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子供を産みたいと思わない女性もいるということ

私の大学時代の卒業論文のテーマは「医学を学んだ学生と一般の学生の、出産に対するイメージの違い」でした。

本当はこれを研究したかったのではなく、

「女性がなぜ子供を産むのか」

を研究したくて、母性領域(わかりやすく言うと産婦人科領域)の教授に相談しました。

「それを研究するには大学院に進んで研究者にならないと無理ね。解明できるかどうかはわからないけど。」

こう言われた記憶があります。

何故そんな研究をしたいと思ったか…
それは私自身が「子供を産みたい」と思う女性の気持ちが本気で理解できなかったからです。

出産は女性にとってかなり身体的負担もあり、強烈な痛みを伴います。
そこまでして、どうして世の中の女性は子供を2人も3人も産むのだろうか。

これは本当に私には理解できなかったのです。

これは、子供が好きとか嫌いとかという問題ではありません。

子供は本当に可愛いです。
私はどちらかと言うと子供に好かれやすいので、営業時代もお客様と上司の商談中にお客様のお子様をお預かりする役目にいつも抜擢されていましたし、看護師時代も子供の担当に着くことが多かったです。

保育園看護師時代も本当に子供が可愛かったし、よく懐かれました。
保育士の先生より、私の抱っこで泣き止む子もわりといました。

子供が可愛くても、自分の遺伝子を残したいとか、子育てをしたいという気持ちが全く持てませんでした。

これは、結婚した今も変わりません。
大好きな夫の子供だったら欲しいという気持ちにもなりません。(夫も同じ考えです。)

私の生い立ち

以前「私が家族から得たかったもの」の記事で自分の生い立ちに触れました。
私は自分が生まれた家庭で、十分な教育や教養、衣食住を与えてもらっていました。しかし自分が欲しい形での愛は受け取れず、愛を渇望して育ってきました。子供の頃から母とはどうしても、うまく関係を築くことができませんでした。(現在実の母には絶縁されています。)

大人になっても、親子の絆や家族の絆を形成できず仕舞いでした。
(父とは、父が認知症になってからお互いの気持ちが通じたと思います。)

夫もかなり大切に育てられ、十分な教育や愛情を受けて育ったと思います。しかし、親子関係は大人になってもこじらせているように見えます。
(これに関しては、徐々によくなっているなーと嫁目線で感じています。)

私も夫も、結婚によって渇望していた愛を今、補い合っているところだと思います。砂漠に水を注いでいるイメージです。

十分にお互いが愛で満たされるまでは、子供ができても子供に愛を注ぐ余裕は無いだろうと思っています。子供は本当に可愛いと思います。(2回目)


血の繋がりとは

私の母は6人兄弟の中の4人姉妹の末っ子で育ちました。
見ていると、母の実の母である祖母の愛情は母の姉3人に偏っていて、母は本当に雑に扱われているという印象でした。

とても優しかったという祖父(母の父親)は、母が子供の頃に亡くなっていますので、ことさら母も祖母の愛を欲していたと思います。


そんな母と祖母の関係性を見ても、私と母の関係性を見ても、強く感じるのは、「血が繋がっているから絶対に絆が深いとか、子供を可愛いと思うとは限らない」ということです。

私が子育てを経験したいときが来たら、育てるのは自分の遺伝子を受け継ぐ子供である必要は無いと思っています。
この世に生まれてきたけれど、実の両親が育てることが難しいケースもありますから、養子縁組で子育てをする選択もあると考えています。

夫の祖母は全く血の繋がりのない私をとても大切にしてくれます。結婚して初めてこのような深い愛情を知りました。(もちろん夫に対しても祖母のとても深い愛情を感じます。)

そしてアメリカのポートランドにホームステイしていた時代のホストマザーも、もう15年以上の繋がりになりますが、これまで家族以上に私のことを心配し、気にかけてくれていました。

結婚するまでは私にとって一番の理解者であり、母親でいてくれました。
離れていても、その深い愛情に助けられたことは数えきれないほどあります。


女性の生き方の多様性

女性の幸せは結婚と出産だとか、結婚したら子供を産むのが当たり前だとか、そういった世の中の価値観に苦しめられて生きている女性はたくさんいると思います。

結婚してもしなくても、出産してもしなくても、その人がその人らしく生きられることが本当の幸せだと思います。

誰にも口出しされず、誰とも比べず、自分が納得して幸せだと心から言える人生を生きる女性がもっと増えたらといつも願っています。


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