りんご

本ばかり読んでいた10代(マンガ含む)。 棚卸しをしていきます。

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最近の記事

疑似家族への憧れ⑤BANANA FISH

冷戦×アクション×ヒューマンドラマ×いろいろ少女マンガ 吉田秋生「BANANA FISH」は硬派なマンガである。 舞台は1980年代のNY・ダウンタウン(治安悪い)。 「バナナフィッシュ」という謎のキーワードを巡って繰り広げられる、 ストリートギャングとマフィアの抗争だ。 掲載誌は「別冊少女コミック」。そう、少女マンガだけど。 類まれな美貌とIQ180を超える頭脳を持つが、暗い過去に悩まされる美少年・アッシュの存在が少女マンガであることを思い出させてくれる。 一方で、彼

    • 疑似家族への憧れ③高河ゆん「源氏」2

      自由とは 家族の人数分の洗濯機に驚いた私は、その後もいちいち驚く。 思えば男性同士の性愛を描くいわゆるボーイズラブ的な話に接したのもこのマンガだった。 義経は兄の頼朝のことが大好きで、同じ顔をしている克己のことも大好き。 克己にキスもするし、それ以上もしようとする。(克己も拒まない) 男同士でもいいんだ…! 一つ目の驚きだった 「この世の中で一番愛しいのは…源氏」 作中の頼朝には兄弟がたくさんいるのだが、義経を除く他の兄弟には疎まれており、ある日とうとう、兄から毒を

      • 疑似家族への憧れ②高河ゆん「源氏」1

        平安時代にはまる 歴史ものが好きになった私は、歴史がモチーフになっているものをいろいろ読み始めた。当時、少女小説が流行っていたこともあり、恋愛小説の大家・折原みと先生の本ももちろん読んでいたけれど、オタクな私は早々にコバルト文庫にのめりこむようになった。 お気に入りは氷室冴子先生の「なんて素敵にジャパネスク」シリーズだ。 「なんて素敵にジャパネスク」は、疑似平安時代のお話である。登場人物は現代の感覚で動いているけれども、和歌を詠みあったり、方違えをしたりと、小学生の私にと

        • 疑似家族への憧れ①ー歴女になる

          学習マンガ「春日局」との出会い 九州の小さな小さな町に、ある日それなりの本屋さんが出来た。 母に連れて行ってもらい、「好きなものを買いなさい」といわれた私。 私が勉強しているのが好きな母の希望を勝手にくみ取り、でもマンガも読みたくて、伝記マンガにした。 確か「水戸黄門」か何か(しぶい)と「春日局」だったと思う。 佐々木みすずという漫画家の描いた春日局の世界は美しかった。 どこまで時代考証が正確だったのか、今となってはわからないけれど、 長い髪に何枚も着物を重ねた女性がたく

          疑似家族への憧れ⓪

          10代の苦しみか、私の苦しみか10代のころ、本ばかり読んでいた。 ほんとはマンガがたくさん読みたくて(実際たくさん読んでいたけれど)、お小遣いが少なくて図書館にも通って、おじさんが読むような歴史小説や、芥川龍之介など教科書に出てきそうな本も片っ端から読んでいた。 心配性の母 九州の片田舎から関東のベッドタウンに引っ越してきた我が家は、家の中では方言を話しつづけた。子供であった私たちは新しい友達がたくさんできたけれど、大人になって引っ越してきた両親はあまり知り合いはできない

          疑似家族への憧れ⓪