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おはぎ。
京都では、季節ごとに食べる物があると思います。
一般にお彼岸に食べる「ぼたもち」と「おはぎ」もそのひとつどすね。
でも、京都では春のお彼岸も、おはぎと言いぼたもちとは言わしません。
祖母が元気なころは、お彼岸にはおはぎをこしらえてくれていました。
「ふしめふしめに小豆のもんを食べたら病気にならへん」と言うのが祖母の台詞どす。
祖母が作ってくれるおはぎは、もち米を全部潰さずに半粒残して搗き(つき)ます。
「半殺しえ」言いながら搗くもんで、その言葉を聞いていると、
笑って話しながら搗いたはんのに、
日本昔ばなしに出てくる山姥が、夜な夜な包丁を研いでいる姿を想像してしまいました(笑)
祖母の作るおはぎは、もち米を団子にして中にあんこを入れ、まわりにきな粉をまぶします。
ほんのり甘くて、何個でも食べられます。
祖母が亡くなり、お彼岸になるとあの味が忘れられず、母も私もこしらえてみたんですが、
祖母の味を出すことができず、おはぎを食べることがなくなりました。
もう一度食べてみたい想い出の食べ物です。
#京都 #女将#料理屋#おはぎ#京都の日常