「意味づけはせず、解釈はせず」|2021年9月30日の日記
つかれた〜
仕事を終えてから合唱の練習に行ったら、帰りに人身事故にあって電車がぜんぜん動かなくなってしまった。2時間ちかく余計にかかったなあ。ねむかった。
・
池澤夏樹『氷山の南』を読みはじめた。
表紙のイラストは影山徹さん。めっちゃいいな~。単行本のもすてき。
サイトの「Works」ページには見おぼえのある表紙がいくつかあった。筒井康隆『旅のラゴス』、上橋菜穂子『鹿の王』など。いい仕事だ。
たぶん4年くらい前から積んでいた『氷山の南』はアイヌの少年が主人公で、『ゴールデンカムイ』の記憶がしっかりあるいま読みたいと思って手にとった。その要素だけでもじゅうぶんつながってるな~!とうれしくなってしまうのだけど、上のページに載っていた解説の抜粋を読んでまたオッと思った。
三月十一日の大震災と原発事故以降、私たちはともすれば絶望に駆られ、バランスを失いがちになった。しかし、『氷山の南』が教えてくれるのは、何か大事なものを守ろうとする私たちの戦いにおいて、勝負はすぐに完勝や完敗で終わるわけではなく、「五分五分」のまま続けていかなければならないということではないだろうか。 ――沼野充義(解説より)
これってつまり、原宿さんが話していた「ネガティブ・ケイパビリティ」のことじゃない? つながってるな~~~!! 人生に意味を見いだすのは自分自身なんだぜ。
池澤夏樹はわたしの「いちばん好きな作家」だけど、長篇小説はこのところずっと読んでいなかった。軽いものはたまに読んでいたが、直近で読んだ長篇は『マシアス・ギリの失脚』で、もう4年も前のことだ。
さいきん読んだ池澤夏樹の履歴
- 詩集『メランコリア』再読 2021年7月
- エッセー/紀行『明るい旅情』 2020年6月
- エッセー/紀行『神々の食』 2019年7月
- 中篇小説『スティル・ライフ』再読 2019年5月
- エッセー『セーヌの川辺』 2019年4月
- エッセー/新訳/翻訳『憲法なんて知らないよ』 2018年5月
- 中篇小説『スティル・ライフ』再読 2018年4月
- 詩集『メランコリア』 2018年4月
- 短篇集『カイマナヒラの家』 2018年3月
- 短篇集『骨は珊瑚、眼は真珠』 2018年1月
- エッセー『詩のなぐさめ』 2017年11月
- 長篇小説『マシアス・ギリの失脚』 2017年10月
(わたしは記録するのが好きだしそれを見るのも好き(でも数字がたくさんの文章には魅力がないと感じる(でも書く)))
もしやと思い確認したら、『マシアス・ギリの失脚』の表紙イラストも影山さんだった(単行本はこれ)。新潮文庫はカバーがぺらぺらだから中公文庫とか文春文庫のほうが印刷がきれいなんだよな~
ちょうどさいきん『すばらしい新世界』『光の指で触れよ』の2作の話になって、これもほんとうに人生を変えるほどの本だと感じたことを思い出した。記録をみると2016年9月、2017年7月に読んだらしい。もういちど読んだらどう思うだろう。あと数年して30代の世界になじんだら再読しようかな。
エッセーや短篇と、長篇小説とはやはりちがうものだ。ここ数年で自分の考えはいろいろな面で大きく変わったように感じるので、ひさしぶりに「いちばん好きな作家」の作品を読んでみていまの自分に響かなかったらどうしよう、という不安がすこしだけある。刊行じたいも2012年だから、これまで読んできた著作のなかでもかなり新しいほうだ。作家の思想もまた変わりうる。でもまあ、たのしみだな! ただただフラットに読もう。
・
4時半就寝。始業前に起きて打刻はしたものの、尋常でない眠気があって起きられず、けっきょく13時まで二度寝した。だめだ~
午後は仕事。休憩がてらきょうの特集。岡田さん!
おもしろかった~! 引用っていいよね。わたしはいつでも「権威」にたよりたい気持ちでいっぱいなので引用がだいすき。
池澤夏樹『詩のなぐさめ』に引用について書いた箇所があって、以前それについて書いた。自分の日記だけどこれけっこう好きだな。テンションはめちゃくちゃ低いが。
きょう更新された旅のラジオ。巨像!
『世界のすごい巨像』、まえに岡田さんが紹介されているのを聞いてから気になっている。買うか……。「地球の歩き方」が好きなので応援の意を表したいし。
寝る前に聞いた匿名ラジオをまた聞く。
今回よかったねえ。好きな天気と時間の話、どちらも感覚的だったけどことばの端々に詩情があった。性格出るもんだなあ。
動物は笑った。ROMPA!!のハチ、本気だったのか?
すこし残業して仕事を終え、練習に参加。やるべきことがたくさんある~~~。息がみじかすぎてお話にならない。がんばりたい気がした。
かまみくのelu限定音源(ツキイチ)が出た! 見た! 買った!
4時間近くある。うれし~。すこしずつ聞こう。
・
書いているうちにつかれてきて「!」だらけになった、というかもう4時やないか。寝よう。あしたはちゃんと仕事をしよう。
・ ・ ・
タイトル:池澤夏樹『氷山の南』文春文庫、p.32より
「もしも船に残れたら、ぼくはすべてを見ます。意味づけはせず、解釈はせず、ただただ記憶します。ことがうまく行っても行かなくても、ずっと後になって、何十年もたってから、ものすごく大きな物差しを使ってこのプロジェクトを評価する時が来るでしょう。その時にぼくの記録が役に立つ」
ほんとうはそんなふうにものがみたい。ほど遠いよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?