呼吸の海
このごろちょっと調子が悪い。体調が悪いわけではないが、なんとなくエンジンがかからないというか、だるいというか、眠いというか、眠れないというか、何もかもが面倒くさいというか。
それで数独(ナンプレともいう)ばっかりやっている。朝から晩までやっている。小さな問題集を買って片時も離さずテレビを見るときも音楽を聴くときもそればかりやっている。たまに外に出かけると、ああ早く帰って数独やりたいなって思ったりして、我ながらキモい。
寝込むほどではないし、ラジオの収録にも行くし、時にはライブもするし、友達とランチもする。でも、なんとなく身体がだるい。更年期はとっくに過ぎた。なんだよう、更年期が過ぎたらバラ色の人生なんじゃないのかよう。
もしかして、これって、コロナ鬱?
わたしはもともと呼吸が浅い。ピアノを弾いたりパソコンをしたり(このごろは数独もしたりして)座ってばかりいるから姿勢が悪くなって胸が詰まっているようだ。横隔膜や脇腹の筋肉の動きも悪い。以前気功の先生に「起きているけど気絶している状態」と言われたこともある。呼吸が浅くて酸欠気味らしい。起きながら気絶とは、なかなか器用なことだ。
若いときはそれに加えて緊張があった。息を止める癖もある。息ができなくてライブの前には死にそうに辛かった。場数を踏んで緊張も減り、ボディワークやマッサージや身体のメンテナンスをたくさんしてだんだんと自分の身体と仲良くなった。
いつもライブをすると元気になった。精神的な話ではない。歌を歌うことで息をたくさん吸えるから酸欠状態から解放されたせいなんじゃないかなと思っている。歌をたくさん歌った後は顔色がよくなるもんね。これまで少ない呼吸でなんとか生きて来れたのは時々歌を歌う機会があったせいなのかも。
それってなんだか、魚みたいだ。
水がないと生きていけない魚みたいに、歌わないと息ができないわたし。そういうのちょっとかっこいいかなと思ったけど、よく考えたらそうでもない。ていうか、ちゃんと肺呼吸しろよ、自分。