フリーダム
かくして私は自由を手に入れた。これがくせになってたまらない。働くのがバカらしくなる位楽しくて、あぁ、いつ辞めてもいいもんなんだという考えが何度職に就いても過る。
毎回最初はずっと続けようと本気で思う。だけど調子が悪くなると、
「あぁ、世の中の人は嫌々ながらでも出社するんだ。何故出来るんだ。」
本気で分からない。原因は考えた。体力のなさ。やりたい仕事じゃなく生活の為と割り切っていたけど割り切れてなかった。人間関係?仙人生活が性に合いすぎている。多分最後のが一番当たってる。
一度目の転職と同時に私は一人暮らしを始めた。のりと暮らしたかったからだ。一人暮らしを始める年齢にしては遅すぎる位だ。
両親は反対すると思ったけど案外あっさり許してくれた。
「ちょっと体験してみたいんだろう。」
そうゆう事に収まったらしい。火の元に気をつけろだけかなり言われたけど、それ以外は少し家具家電代の足しにとお金をくれ、何も口出ししなかった。
母は、最初私の部屋を見た時ものすごく納得したと言う。今時珍しいかなり古いタイプのアパートで、広く風通しが良く、気取っていない。それが気に入ったというか私にすごく似合っていたらしい。
「ここなら安心だね。」
オートロックも何も着いていないアパートの二階の何が安心だと言うのか分からないが、なんだかすごく納得したらしいので私も安心した。