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お化粧品ロスをしないために

顔につけるもの、お化粧品。
食べ物じゃないから腐らないだろうし、余程変な保管をしなければカビないだろうし、なぜかずっと使えると思い込んでいた過去の私。基礎化粧品もメイクアップ用品も、全て開封してしまうと劣化が進むと知ったのは大人になってからだった。

仕事現場でセルフメイクが必要なこともあるので、ある程度の道具は仕事用として揃えてはいるのだけれど、それでも一時期から量を増やしすぎないように考えるようになった。いくらプロとしてのお化粧道具だって、絶対に使い切れもしないような量を持っていて良いわけがない。

もちろん、新作コスメが発表されるたびに、新しいアイシャドウやリップを買い足すのが生きる喜びであるという人もいるだろう。考え方は人それぞれなので、シーズンごとに大量のお化粧品を買い続ける人に文句を言いたいわけではない。ただ私は、私自身がどうしたいかを、考えてみたくなったのだ。

まず、化粧品を持ちすぎると、収納がごちゃつく。あっという間に化粧品がメイクボックスから溢れかえり、収拾がつかなくなる。顔は1個。アイシャドウを塗るまぶたの面積はせいぜい親指のハラくらいなもので、毎日しっかり濃く同じアイシャドウを使い続けても、なかなか減らない。アイブロウを使う面積は太めな眉を描きたい人でも人差し指1本くらいではないだろうか。しかも自分の眉毛が生えている間を埋めるように使うアイブロウ。なかなか減らない。当然である。以下同様で口紅、マスカラ、チークと、どれも使いたいのだけれど、一度に使う量が本当に少量で済んでしまうものばかりだ。最も消費量が多いものは日焼け止めや化粧下地など顔面全体に伸ばすもの、ファンデーションなどこちらも全体的に伸ばすものだが、使い方によってはこちらもあっという間に使い尽くすようなものでもない。

私も昔々大学生の頃は、メイクを始めたばかりで楽しかったこともあり、そのうち仕事上で勉強のために必要になったということもあり、いろいろなメイクに挑戦し学んだ時期があった。化粧品専門店のカウンターでカウンセリングをしてもらいながらアイシャドウやリップなど新しい色を選ぶのはとても楽しかった。新色だ限定だなんだかんだと買い足しながら、ドレスアップ用のメイクからナチュラルメイクまで、あれこれ楽しんでいたのだが、当然のことながらメイク用品の収納スペースは常にカオスだった。

しかしある時、これではいかんと一念発起。2年以上前に買って残っているものを思い切って断捨離をした。本来化粧品は1年で使い切るべきものらしいのだが、1年前で区切って捨てるのに勇気を出せず、往生際悪くじわっと期限を伸ばして2年以上前に買ったものをさよならする、という謎の妥協ルールを設定した。

数回しか使いこなせなかったカラフルなメイクアップ用品を整理したあの時の、なんともやるせない気持ち。これを忘れないようにと、今でも買いすぎないように気をつけている。

特にプライベートで使うメイクアップ用品は絞りに絞り込んだ。
アイブロウは1本。これを最後まで徹底的に使い切る。


完全なるプラスチックフリーではないけれど、
なるべく鉛筆タイプを選びたいと思っているアイブロー。実はあまり種類がない。
ここまで短く使い込むまでに結構な時間を要している。
コスパは激しく良い。

やっとここまで来たけれど、このアイブロウ、ここから何ヶ月使えてしまうのだろう。これを気持ちよく使い切ってから、次のアイブロウを使い始めたい。

鉛筆削りで削って使うアイブロウは、面倒と感じる人もいるかもしれないが、
お化粧品道具を丁寧にメンテナンスする意識が高まるので
実は好き。


フードロスはここ数年でよく聞かれる単語になったように思うのだが、コスメロスも意識されているのだろうかと調べてみれば、さまざまな取り組みが始まっているようだ。

私が実際に利用したことがあるのは、横須賀にある実店舗があるタイプ。

https://brand.aena.co.jp/choose-a-tomorrow-project/

ここは他の用事で買い物に出た時に偶然見つけたお店なのだが、パッケージリニューアルで店頭に並ばなくなった化粧品など、アウトレット品がたくさん扱われている。お値段も破格。私はよく使うウェレダのアイテムを買うことができたり、限定パッケージというだけで販売が終了しているクレンジングを買うことができたりと、満足な買い物ができた。
お店の棚を見ながら「ちゃんとしたメーカーのじゃないとねえ」と言って一瞥しただけで立ち去っていったマダム達と遭遇したのだが、探せば普通にドラッグストアで扱われているようなメーカーやブランドのものもたくさんある。見たことがないものは、例えばエステサロン専売品だったりして、この店の棚に並ぶことになる経緯も様々なのだろう。
そもそも「ちゃんとしたメーカー」ってなんだろうか、というモヤモヤっとしたものが心に渦巻いたが。もちろん私だって「ちゃんとしたメーカー」のものを選んで使いたいと思っている。私の中で「ちゃんとしたメーカー」というのは、動物実験をしていないメーカーだったり、環境に配慮しているメーカーだったりとなるので、「ちゃんと」の基準は人それぞれ違うだろう。


ネット販売でコスメロスをしているサイトも色々あるようなのだが、複数個をまとめ売りにしているサイトが多く、それだと私の中では「安くても無駄買いしない」という買い物理念に沿わないので、今のところ見送っている。誰かお友達とシェアできたりすれば、買うかもしれないのだが、とにかく「買いすぎない」「使い切れる量だけを買う」ということを重要視しているので、なかなか難しいところではある。

私の母も私の祖母も、大量に化粧品を持っている人だった。だからそれが当たり前のことなのかと疑いもしなかった。
ちゃんと使い切る、ということを意識し始めて、いろいろなことが私の中で変わったように思う。コスメだけではなく、筆記具も、調味料も、洗剤も。ちゃんと使い切る。服もなるべく使い倒す。致し方がなく中古ショップに買い取ってもらうこともあるけれど、できることなら使い倒したい。


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MariKusu
温かいサポートに感謝いたします。身近な人に「一般的な考えではない」と言われても自分の心を信じられるようになりたくて書き続けている気がします。文章がお互いの前進する勇気になれば嬉しいです。